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漁の期間は年に数日のみ!貴重な横浜町の「なまこ」(2019年11月)

なまこ

年末年始の食卓に欠かせない食材の一つとも言える「なまこ」。青森県横浜町は、その主産地として有名です。今回は横浜町で漁獲される「横浜なまこ」についてご紹介します。

横浜町の「なまこ」

横浜町について

横浜町 地図

青森県の上北地方の最北部に位置している横浜町。まさかりの刃のような形が特徴の下北地方へ向かう途中にあり、陸奥湾に面した下北半島の玄関口の町です。主な産業は漁業と農業で、漁業は「なまこ」や「ホタテ養殖」、農業は「菜の花」や「じゃがいも」の主産地です。

「横浜なまこ」の歴史

横浜町の「なまこ」の歴史は江戸時代までさかのぼります。鎖国制度により外国との貿易が制限されていた時代であっても、乾燥なまこはアワビやフカヒレと並ぶ、輸出重要品目(俵物三品)として指定され、中国に輸出していました。昭和になり、流通の整備が進むと、「なまこ」は生食として出荷されるようになり、現在に至ります。
平成27(2015)年8月28日、「横浜なまこ」は青森県で9番目、「なまこ」としては全国で初となる地域団体商標に登録されました。

横浜町の「なまこ」の特徴

なまこ 横浜町

資源を守るための取組

江戸時代から漁獲されていた横浜町の「なまこ」ですが、過去には「なまこ」を獲りすぎて漁獲量が減少してしまったことがありました。
それ以来、貴重な「なまこ」資源を守るため、横浜町のなまこ漁では様々な取組が展開されています。

資源を守るための取組4つ

1.漁獲時期の規制

横浜町で「なまこ」の漁に出ることができる時期は、1年で12月下旬のたった数日間。さらに1日30分~1時間程度しかありません。漁獲ができる数日間は、その日の天候や海の状況によって変わります。過去には波が高く漁に出るのが危険な日が続き、なまこ漁の期間が1日しかない年もありました。

2.禁漁区域の設定

「なまこ」の成長を妨げないよう禁漁区域を設定しています。数年間「なまこ」の漁獲を禁止するほか、その他の漁や網の投下も禁止しています。

3.網の改良と検査

「なまこ」は熊手のような鉄製の器具がついた「けた網」ですくい上げる方法で漁獲します。海底の環境保全と「なまこ」を獲りすぎないようにするため、軽い網に改良しています。なまこ漁に出る前に網の検査があり、使用するおもりが多いなど、規定に違反する場合は漁に出ることができません。

4.ホタテの貝殻を有効活用

陸奥湾はホタテの養殖が盛んに行われています。ホタテの貝殻が廃棄物として増加する問題がありましたが、それらを「なまこ」の資源保護に有効活用しています。海底にホタテの殻を敷くことで貝殻によって外敵から守られ、「なまこ」の幼生が成長しやすい環境を作ることができます。

こうした資源保護の様々な取組も、貴重な食材としての「横浜なまこ」の価値を高めています。

やわらかい食感

横浜町で漁獲される「なまこ」は身がやわらかいのが特徴です。陸奥湾の中でも横浜町周辺は、おだやかな波が打ち寄せる遠浅の石場が広がっています。この環境は「なまこ」の生育に適した漁場で、そのため横浜町の「なまこ」は身が固くなる原因の骨片(こっぺん)が少なく、やわらかい食感となっているのです。

貴重な「横浜なまこ」を味わえるイベント

なまこ 横浜町

横浜なまこフェア

貴重な横浜町の「なまこ」を食べることができる、“横浜なまこフェア”が毎年11月下旬~12月上旬に開催されます。平成8(1996)年から、当初は横浜なまこを喰ふ会として漁協や農協関係者などで行われていました。

旬を迎える「横浜なまこ」を存分に味わってもらおうと、現在は‟横浜なまこフェア”と名称を変え、期間中、約1,500食のなまこ料理を提供する大きなイベントへと変化していきました。

“2019横浜なまこフェア”詳細

“横浜なまこフェア”期間中に限定メニューを味わうことができるのは町内で2店舗のみ。道の駅よこはま 菜の花プラザ内にあるレストラン鮮菜とトラベルプラザ サンシャインです。各店限定メニューがあります。
提供メニューの一つ、”横浜なまこ丼”は、ご飯の上にとろろと生の横浜なまこを乗せたどんぶりで、特におすすめのメニューだそうです。他にも、三趣盛やお茶漬けなど様々なメニューを味わうことができます。

横浜なまこ丼
横浜なまこ丼
横浜なまこ三趣盛
横浜なまこ三趣盛
日程 2019年11月30日(土)~12月8日(日)
時間 各店舗営業時間内
詳細 ポスターダウンロード

横浜町の「なまこ」のこれから

横浜町役場産業振興課水産商工グループ安部さん・大澤さんに「なまこ」のこれからについて伺いました。

なまこ 横浜町

『これまで10年以上にわたり開催してきた“横浜なまこフェア”を通して、横浜町で漁獲される「なまこ」の周知を図ることができています。長期間続けている資源保護の効果もあり安定した漁獲量や価格を維持しています。
しかし、依然として「なまこ」の枯渇が懸念されることから密漁や乱獲を防ぎ、年末の風物詩である「横浜なまこ」のPRと資源保護に向けた様々な対策を継続して進めていく予定です。
また、横浜町の「なまこ」を初めて知る方も既にご存知の方も、ぜひ今年の“横浜なまこフェア”にご来場いただき、「なまこ」の美味しさを知っていただきたいです!』
と町も積極的に今後の「なまこ」の展開を検討しています。

やわらかくて美味しい希少な「横浜なまこ」を気軽に食べることができる“横浜なまこフェア”。ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか?

“横浜なまこフェア”に関するお問い合わせ

横浜町 産業振興課

住所 青森県上北郡横浜町字寺下35
TEL 0175-78-2111
FAX 0175-78-2118
Webサイト 横浜町役場 ホームページ

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