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青森のうまいものたち

冬に獲れる、「田舎館いちご」(2020年2月)

田舎館いちご

青森県の津軽平野中心部に位置する田舎館村で、いちご栽培が盛んなのをご存知でしょうか?

真冬の今の時期に作られているのは“冬春いちご”と呼ばれる冬から春にかけて収穫されるいちごです。いちごの産地は暖かい地域のイメージがあるかもしれませんが、青森県内でも田舎館村、八戸市、おいらせ町などで冬春いちごの栽培が行われています。ちなみに、夏から秋にかけて収穫する“夏秋いちご”もあり、こちらの主な産地は田舎館村のほか、黒石市やむつ市などがあります。

今回は、田舎館村のいちご生産者で構成された田舎館いちご研究会の皆さんが作っている「田舎館いちご」をご紹介します。
田舎館いちご研究会現会長の花田賢一さんと、前会長の工藤弘樹さんにお話を伺いしました。

田んぼアートの村として知られる青森県田舎館村

田舎館村

青森県の津軽平野南部に位置している田舎館村は、米作りが盛んで、様々な色の稲を植えて巨大な絵や文字を作る田んぼアートの村としても知られています。
面積が22.31k㎡と青森県内40市町村の中で一番小さい村で、東西は八甲田連邦と岩木山で囲まれ、村を横断するように浅瀬石川と平川が流れています。
田舎館村では、主に米、りんご、トマト、いちご、ぶどうが生産されています。

田舎館いちご研究会

研究会のはじまり

田舎館いちご

田舎館いちご研究会の歴史は約30年前、研究会の初代会長で米農家の田沢正則さんが、栃木県で食べたアイベリーという品種のいちごの美味しさに衝撃を受け、アイベリーの苗木を分けてほしいと直談判したことからはじまります。

いちごの魅力に取りつかれた田沢初代会長は、味・形の良いいちごを作りたい、と仲間を集め、田舎館いちご研究会が発足しました。

研究会の活動内容

田舎館いちご研究会では、より品質の良いいちごを生産すること、さらに生産する量を増やし農家の収入を増やすことを目指し活動しています。生産者の皆さんや、県職員、いちご栽培の技術者などでハウスの視察をし、発育状況を確認するなど、日々いちご栽培の研究をしています。

作られている品種

田舎館村で作られているいちごは2020年現在、とちおとめ、ロイヤルクイーン、アイベリー、あさかの4つの品種があります。その中でも、とちおとめの生産量が多いそうです。

ロイヤルクイーン
ロイヤルクイーン
とちおとめ
とちおとめ

計28棟のハウスで栽培

いちご ハウス

田舎館いちご研究会に所属する生産者の方々は、現在28棟のハウスで栽培しています。ハウスの広さはすべて合わせると約100アール(10,000平方メートル)。収穫量は毎年変動があるため一概には言えませんが、生産量が多い農家さんではとちおとめの写真のような4パックセットで約150~200箱分を出荷しているそうです。

現在、若手のいちご農家さんが1名、「田舎館いちご」を出荷できるよう勉強中とのこと。今後さらに収穫量は増えていく見込みです。

美味しいいちご作りとブランド化

「田舎館いちご」の旬は冬から春

田舎館村では、7月から10月にかけて収穫される“夏秋いちご”を栽培している方もいますが、“冬春いちご”の農家がほとんどです。その理由は、「田舎館いちご」の生産者は米やりんごを栽培している農家が多く、その収穫後にいちごの生産を行うためです。

毎年苦労していること

「田舎館いちご」は全てハウス栽培。そのため、温度管理にかかる暖房費や、雪の重さで壊れた部分の修理などのビニールハウスの維持に毎年苦労されているそうです。さらに、収穫時期になると、パック詰め作業が夜遅くまで行われ、忙しい日々が続きます。田舎館いちご研究会員の皆さんは、忙しい中でも鮮度の良いいちごをなるべく早く出荷し、「田舎館いちご」の美味しさを届けたいと、日々、栽培に取り組んでいます。

花田さん 工藤さん

「田舎館いちご」栽培のこだわり

田舎館村 いちご

「田舎館いちご」が育つ土には、植物性の有機質肥料が使われています。定期的な勉強会の開催やこれまでの栽培経験から、青森県の夏場の気温の低い環境では有機物がゆっくりと吸収され土の栄養になることがわかりました。いちごが育つ土作りから行うことで、甘くて大きいいちごができるのです。

「田舎館いちご」の特徴

田舎館いちご研究会のブランドいちごとして出荷するため、定期的に出荷規格を確認し、味、形、見た目などの品質向上と統一化に努めています。
花田さんに「田舎館いちご」の特徴を伺うと、「田舎館で作っているいちごは、味が濃く感じられると思う。全国の皆さんに食べてもらいたい。」と答えてくださいました。

特に美味しいいちごを見極めるコツは、“表面のつや”と“ヘタ”だそう。つやつやしていて、かつ、ヘタが反っているいちごが美味しいそうです。

田舎館いちご研究会のこれから

田舎館いちご研究会

「まずは今よりも収穫量が増えて、会員みんなが幸せな生活を送れるようになりたい」と話すのは工藤さん。花田さんは、「会員(生産者)も増えてほしい。後継者問題にも直面しながらではありますが、美味しいいちごを作り続けれたらいいですね」と話します。

田舎館いちご研究会の「田舎館いちご」。ブランドいちごとしてぜひ、全国に広まってほしいです。

お問い合わせ

田舎館いちご研究会

田舎館いちご研究会 Webサイト http://ichigo.ichihime.biz/
田舎館いちご研究会 Facebook https://www.facebook.com/ichigo.ichihime/

購入できる場所

工藤観光農園

住所 青森県南津軽郡田舎館村枝川
ハーベストマーケット 工藤観光農園 Webページ

弘果ネットショップ

ネットショップリンク先 弘果ネットショップ

その他、青森県内各スーパー

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旬の食材

2020年3月
布海苔投石事業発祥の地「風間浦村の布海苔(ふのり)」

2020年1月
白神山地と日本海の自然に囲まれ育った「深浦白神自然薯」

2019年12月
岩木山の麓で作られる「一町田のせり」

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