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青森のうまいものたち

白神山地と日本海の自然に囲まれ育った「深浦白神自然薯」(2020年1月)

自然薯

強い粘りと独特の風味が特徴的で、山の漢方薬と昔から珍重されてきた「自然薯(じねんじょ)」。
白神山地と日本海の自然に囲まれた深浦町で自然薯栽培がされていることはご存知でしょうか?
深浦白神自然薯研究会という生産者が集まり結成した団体の皆さんが作っています。
今回は、深浦白神自然薯研究会の一員で、生産者であり深浦町役場勤務の児玉恵昭さんにお話を伺いました。

青森県の最西端、深浦町

深浦町

世界遺産白神山地と日本海の自然に囲まれた深浦町は、青森県の最西端に位置しています。人口は約8000人。

極寒のなか雪の下から収穫される「ふかうら雪人参」や、つるっと食べることができる麺状のわかめ「つるつるわかめ」などが特産です。海の恵みと山の恵みの中で、「自然薯」も栽培されています。

「自然薯」とは?

深浦白神自然薯

「自然薯」に類似している食べ物といえば長芋や山芋、イチョウ芋、大和芋などが思い浮かぶのではないでしょうか?

「自然薯」とは、ヤマノイモ科ヤマノイモ属に属し、日本原産の野生種で品種改良をしていないもののことを言います。「自然薯」は原種であるため栽培が難しく、深浦町の特産品になるまでには長い期間を要したと児玉さんは言います。

深浦白神自然薯とは?

深浦白神自然薯研究会の生産者によって栽培された「自然薯」のことを言います。

特徴その1「粘り」

自然薯 粘り

深浦白神自然薯は粘りが強いのが特徴です。

箸でつかんでもなかなか落ちないほどの粘りで、長芋よりも硬いため、すり鉢でするにも一苦労。しかし出来上がったトロロはふわふわで、えぐみや渋みの元になるアクがでないため、美味しくいただくことができます。

特徴その2「栽培環境」

白神山地

白神山地の麓で日本海に面している深浦町は、海からのミネラルを含んだ風を受けている環境にあり、平野部よりも寒暖の差がない中で栽培することができます。

また、山の土は栄養分が多いなど恵まれた土壌環境があるからこそ、美味しい深浦白神自然薯を栽培することができるのです。

深浦白神自然薯研究会

深浦白神自然薯研究会は、「自然薯栽培の技術向上を中心に、消費者ニーズにあわせた多角的な販売方法の確立及び消費者との交流を通し、深浦町の活性化を図ること」を目的として結成されました。2020年1月現在で7件の農家さんが活動しています。

土壌を分析し続けること、10年

深浦白神自然薯研究会
深浦白神自然薯研究会の皆さん

深浦白神自然薯は、ケース栽培と言われる方法で栽培しています。土の中にケースを入れ、さらにケースの中に山砂を入れ、その中で「自然薯」を育てます。このひと手間を加えることで「自然薯」はまっすぐに伸びて育ちます。しかし、栽培を始めた当初は、ケースに入れても奇形芋が多く収穫されてしまい出荷できるものが少なかったそうです。

そこで、深浦白神自然薯研究会では、深浦町の土壌分析室で奇形芋ができる原因を突きとめるための研究を始めました。そして、山砂に原因があることが判明。栽培で使用する山砂を選定し、肥料の分量の研究も徹底して行い改良した結果、現在の立派な「自然薯」を栽培することに成功。今では深浦町の特産品になりました。

大きく長い「自然薯」になるまで

深浦白神自然薯の出荷量

深浦白神自然薯の出荷量は、年間約300キロ前後。大きさは約1.3mにもなるそうです。重さは1本あたり平均700gで、年間約800本収穫されています。

深浦白神自然薯ができるまで

4月下旬、「切り芋」という種芋を切ったものを作ります。この切り芋から芽が出るまで、約2か月育てます。
6月下旬、芽が出た切り芋をケースに入れて畑に植えます。
梅雨が終わる7月下旬に、マルチを畑に張ります。マルチとは、畑の表面を覆うシートのことで、夏の地温を下げ、過湿を防ぐ効果があり、天候に左右されず安定的に薯の肥大を促すことができます。
9~10月ごろにかけて、「自然薯」が土の中で肥大・成長します。
11月下旬に収穫作業を行い、その後、スーパーなどの野菜売り場で販売されます。

切り芋
切り芋
自然薯 ケース
自然薯を育てるケース
自然薯 収穫の様子
収穫の様子

深浦白神自然薯オススメの食べ方

トロロ

そのままトロロで

「自然薯」は消化酵素を含んでいるため、熱を加えずにそのままトロロで食べることをオススメしています。特に、麦飯はトロロと食べることで消化吸収がよくなるそうです。ただ、「自然薯」は強い粘りがあるため、すり鉢でするのにもかなりの体力を消耗するのでご注意を!

深浦白神自然薯のこれから

自然薯

「自然薯」の生産者は、トマトなどの複合経営をされる方がほとんどです。「自然薯」で得られる収入だけでは厳しいのが現実です。今より多くの収入を得ることができるよう、出荷量を増やすために栽培技術を磨きながら販売量の増加を目標に活動しています。自分自身の健康と農業経営の両面が良くなるように、楽しく「自然薯」栽培を続けていきたい、と児玉さんは話しています。

購入できる場所

ふかうら本舗ネットショップ

Webサイト ふかうら本舗ネットショップ
備考 ※予約開始は8月を予定しています。
※深浦白神自然薯は、1kgからご購入いただけます。
※深浦白神自然薯は、形や大きさにばらつきがありますので、
1本となったり複数本となったりする場合がございます。
あらかじめご了承ください。

問い合わせ先

深浦白神自然薯研究会(深浦町役場農林水産課内)

住所 青森県西津軽郡深浦町大字深浦苗代沢84
TEL 0173-74-2111(内線137)
Webサイト 深浦白神自然薯研究会公式ホームページ

旬の食材

2020年3月
布海苔投石事業発祥の地「風間浦村の布海苔(ふのり)」

2020年2月
冬に獲れる、「田舎館いちご」

2019年12月
岩木山の麓で作られる「一町田のせり」

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