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青森のうまいものたち

漁獲できるのは1年でわずか10日間!「蟹田のトゲクリガニ」(2019年4月)

2019年4月 旬の食材「トゲクリガニ」

青森県で桜が見ごろになる4月下旬から5月上旬にかけて、身が引き締まり、ミソが濃厚になる「トゲクリガニ」。陸奥湾で漁獲することができますが、今回は蟹田でトゲクリガニのブランド化を目指して奮闘中の、外ヶ浜漁業協同組合蟹田支所・業務課長兼支所長代理の田中博之さんと、漁師の泉谷茂樹さんにお話を伺いました。

青森県蟹田のトゲクリガニ

青森県外ヶ浜町
外ヶ浜町

蟹田は、青森県外ヶ浜町の蟹田地区のことです。
2005年に蟹田町と平舘村、三厩村が合併して外ヶ浜町となりました。
津軽半島の東岸、陸奥湾沿岸に位置しています。

トゲクリガニとは

トゲクリガニは毛ガニの仲間であるクリガニ科に分類されます。毛ガニに比べると比較的リーズナブルな価格で手に入ることから、昔から青森県民にとっては親しみやすい存在でした。青森県では陸奥湾に多く生息しており、毎年、決められた期間・規格のトゲクリガニしか漁獲できないため、大変貴重な食材です。

毛ガニとの違いは?

毛ガニに比べて、ミソが濃厚であることが特徴です。漁師の泉谷さんによると、オスのミソは苦みがあると言います。一方、メスはオレンジ色のプチプチとした「こっこ」と呼ばれるものがミソに混ざっており、食感を楽しむことができます。どちらが好みか、食べ比べをしてみるのも良いかもしれませんね。

オスとメスの見極め方

見た目はとても似ているオスとメスですが、一番わかりやすい見極め方は「ふんどし」の形を見ることです。トゲクリガニのおなかを見ると「ふんどし」と呼ばれる三角形の部分があります。三角形の幅が狭く尖がっているのがオス、幅が広く大きく膨らんでいるのがメスです。
他にも、オスはメスよりも大きいことや、メスは腹回りの毛が濃いことなど、見極めるポイントはいくつかありますが、漁師さんは水揚げのときに一瞬見ただけでオスとメスが分かるというので驚きです。

トゲクリガニ オス
トゲクリガニのオス
トゲクリガニ メス
トゲクリガニのメス

貴重なトゲクリガニ

トゲクリガニを多く獲りすぎると翌年の漁獲量に影響を及ぼす可能性があるため、様々なルールがある中で漁獲しています。

トゲクリガニ漁のルール

トゲクリガニ漁の時期は、蟹田の漁業協同組合の会議で決定します。2019年は4月10日の会議で、「漁解禁日は4月17日に決定」と発表されました。トゲクリガニの漁獲方法は、夜にエサの入ったかごを漁場に沈めて翌朝に揚げるカゴ漁です。

 ・1回に仕掛けるかごは1隻40個まで
 ・水揚げは1シーズンで10回まで
 ・水揚げができるのは1日1回、早朝5~10時の間のみ
 ・漁獲できるトゲクリガニはオスが160g以上、メスが130g以上

といった厳しい制限があります。

トゲクリガニ漁 船上
船上が仕掛けのかごでいっぱいになる
トゲクリガニ漁 船の上
通路部分も一杯になるほどの量

漁師が長年の勘で漁獲

一斉に出発する様子

トゲクリガニ漁の解禁日は、漁港に並んだ約15隻の船が、一斉に漁場に向けて船を走らせます。漁師さんたちは潮の流れを見て、長年の勘で、トゲクリガニが多く獲れるであろう漁場の目星はつけています。

限られた10日の期間で約100~200kgのトゲクリガニを漁獲。蟹田では「蟹田のトゲクリガニブランド」を強化しているため、基本的に市場に出荷しないことから、蟹田の決められたお店でしか食べることができません。

漁師がすすめるトゲクリガニのおいしい食べ方

トゲクリガニ
お好みの食べ方を試してみてはいかがでしょうか

トゲクリガニのゆで方のコツ

真水3:海水(塩分濃度約3.4%)7の割合で水から入れて沸騰したら10分煮ると、ミソと身の味が引き立つと言われています。

おすすめレシピ

トゲクリガニのミソの味が楽しめる味噌汁がおすすめとのことです。

 1.生のトゲクリガニを準備
 2.ミソが詰まった甲羅を殻ごとつぶす
 3.さらしなどに入れて煮る
 4.さらしをあげ、しぼってできたトゲクリガニの出汁に味噌を溶かし完成

他にも、トゲクリガニの甲羅に身をほぐしてミソと混ぜて食べたり、甲羅にお酒を注ぎミソと一緒に飲むなど、自分か好きな食べ方を探しながら味わってみるのもいいかもしれません。

美味しいトゲクリガニの見極め方

スーパーに売っているトゲクリガニを買って、家に帰って食べてみようと思ったら、予想よりもミソや身が入っていない!ずっしりしているからミソや身が詰まっていると思ったのに…。そんな経験はありませんか?そこで、漁師さんに美味しいトゲクリガニの見極め方を2つ教えていただきました。

トゲクリガニ
ふんどしのピンが取れている

①「ふんどし」で見極める

トゲクリガニのおなかを見ると、「ふんどし」と呼ばれる三角形の部分があります。ふんどしの横に2本白いピンが刺さっているものは、まだ食べごろではありません。ピンが抜けきったころが身もミソもおいしく食べることができる時期と言われています。

トゲクリガニ
甲羅にフジツボが付いている

②甲羅の色

見た目がやや白っぽいのはトゲクリガニの身がまだ少なめです。甲羅の色が黒っぽかったり、フジツボが付いているトゲクリガニは長く生きてきた証拠!身が引き締まっていることが多いため、美味しく食べることができるポイントです。

ブランド化を目指す「蟹田のトゲクリガニ」

外ヶ浜漁業協同組合(蟹田地域)の皆さんは、「蟹田で獲れる美味しいトゲクリガニを全国に広めたい」という思いから、地元漁師はもちろん蟹田の飲食店とも力を合わせ、「蟹田のトゲクリガニ」のブランディングに尽力しています。

トゲクリガニ
蟹田のトゲクリガニ

蟹田のトゲクリガニがおいしい理由

山から下ってきた水が川に流れ込むため、川の水はプランクトンが非常に豊富です。陸奥湾に面している地域最大の河川であり、本流が全長15.7kmにもなる「蟹田川」の水が流れ込む蟹田漁港はプランクトンが多く生息しています。「蟹田のトゲクリガニ」の美味しさの秘訣は、川が近く、流れ込んだ豊富なプランクトンを食べているからと言われています。

「蟹田のトゲクリガニ」ブランド化を目指す活動に、今後も目が離せませんね!

蟹としろうお祭り

期間限定で、川で水揚げされる「しろうお」と、海で獲ることができる「トゲクリガニ」を味わうことができるお祭りが毎年開催されています。「蟹田のトゲクリガニ」を食べることができるチャンスです。ぜひ一度、食べてみてはいかがでしょうか?

日程 4月25日(木)~5月12日(日) 10:30~17:00
場所 蟹田川河川敷
お問い合わせ まつり会場「かにた川」 TEL:0174-22-2375

旬の食材

2020年3月
布海苔投石事業発祥の地「風間浦村の布海苔(ふのり)」

2020年2月
冬に獲れる、「田舎館いちご」

2020年1月
白神山地と日本海の自然に囲まれ育った「深浦白神自然薯」

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