「ときわにんにく」の生産や販売、知名度を上げるために日々活動している、“津軽みらい農協ときわにんにく部会”という団体があります。津軽みらい農協の方や、生産者さんたちが所属しており、自信を持って美味しい「ときわにんにく」を全国の皆さんに届けるため、活動されています。
津軽平野の中心にある、藤崎町常盤地区

「ときわにんにく」の名前の由来になっている藤崎町常盤地区。もともとは、常盤村という青森県で2番目に小さな村でした。2005年の市町村合併により、旧藤崎町と旧常盤村は新設合併をし、新たに藤崎町となりました。青森県の西側にある津軽平野のちょうど真ん中に位置しています。
藤崎町は、農地が町の約7割を占めており、一次産業が盛んに行われています。ほとんどの農地は連続して繋がっており、日当たりや風通しが非常に良いことが藤崎町の農地の特徴です。
青森県のにんにくブランド「ときわにんにく」
津軽みらい農協ときわにんにく部会

藤崎町常盤地区で「ときわにんにく」の生産、販売、PRに力を入れているのが、今回お話を伺った“津軽みらい農協ときわにんにく部会”の皆さんです。
今回は、JA津軽みらい常盤基幹支店の太田秀俊さん、佐々木篤さん、三浦正幹さん、今俊越さん、「ときわにんにく」生産者で津軽みらい農協ときわにんにく部会の部会長・對馬伸吾さんにご協力いただき、「ときわにんにく」とは、どんなにんにくなのか?どんな特徴があるのか?どうやって食べればいいのか?詳しくお話を伺いました。
はじまりは60年以上前から!

津軽地方では珍しい作物だったにんにくですが、農業試験場から種を譲り受けて、昭和30年代ごろから健康嗜好の野菜として栽培したことが、「ときわにんにく」の始まりです。徐々に作付面積は増えていき、生産量が増加していきました。昭和40年代ごろになると、本格的に市場への出荷も始まりました。
このころはまだ、商標登録もされていなかったのですが、「常盤村」で作られる「にんにく」ということから、当時の主な出荷先であった築地市場では既に「ときわにんにく」と呼ばれていました。
2008年には登録商標を取得し、市町村合併で旧常盤村の地名が無くなってしまったことを惜しみ、正式に「ときわにんにく」というブランドとなりました。
にんにく農家さんの実態
「ときわにんにく」の生産者さんの多くは、りんごや米との複合経営です。というのも、田んぼの輪作で「ときわにんにく」を育てる生産者さんが多くいるためです。同じ土地で栽培する作物を定期的に変えることで、土壌の栄養バランスが取れ、収穫量の向上につながります。
2019年現在、「ときわにんにく」を生産している農家さんは全部で135名、そのうち常盤地区だと70名。生産者一丸となって、「ときわにんにく」の生産量を増やそうと力を入れています。
「ときわにんにく」の詳細
生態

「ときわにんにく」は、田んぼで育つのが特徴の一つです。
青森県では南部地方でもにんにくの栽培が盛んですが、南部のにんにくの多くは畑で栽培されています。にんにくに寄り付くイモグサレセンチュウという害虫は、一度発生してしまうと、再び同じ場所で栽培することが難しくなってしまいます。田んぼで栽培される「ときわにんにく」は、この害虫を抑制でき、連作障害を予防することができるのです。
さらに、津軽平野は偏東風「やませ」の影響が少ないため、藤崎町常盤地区は特に栽培に適している立地と言えます。「やませ」とは、主に東北地方の太平洋側で春から夏に吹く冷たく湿った風のことで、この風による天候の乱れが少ないため、田んぼの土壌の質が高く、甘みを感じる「ときわにんにく」が生産されています。
生産量

「ときわにんにく」の2018年度の生産量は363トンにもなります。
作付面積は周辺地域も含めると81ヘクタールにもなり、藤崎町常盤地区以外に、周辺地域の平川市、黒石市、板柳町などでも生産されています。
作付面積の約80%(65ヘクタール)が藤崎町常盤地区の田んぼで、多くの「ときわにんにく」が常盤地区で栽培されていることが分かります。
植え付け→収穫→乾燥→流通

植え付けは、9月~10月上旬ごろに行われます。
青森の寒い冬の時期には土の中でじっと耐えて冬を越し、6月下旬~7月上旬に収穫します。
収穫後は、約20日間乾燥させます。乾燥させることで、傷みにくく、日持ちが良くなります。乾燥後、冷蔵庫に保管されて、全国へ流通されていきます。
全国への流通には収穫量が要になってきますが、にんにくは根菜であるため「収穫してみなければ出来高がわからない」ということに毎年頭を悩ませるそうです。
入手困難、貴重な「ときわにんにく」
「ときわにんにく」は、出荷されるほとんどの商品が全国のリピーターに指名買いされています。最近では、藤崎町内や周辺地域でもスーパーに並ぶことが少なくなってきているほど、大変貴重なにんにくなのです。
選果基準のハードルがとても高い!

「ときわにんにく」は、一個一個の粒が大きく、触ってみると実がギュッと詰まっていることがわかります。
選果の基準は、大きさだけではなく、全体の形のバランス、色味、身の引き締まり具合、などがあり、目視で厳しく選果しています。
青森県内のにんにく生産割合に比べると、生産量はまだまだ発展途上段階ですが、厳しく選果し、品質に自信を持って消費者の皆さんにお届けしたい!と、津軽みらい農協ときわにんにく部会の皆さんはおっしゃっています。
「ときわにんにく」おすすめの食べ方
普段、にんにくの調理法と言えば、風味付けに使用したり、すりおろして調味料にすることが多いと思いますが、今回ご紹介するのは、にんにくが主役になる食べ方です。
カレーライス

カレーライスににんにく…、風味付けで使うのかと思いきや、「ときわにんにく」は、皮をむいてそのまま具材に合わせます。ジャガイモのようにホクホクして甘くなり、カレーライスにとても合います。気軽に作れるスタミナ満点料理です。
「ときわにんにく」のこれから
“津軽みらい農協ときわにんにく部会”の皆さんには、ブランド化した「ときわにんにく」のことを、青森県の消費者の皆さんにも、全国の消費者の皆さんにも、もっと知ってもらいたい、という気持ちで活動されています。“青森県産にんにく”ではなく「ときわにんにく」と言ってくれる消費者の方が増えることが、現在の目標です。
青森県では、南部地方がにんにくの産地として有名ですし、栽培の規模も非常に大きいです。津軽地方で作られたにんにくと、南部地方で作られたにんにく、どちらもとても美味しく、個性があるので、ぜひ食べ比べて味の違いを楽しんでみてはいかがでしょうか?


「ときわにんにく」問い合わせ先
問い合わせ先 | JA津軽みらい常盤基幹支店 |
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Webサイト | JA津軽みらいWebサイト |
電話番号 | 0172-65-3114(常盤基幹支店) |