あおもり産品情報サイト

青森のうまいものたち

十和田市農を伝える「ノエル」古舘さんと中浦さん(2018年12月)

2018年12月 産地めぐり

左:中浦さん 右:古舘さん
企業組合ノエルは、2013年5月、“農”を伝える役割を担い、代表の古舘さんと理事の中浦さんをはじめとする、4人の女性で立ち上げた団体です。
美味しい野菜を作りたい代表の古舘さん、その野菜達を食べてもらえて伝えることができるお店を作りたかった中浦さん、そして全国にも野菜や商品を届けたい関東在住のメンバー等で活動、現在は実店舗“ファーマーズマルシェhitotsubu”を青森県おいらせ町に構え、ネットショップ“宅配ノエル便”も運営しています。

ノエルの始まり

豊かな自然に囲まれた田んぼ

産直施設で知り合った古舘さんと中浦さん。はじめは違う団体に所属していましたが、共通だった農業を通じていろいろな立ち位置から“農を伝える”という共通の夢を持ったことが始まりだったそうです。
ノエルの代表を務める古舘さんはもともと米農家で、日本のお米消費量が少なくなってきたことを危惧し、新しい提案をしていこうと平成15年から米粉パン等の米粉加工品作りに取り組みました。その頃は青森県内で米粉を使用したパンはまだなく、ブームの先駆者でした。

一面に広がる畑

子供たちにお菓子を作っていた頃、お米は栽培しているのに、わざわざ外国産の小麦粉を買って作っていることに疑問を持ち、自身の作るお米でお菓子やパンが作れないか?と思ったことがきっかけだったそうです。
当初はまだ米粉の使い方が知られていなかっため、試行錯誤して食感や食味を研究し、ようやく納得のいく米粉パンが完成したと言います。その後、小麦アレルギーのお客様からのリクエストがあり、米粉のスイーツも誕生しました。

一方、もともとお野菜が苦手で美味しいと思わなかった、理事の中浦さん。ある時、生産者さんが作る野菜を食べてイメージが一新。特に、きゅうりを食た時、これまで食べてきたものと違い「美味しい!フルーツみたい!!」と衝撃を受け、米粉を用いた加工品を作るなどしていた古舘さん

米粉パン
米粉パン

の発想力にも驚いたそうです。
自身のこの体験から、そして消費者の方にもこの感動や生産者のこだわりなどをちゃんと伝えたいと思ったそうです。

ファーマーズマルシェhitotsubu(ひとつぶ)

ファーマーズマルシェhitotsubu
ファーマーズマルシェhitotsubu
チコリソフト
チコリソフトクリーム

2016年9月にOPENした“ファーマーズマルシェhitotsubu”。店内では一般流通しずらい野菜、まだ知られていない野菜、日本ではほとんど作られていない野菜など珍しい商品がたくさん並んでいます。生産者でありながらお店にも立たれている代表の古舘さんは、年間数十種くらいの変わりダネ野菜を栽培し、お店に野菜を並べています。

中浦さんは、古舘さんやほかの生産者さんから出荷される変わりダネ野菜をいかにお客様に伝えるか、と言うことを意識されています。
取材させていただいた当日も、蒸した“パースニップ(別名:サトウニンジン)を試食に出し、あまり知られていない野菜の適した調理方法も含めてお客様に伝えることをされていました。

ファーマーズマルシェhitotsubuでは、ふじもり農園さんが栽培する“チコリ”を使用したオリジナルの“チコリコーヒー”、“チコリ入米粉のシフォンケーキ”を展開していて、特に“チコリソフトクリーム”はお店のOPEN当初から一押し商品です。

三沢の米軍基地が近いこともあってか、ベジタリアンの方も多く、おいらせは青森県内でも平均年齢が若いエリアだからか、サラダ野菜の需要が多いと言い、そうしたお客様に合わせた野菜が年中揃っているように心がけているそうです。

チコリの根
チコリの米粉シフォンケーキ
チコリコーヒー
おすすめの米粉商品
お店の一角に並ぶ米粉商品
店内
端から端までお野菜がズラリ
さまざまなかぼちゃ
ペポかぼちゃからバターナッツまで様々

パースニップとは?… セリ科の仲間で、白肌の人参のような形をしています。生では繊維質が強いのですが加熱するとお芋のようなほくほく感の出るお野菜です。

チコリとは…? キク科の多年草で青い花を咲かせます。一般的に出回る葉の蕾のようなものはチコリの葉を遮光して育てられたものです。2年以上育ったチコリを掘り起こした根がチコリコーヒーとして使われます。

ファーマーズマルシェhitotsubu 店舗詳細

名称 ファーマーズマルシェhitotsubu(ひとつぶ)
住所 〒039-2182
青森県上北郡おいらせ町鶉久保53-3
電話 0176-51-7056
営業時間 10:00~18:00

※時間は変更になる場合がございますのでお電話等でご確認頂けますと確実です

ノエルが目指すところ

米粉を使ったパンやスイーツなど、加工のきっかけは、娘に作るおやつでしたが、減少傾向にある日本のお米消費量を増やし、田んぼを守っていくためにも設立から今後も米粉の加工を続けていきます。

また、ノエルでは“手間をかけた付加価値をきちんと価格に反映させた野菜を流通させたい”という思いがあり、卸してもらう野菜の価格は生産者の自由ですが、安く売らないように助言をしているといいます。
また、産直=安さを売りにした野菜や果物のイメージがまだ先行しているため、古舘さんと中浦さんは、ファーマーズマルシェhitotsubuを産直とは呼びません。
ノエルが運営する、ファーマーズマルシェhitotsubuでは、信頼する生産者が作った良い野菜の付加価値を、お客様へ伝え納得して購入していただける場づくりをしています。

古舘さんは「地域の方にとって新鮮で良いものを、そしてニーズがある野菜を切らさずに作る事」
中浦さんは「売る、売らなければ生産者さんは作れない!そして伝える事」
と、企業組合ノエルとファーマーズマルシェhitotsubuの今後を教えてくださいました。

企業組合ノエル

農を伝える ノエル
〒 034-0107 青森県十和田市大字洞内字中久根20
企業組合ノエル 公式ホームページ


産地めぐり

2020年3月
長谷川自然牧場のこだわりと「自然熟成豚」

2020年2月
漬物の達人たち、株式会社つがる女性加工

2020年1月
冬に獲れる「アスパラガス」

ページトップへ戻る