青森県は収穫の秋、果物の美味しい季節を迎えています。 日本一のりんごの産地から「幸福(しあわせ)の黄色いりんご」をお届けします。
黄色りんご
「りんごは赤い」のが当たり前。恐らく多くの皆さんがこの様に思うことでしょう。しかし最近は、黄色いりんごも店頭でよく見られるようになり、ご存じ「王林」や「金星」のほか、近年では「きおう」、「トキ」、「シナノゴールド」、「星の金貨」、「ぐんま名月」などの新品種も数多く販売され、味のバリエーションも様々です。
県内で栽培される黄色りんごの占める割合も増加の傾向にあり、平成24年産りんご総栽培面積のうち約17%が黄色りんごとなっています。
黄色りんごは、酸味が少なく、甘くてジューシー。食べると幸福な気持ちになりますよ。
黄色りんごのレベルアップ
黄色りんごは、りんご農家も幸福にしてくれます。黄色品種は葉摘みなどの着色管理に手間がかからないため、農家の高齢化や労力不足が進むなか、黄色品種を導入する農家も増えています。
ただ、収穫適期の判断が難しく熟期が揃いにくいため、選んで収穫するすぐりもぎが必要となります。過去には、台風被害から逃れようと早くもぎ取られた一部の黄色りんごが市場に出回り、味のバラツキから販売に苦戦を強いられました。このようなことが二度と起こらないよう、熟度調査を行ったり、カラーチャートやハンドチャートを活用したり、様々な工夫をしながら適期収穫を徹底しています。
ハンドチャートとは…
りんご黄色品種用カラーチャート付き手袋「ハンドチャート」。(地独)青森県産業技術センターりんご研究所作成の「りんご黄色品種青森県標準カラーチャート」を参考に、青森県りんご協会が作成しました。手袋の甲の部分にカラーチャートがついているので、一目でりんごの色と見比べることができ、適期収穫の目安になります。きおう、トキ、星の金貨、シナノゴールドに対応する、黄色品種の強い味方です。
黄色りんご期待のエース「トキ」
青森県生まれの黄色りんご「トキ」。さわやかな甘みと香りが特長で、シャキシャキとした食感が好評を得ています。
育成者の土岐伝四郎氏(五所川原市、平成23年没)から名付けられました。「王林」と「ふじ」という二大品種を両親に持つことがエースと言われる所以です。強い甘みとほどよい酸味、豊富な果汁、甘酸っぱい香りと、それぞれの良いところを引き継いでいます。
土岐さんは、りんご産業に貢献できる品種を作りたいとの想いから品種改良を行ってきました。りんごの育種には莫大な歳月と費用がかかります。外観、食味、収穫時期などの目標を設定し、それにしたがって父親、母親を決めて授粉し、その果実から種を採ります。種をまいて樹にりんごがなるのを待ち、できたりんごを吟味しながら選別していきます。トキの育成には約20年の歳月を要しました。
このようにして誕生した「トキ」は、デビュー後は味の良さが市場に評価され、平成25年産では約6,000tの生産量に達しています。育成から短期間でこれだけ増えた品種はなく、また海外輸出においても需要が高く、期待度が急上昇しています。
このような土岐さんの功績がみとめられ、青森県りんご産業の功労者に贈られる「木村甚彌賞」(青森県りんご協会、平成22年度)を受賞しています。 土岐さんの想いがつまった、期待のエース「トキ」をぜひ一度お試しください。
黄色りんごラインナップ
まだまだあります、個性派黄色りんご!
きおう(母親:王林×父親:千秋)
- 早生種 8月末~9月上旬収穫
- 岩手県園芸試験場が育成、平成7年に品種登録
- 300g程度で、光沢がある。
- 果肉は硬めで果汁が多く、甘酸適和。
トキ(母親:王林×父親:ふじ)
- 中生種 10月上旬収穫
- 五所川原市の土岐伝四郎氏が育成、平成16年に品種登録。
- 350g程度。
- 果汁が多く、甘酸適和で、香り・食味が良好。
シナノゴールド(母親:ゴールデンデリシャス×父親:千秋)
- 晩生種 10月下旬収穫
- 長野県果樹試験場で選抜育成し、平成11年に品種登録。
- 360g程度。
- 香りがあり多汁で、高い糖度と十分な酸味。 貯蔵性に優れている。
星の金貨(母親:ふじ×父親:青り3号)
*「星の金貨」は青森県の登録商標。
- 晩生種 10月下旬収穫
- 青森県りんご試験場が育成し、平成16年に「あおり15」として品種登録。
- 250~300g程度と手頃な大きさ。
- 糖度は15~16%程度、酸度は0.3%程度で、ふじより甘い。
- 食感が良く、皮が薄いため丸かじりがオススメ。
王林(母親:ゴールデンデリシャス×父親:印度)
- 晩生種 11月上旬収穫
- 福島県の大槻只之助氏が育成し、昭和27年に命名。
- 300g程度で、黄緑色。
- 果肉はやや硬めでち密、多汁で、微酸、甘味があり食味良好。
- 独特の芳香がある。
ぐんま名月(母親:あかぎ×父親:ふじ)
- 晩生種 11月上旬収穫
- 群馬県農業総合試験場が育成し、平成4年に品種登録。
- 300~350g程度で、陽光面は橙紅色に着色する。
- 多汁で酸味が少なく甘味が強い。
- 密が入ることが多い。
金星(母親:ゴールデンデリシャス×父親:デリシャス)
- 晩生種 11月上旬収穫
- 弘前市の佐藤肇氏が育成し、昭和47年に品種登録。
- 350g程度で、表面の点々模様がやや粗い。
- 果肉は硬く、多汁で、甘味が強く味が濃厚。
- 無袋は緑黄色、有袋はきれいな黄色。
美味しい時期で比べてみよう
黄色いりんごも赤いりんごと同じように、ほぼ一年中楽しむことができるようになりました。
味の違いで比べてみよう
黄色いりんごもバリエーションが増え、いろいろな味が楽しめます。食べ比べてお好みの味の黄色りんごを探してみてくださいね。
黄色りんごPRの取組
黄色りんごの認知度を高める取組の一つとして、青森県りんご対策協議会では黄色りんごPRソング「ハッピーイエローアップル」を制作しました。
青森県産「黄色りんご」のPRソング・映像は、Youtubeでもご覧いただけます。以下リンクバナーよりご覧ください。
その他にも、黄色りんごに特化して、全国の青森りんごの会と連携し、試食宣伝や青森りんご専門販売員に対する黄色りんごの講習、幼稚園等での食育活動、都内大手企業の社員食堂での「社食de青森りんご健康upる」キャンペーンなどを行っています。
また、県では、美味しい黄色りんごの認知度向上・消費拡大にむけた取組を支援する「黄色りんごレベルアップ緊急対策事業」を行っています。黄色りんごの産地のレベルアップを図るため、生産や販売に関する戦略的な取組を行う団体を選定し支援しています。
実施団体 | 取組内容 |
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一般財団法人 板柳町産業振興公社 りんごワーク研究所 |
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公益財団法人 青森県りんご協会 |
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JAつがるにしきた |
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JA青森 浪岡青年部 |
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株式会社 津軽りんご市場 |
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JAつがるみらい |
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「黄りん(きりん)ちゃん」
「希少な黄色りんご」ジュース
この事業による取組の成果を、多くのりんご関係団体等が参考とし黄色りんごの認知度向上・消費拡大に向けてのさらなるレベルアップに活用するため、平成27年2月に事業成果報告会の開催を予定しています。
幸福の黄色いりんご
「一日一個のりんごは医者を遠ざける」というイギリスのことわざがあるように、りんごには高血圧など生活習慣病の予防に効果がある「食物繊維」や「カリウム」が多く含まれています。 りんごの効用については以下のページをご覧下さい。
りんごを食べるといいことがありそうですね。
さらに、黄色は幸福を呼ぶ色。黄色いりんごは、甘くて美味しいし、農家にも優しい。 皆さんも黄色いりんごを食べて、気分も身体も幸福になりましょう。