青森シャモロックの誕生

青森シャモロックは、養鶏が盛んな青森県五戸町にあった旧県畜産試験場(現在の畜産研究所)が、20年もの歳月をかけて独自に開発し、平成2年に誕生しました。
青森シャモロックの母親は、「横斑プリマロック」を改良した「速羽性横斑プリマロック」です。「横斑プリマスロック」は、見た目が美しく、肉質に優れダシがよく出ますが、当時は発育が遅く、病気に弱いことから急速に減少し、国内では本県の試験研究機関にしか原種が残っていない地鶏でした。この品種の貴重な特性を生かしつつ品種改良することで、羽毛が 早く生え、病気に強い「速羽性横斑プリマスロック」を誕生させました。
一方、父親は、本県が原産地であるシャモを改良した「横斑シャモ」です。シャモは、肉質のきめの細かさや歯切れがよく、国内の多くの地鶏開発に利用されていますが、闘争心が強いため群れで飼育するのに適さない弱点がありました。このため、闘争心を弱め丈夫で飼いやすいように改良するために、「横斑プリマスロック」を交配することで「横斑シャモ」を誕生させました。
このように地道な品種改良を重ねた両親の優れた特性を最大限に受け継ぐことで、他にはまねのできない見た目が美しく、肉質、食味の良い青森シャモロックが誕生しました。
青森シャモロックの特徴
・味が濃厚で「だし」がよく出る。
・肉のきめが細かく締まっている。
・肉の色がおいしそうな赤色をしている。
・調理しても肉がぱさつかない。
・うまみ成分が一般の鶏肉に比べて多い。
鶏肉のうま味成分比較(青森県畜産研究所)
青森シャモロック | グルタミン酸含有109.0μg/g | イノシン酸含有5.28μmol/g |
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有名地鶏 | グルタミン酸含有79.4μg/g | イノシン酸含有5.17μmol/g |
一般のブロイラー | グルタミン酸含有108.3μg/g | イノシン酸含有4.52μmol/g |
鶏肉のうま味成分の主体は、タンパク質の一種であるグルタミン酸とイノシン酸とされています。 青森シャモロックは肉の中のイノシン酸濃度が一般のブロイラーに比べて高いことが明らかとなっています。
ブランド化に至る道のり

青森シャモロックが平成2年に誕生してから約10年間は、知名度が低いことや販売力が弱かったこともあり、生産量が伸び悩んでいました。
こうした状況の中で、平成13年にその実力がようやく認められ、ヒナが宮内庁御料牧場に納められることで、大きく脚光を浴びることになります。現在でも、全国で唯一宮内庁に納められている地鶏となっています。
また、平成16年には、県内の生産者が一同に介して「青森シャモロック生産者協会」を設立し、本化的なPR活動をスタートさせました。積極的な販売促進活動により、大手量販店での定番化をはじめ、県内外の飲食店からの需要が高まり、生産量も増加することになりました。
写真 さらに、青森シャモロックの知名度アップに大きく貢献したのが、「新・どっちの料理ショー」で2度にわたり、食材として取り上げられたことです。特に、番組の最終回で、これまで登場した18種類の地鶏の中からシャモロックが親子丼の食材として選ばれ、カツ丼に見事9対0で圧勝したときの全国各地からの反響は凄まじいものでした。
青森シャモロック生産のこだわり
青森シャモロックの優れた品質や食味を維持するために、ヒナは原則として五戸町にある青森県農産物生産組合から供給され、「特産地鶏青森シャモロックブランド化推進協議会」から適正に飼育できる環境にあると認められた指定農場のみで育てられています。
さらに、青森シャモロックは飼育マニュアルで定める「抗菌性飼料添加物は一切使用しない」「出荷までの一定期間うまみを引き出すために、餌にニンニクの粉末を混ぜる」といった内容により厳格に管理されています。
青森シャモロック指定農場(平成21年3月現在)
指定農場名 | 住所 | 有限会社 青森県農産物生産組合 | 三戸郡五戸町市川道十文字 | 村越農場 | 三戸郡五戸町大字倉石中市 | 奥入瀬地鶏生産組合 | 十和田市大字奥瀬字大堀平 | 六戸町シャモロック生産組合 | 六戸町大字犬落瀬字後田メイプルふれあいセンター | 有限会社 大鰐振興 | 大鰐町大字蔵舘字湯ノ沢 | 奥入瀬地鶏生産組合 | 十和田市大字奥瀬字大堀平 | 佐々木農場 | 黒石市浦町 | 須崎農場 | 五所川原市金木町嘉瀬 | つがる地域シャモロック生産組合 | つがる市森田町相野柾木 | 津嶋農場 | 外ヶ浜町字蟹田中師宮本 |
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青森シャモロックを購入する
「特産地鶏青森シャモロックブランド化推進協議会」の指定農場直営店運営のネット販売でお買い求めいただけます。
青森県農産物生産組合
TEL:0178-61-1511
ホームページ:http://syamorock.jp/
農場直営によるネット販売。農場に隣接する直売所もあります。
(有)大鰐振興
TEL:0172-47-9040
ホームページ:http://www.o-wani-shinkou.jp/
農場直営によるネット販売。鰐COME(わにかむ)のお土産コーナーでもお買い求めいただけます。
おいしいシャモロック料理を食べる(青森県内シャモロック料理提供店)
●誇屋(ほこるや)
おすすめ | 青森シャモロック堪能串コース お試し串コース |
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住所 | 青森県八戸市八日町6-1 | TEL | 0178-73-1270 |
営業時間 | 11:00~15:00(L.O14:00) 17:00~23:00(L.O22:00) |
定休日 | 日曜日 |
●レストラン「絵馬」
おすすめ | シャモロック親子丼 |
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住所 | 青森県上北郡七戸町字荒熊内67-94 |
TEL | 0176-62-5777 |
営業時間 | 10:00~17:30 |
定休日 | 1月1日、3月31日休 |
●道の駅「ろくのへ」・メイプルふれあいセンター
おすすめ | シャモロック親子丼 シャモ肉入りのそば、うどん、カレー、ラーメン |
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住所 | 青森県上北郡六戸町大字犬落瀬字後田87 |
TEL | 0176-55-4134 |
営業時間 | 10:00~17:00 |
定休日 | 年末年始 |
関連イベント
青森県内の51か所の飲食店において、県産食材を使用した自慢の逸品を提供する「あおもり食材フェア」を開催しており、一部店舗では青森シャモロックのメニューも提供しています。 この機会に、「食宝王国青森」の山の幸、海の幸を御賞味ください。
なお、どのお店も期間限定での提供となっておりますので、この機会をお見逃しなく!
※イベントは終了いたしました。

<撮影協力>
イタリア料理店
「オステリア・エノテカ・ダ・サスィーノ」
営業時間:18:00~21:00(L.O.)
定休日:日曜日
住所:弘前市本町56-8 グレイス本町2F
(弘前大学病院前)
TEL:0172-33-8299
ホームページ:http://www.dasasino.com/
<笹森通彰シェフ プロフィール>
19歳の時のイタリア料理店でのアルバイトをきっかけに、東京、イタリアでの本格的修行を経て、30歳に弘前市内にイタリア料理店をオープン。「地元のおいしい食材で作った料理を提供したい。」「作れるものは、何でも自分の手で作りたい。」との思いで、それまでのランチの営業を止めて、日中は自らの農場で野菜や肉などを生産。
最近は、ワイン用のぶどう生産やうずらや鳩の飼育にも挑戦。パンやパスタはもちろん、チーズや生ハムも自家製。その徹底したこだわりから、多くのマスコミにとりあげられるともに、全国各地からわざわざ笹森シェフの料理を食べるためだけに来店するファンも多い。
笹森シェフの食に対する情熱は国にも評価され、農林水産省の「フードアクションニッポン」応援団として、CMに出演するなど活躍。また、13歳のハローワークでも、シェフ代表として、今に至るまでのサクセスストーリーを語っている。

<おすすめの1品>
アーモンドをまぶした地鶏シャモロックのレヴァークロケッタ