野辺地葉つきこかぶ | 青森のうまいものたち

また今年もこの季節がやってきました。
青森の夏の風物詩「野辺地葉つきこかぶ」。今月は激ウマ、サラダかぶをご紹介します。

「野辺地葉つきこかぶ」

　下北半島の付け根、野辺地町（のへじまち）は、海から吹き付ける冷たい偏東風・ヤマセの影響により夏季に低温、低日照になりやすい地域です。それを逆手にとり生産されているのが「野辺地葉つきこかぶ」。夏でも冷涼な気候のため、たっぷり甘くジューシーな「野辺地葉つきこかぶ」が出来上がります。
　皮がうすくて柔らかい、フルーツのように甘くみずみずしい、葉っぱまで食べられるから二度美味しい、これが「野辺地葉つきこかぶ」です。

ブランド化までの道のり

　昭和50年代後半、冷涼な土地柄と少ない耕地面積から、収益性が高く女性や高齢者が生産しやすい軽量野菜の栽培が求められていました。そんな中、野菜品目を模索し、たどり着いたのが涼しい気候でもよく育つ「こかぶ」でした。
　その後も定期的に現地指導や情報交換を行い、生産コストの低減と栽培技術の向上を図りながら、全国に誇れる品質確保に努めた結果、現在では市場でも高い評価を獲得しています。
　平成24年8月には地域団体商標に登録され、さらなるブランド化が期待されています。

「野辺地葉つきこかぶ」のこだわり

健康な土づくりに取組み、安全・安心な基準で生産しています！

　JAゆうき青森野辺地支所こかぶ部会では会員が一丸となって積極的に土づくりに取り組んでいます。周辺地域の畜産農家が生産した完熟堆肥の投入や土壌分析に基づく適切な施肥などにより、生産の基盤となる土壌を維持・向上させています。また、被覆材を活用し、農薬節減を基本とした栽培基準で丹念に生産しており、品質の良さと美味しさを皆さんにお届けしています。

とにかく品質と鮮度を大切にしています！

　品質の低下を極力抑えられるよう気温の低い明け方前から収穫を行います。その後、スピーディーな選別・洗浄を経て農協に出荷。農協において真空予冷を施し、その日のうちに冷蔵トラックによって県内外に運ばれます。こうして、みずみずしい状態の野辺地葉つきこかぶが消費地に届けられます。

美味しいこかぶが食卓に届くまで

収穫作業開始

　この日の作業は夜中0時過ぎにはじまりました。暗闇の中、車のライトなどを投光し収穫作業を行います。これには理由があります。気温の低い夜明け前から収穫することで、品質の低下を極力抑えています。

洗浄、選別、箱詰め

　収穫後の品質保持のため、各農家では洗浄機によるスピーディーな洗浄、サイズごとの選別、箱詰めを行います。葉っぱにも商品価値があることから、折らないよう注意しながら作業します。

農協へ出荷、予冷処理

　JAゆうき青森では冷蔵施設や真空予冷施設を整備しています。生産者から農協集出荷場に集められた「野辺地葉つきこかぶ」は、とれたての美味しさを食卓に届けるため、冷却処理し4℃の冷蔵庫に保管します。予冷処理をすることで輸送中の呼吸や蒸散を抑え、品質の低下を防ぐことができます。

県内外へ出荷

　ブランド名の入った揃いのダンボール箱で、冷蔵トラックにて県内外に出荷されていきます。葉つきで流通させるため、鮮度が命。水分を保持するため段ボール箱上面にビニールを敷くなど、みずみずしさを保つ工夫をしています。

店頭へ

　「野辺地葉つきこかぶ」の認知度も徐々に高まり、最近では、「野辺地葉つきこかぶ」と表示している販売店も増えてきました。この名前をみたら、ぜひ一度手に取ってみてください。
　選び方…かぶは表皮の肌が白く艶があり、きめの細かいもの、そして葉がピンと伸びて勢いがあり、鮮やかな緑色のものを選びましょう。

野辺地葉つきこかぶを味わう

家庭で

　保存法…葉つきのまま置いておくと水分が蒸発してしまうので、買ってきたらすぐに根の部分と葉に切り分けて保存しましょう。根の部分は密封できるポリ袋に入れ冷蔵庫の野菜室で保存します。
　食べ方…根の部分はサラダがオススメ！ほかにも漬物や煮物、蒸し物など。葉は、炒め物や和え物、味噌汁の具、漬物など。栄養豊富な葉も美味しいので、両方とも料理に活用しましょう。
　栄養…根部にはビタミンCや消化酵素を助けるジアスターゼ等が含まれています。栄養価は葉の方が高く、ビタミンA・B2・C、カルシウム等が含まれています。