あおもり産品情報サイト

青森のうまいものたち

海峡サーモン(2015年5月)

旬の食材 2015年5月 海峡サーモン

津軽海峡の荒波で育てられたサーモントラウト「海峡サーモン」をご紹介します。

海峡サーモンとは

 銀鱗をまとった虹色の貴婦人「海峡サーモン」。海峡サーモンとは、むつ市大畑の北彩漁業生産組合が津軽海峡の外海で育てたドナルドソンニジマスのブランド名です。ニジマスは元々、川で孵化し海に降りるという習性を持っており、その習性を活かし養殖に取り組んでいます。
 2年間淡水で養殖したドナルドソンニジマスの幼魚の中から大型(約500g)のものを選んで、津軽海峡の外海で約8か月間育てます。海峡サーモンの旬は、5月中旬から7月下旬。この時期、体長は60~70cm、重量は2~4kgにまで成長します。

*サーモントラウトとは…サーモンはサケの英名。トラウトはマスの英名。
淡水で養殖したニジマスを海におろし降海型として育てたものをサーモントラウトと呼んでいます。自然の海で育てた降海型ニジマスは大きく育ちます。

海峡サーモン
海峡サーモン 切り身

生育環境

 海峡サーモンを養殖する生簀(いけす)は、沖合約2km、水深23mの場所に設置されています。北彩漁業生産組合は、養殖という言葉からイメージされるゆるんだ身質ではなく、荒波と強い海流で知られる津軽海峡で、非常識といわれた沖生簀にこだわり外海養殖を続けてきました。冬場の厳しいシケで生簀が破壊され、養殖中の魚が全滅したこともありましたが、現在では改良を重ね、タイヤで連結することで波の衝撃を分散させてシケにも耐えられるようにしています。
  ドナルドソンニジマスは冷水性魚類なので、海水温が18℃以下となる10月末から翌年7月まで沖合の生簀で育てます。また、津軽海峡は潮の流れが速いときで毎時4~5ノット(約8km~10km/時)に達するため、生簀内の収容密度を1立方メートルに2~4匹と低密度で養殖し、魚のストレスを低減しています。広い海のなかでのびのびと泳ぎ回りながら育つことができます。

海峡サーモンの養殖
海峡サーモンを養殖するいけす

味の特徴

 海峡サーモンは刺身が特にオススメです。津軽海峡の荒波と強い海流で鍛えられた身は引き締まり、ほどよい脂ののりで臭みがなくとろけるような舌触りは格別です。長年の研究によって生み出したエサと飼育管理の技術が海峡サーモンの味を一層際立たせています。また、津軽海峡の速い潮流が清らかな生育環境をつくるため、健康的に育てられます。
プリプリとした歯ごたえと濃厚な旨みは一度食べると忘れられない美味しさです。

海峡サーモンの刺身
脂ののった海峡サーモン

こだわりの「活〆脱血処理」

 約8か月間津軽海峡で育てられた海峡サーモンは、水揚げの一週間前になると仕上げ用の生簀に移し餌止めを行います。餌止めをすることで身を引き締めくどさのない身質に仕上がります。
 北彩漁業生産組合では、水揚げ後の処理にもこだわり、美味しい海峡サーモンをより美味しく食べて欲しいとの想いから、従来からの水氷〆のほか「活〆脱血処理」にも取り組んでいます。

活〆脱血処理 海峡サーモン

 水揚げ後すぐに魚の動きを止めて血抜きをし、すぐに3~5℃の氷水に入れて冷却することで、生臭さが抑えられ新鮮な状態が保たれます。この作業は大変な手間と時間がかかりますが、弾力のあるプリプリとした食感と血液によって生臭くなることを抑制する効果があり、これまで以上においしい海峡サーモンを提供することが可能になりました。

青森ブランド「海峡サーモン」

 今から27年前、現在の北彩漁業生産組合の前身となる「大畑さけます養殖漁業研究会」の7名の有志により、海に降りるニジマスの習性を利用することで「捕獲する漁業」から「育てる漁業」ができないかという発想から、これまで誰も試みたことのない津軽海峡で施設を使った魚類養殖をスタートさせました。   
 研究会設立当初から津軽海峡での養殖には、様々な試練が待ち受けていました。
 淡水の魚を海水の中に急に入れると死んでしまいます。そこで、魚を海水に馴らす作業、馴致(じゅんち)作業を試行錯誤した結果、海水濃度を徐々に高めながら4日目で作業を完了させるのが最適であることが分かりました。
 また、津軽海峡は、潮の流れが速く、防波堤をも破壊する波が押し寄せるため、海峡サーモン、生簀もろとも全滅したことがありました。現在では生簀の改良を重ね、ローコストで津軽海峡の潮の流れや荒波にも耐えうる生簀を整備しています。
 ブランド化に至るまでの長い道のり。様々な困難を乗り越えながら、決して諦めることなく築き上げてきたのが、「海峡サーモン」ブランドなのです。津軽海峡で育った上質な脂の旨みと身の締まりが最高の海峡サーモンは、今では下北を代表する特産品として県内外から注目を集めています。
 波しぶきを連想させるきらめく銀鱗。程よい脂が妖艶な輝きを放ち、まさに虹色と表現したい身。見た目の鮮やかさと上品な味は多くの料理人にも愛されています。

そうだったのか?!海峡サーモン!!

養殖なのに旬がある?!

 海峡サーモンには旬があります。養殖というものの生簀は津軽海峡にあり、自然環境に近い状態で育てられているため、海水温に影響されます。淡水で2年育てた後、海水温が下がり始める10~11月に海水の生簀に移します。海水で約8か月間育て、海水温が上がり始める5月中旬~7月に水揚げします。鮮魚で出荷できるのはこの時期に限定されます。

海峡サーモンはメスだけ?!

 ドナルドソンニジマスはオスが2年、メスが3年で成熟し、淡水に適した体になります。海峡サーモンは淡水で2年育てた後に海水に移しますが、オスは既に淡水仕様の体になっているため、馴致(じゅんち)作業の段階で海水に順応できず死んでしまいます。よって淡水に適した体になる前の成長途中であるメスのみが海峡サーモンとして育てられています。銀鱗をまとった虹色の貴婦人と言われる所以です。

海峡サーモンをお取り寄せ

 生簀内の海峡サーモンは、7月末までに全て水揚げされます。鮮魚で出荷できるのは5月下旬~7月、鮮魚で出荷しなかった分は、加工後に冷凍し通年の流通を目指しています。

  5~7月の期間限定で活〆鮮魚は一本丸ごとから三枚おろしでの注文が可能。加工品は種類が豊富で、お刺身・切身セットには、西京味噌漬や吟醸粕漬などがセットになっています。また、新商品として生ハムやマリネなども販売されています。
  インターネットでの販売のほか、5月下旬から毎週日曜日には大畑町魚市場で即売会も行われています。

海峡サーモン 生ハム仕立て
海峡サーモン マリネ

お問い合せ先

北彩漁業生産組合

電話 0175-34-5374
ホームページ http://www.kaikyou.com/ (外部リンク)

津軽海峡の荒波に育まれた上品な味わいとプリッとした歯ごたえの「海峡サーモン」を、是非一度お試しください。


旬の食材

2020年3月
布海苔投石事業発祥の地「風間浦村の布海苔(ふのり)」

2020年2月
冬に獲れる、「田舎館いちご」

2020年1月
白神山地と日本海の自然に囲まれ育った「深浦白神自然薯」

ページトップへ戻る