津軽海峡の激しい潮流にもまれて育った「海峡サーモン」は、程よい脂乗りとプリっとした食感が特徴。旬のこの時季にぜひ味わってみてください!
海峡サーモンとは
むつ市大畑の北彩漁業生産組合が、津軽海峡の外海で育てたニジマス(ドナルドソンニジマス)のブランド名です。
2年間淡水で養殖したニジマスの幼魚の中から、大型(約500g)のものを選んで、津軽海峡の荒波や速い潮の流れの中で約8ヶ月間育てます。海峡サーモンの旬は、5月中旬から7月下旬です。
ブランド化に至るまでの長い道のり
今から20年前、現在の北彩漁業生産組合の前身となる「大畑さけます養殖漁業研究会」の7名の有志により、海に降りるニジマスの習性を利用することで「捕獲する漁業」から「育てる漁業」ができないかという発想から、これまで誰も試みたことのない津軽海峡の荒波での養殖をスタートさせました。
しかし、研究会設立当初から津軽海峡での養殖には、様々な試練が待ち受けていました。
淡水の魚を海水の中に急に入れると死んでしまうのです。そこで、魚を海水に馴らす作業(馴致(じゅんち)作業)を試行錯誤した結果、海水濃度を徐々に高めながら4日目で馴致(じゅんち)作業を完了させるのが最適であることが分かりました。
また、津軽海峡は、潮の流れが速く、防波堤をも破壊する波が押し寄せるため、海峡サーモン、イケスもろとも全滅したことがありました。しかし、イケスの改良を重ねることで、ローコストで津軽海峡の潮の流れや荒波にも耐えうるイケスを整備する技術を確立させました。
津軽海峡で育った上質な脂の旨みと身の締まりが最高の「海峡サーモン」は、今では下北を代表する特産品として県内外から注目を集めています。
「海峡サーモン」ブランドへのこだわり
様々な困難を乗り越えながら、決して諦めることなく築き上げた「海峡サーモン」ブランドだからこそ、水揚げした後の取り扱いにもこだわっています。北彩漁業生産組合では、県の下北ブランド研究開発センター(現在の下北ブランド研究所)の協力を得ながら、鮮度技術や消費者のニーズに応えた数多くの加工品を開発しています。
こだわり その1:「活〆脱血処理」
水揚げ直後、船上で魚の動きを止め、エラと尻尾の血管から血抜きをし、その後すぐに3℃から5℃の氷水に入れて冷却する「活〆脱血処理」の商品の販売を平成17年から始めています。これらの作業は、大変な手間と時間がかかりますが、弾力性のあるプリプリとした食感と、血液によって生臭くなることを抑制する効果があり、これまで以上においしい海峡サーモンを提供することが可能になりました。
こだわり その2:加工品の開発
お客さまの多様なニーズに合わせて、日々新しい加工品の開発を心がけるとともに、贈答用のパッケージにもこだわっています。現在、約14~15アイテムの加工品が販売されています。
あおもりで海峡サーモンを食べる
県内のシェフたちが、腕をふるった海峡サーモンの創作料理を食べることができるお店を御紹介します。(仕入状況によっては、提供できない場合もありますので、来店前に各店にお問い合わせください。
八戸市 オステリア・デル・ボルゴ(伊)
青森市 レストラン「ドゥクロッシュ」(仏)
むつ市 アグレアーブル(仏・伊)
インターネット販売
北彩漁業生産組合では、期間限定(5~7月)の鮮魚販売をはじめ、各種加工品、ギフト用品などを多数取り揃えています。詳しくは、下記ホームページをご覧ください。
北彩漁業生産組合
http://www.kaikyou.com/index.html
観光・イベント
海峡サーモンまつり
毎年6月の第4日曜日に開催されており、海峡サーモンの1本釣りやサーモンレース、サーモンのつかみ捕り、即売会など海峡サーモンを思う存分満喫できるイベントですので、是非、この機会に下北半島まで足をお運びください。
アクセス:むつ市大畑庁舎より徒歩10分(大畑漁港魚市場内)
問合せ:むつ市大畑庁舎産業建設課 TEL:0175-34-2111
イベントについての詳細は
ぐるりんしもきた
https://gururin-shimokita.com/
海峡サーモン即売会
むつ市大畑町魚市場内では、毎週日曜日の8時30分から海峡サーモンの即売会が行われています。今年は5月17日(日)から始まっていて、7月末まで開催される予定です。
アクセス:青森県むつ市大畑庁舎より徒歩10分(大畑漁港魚市場内)
問合せ:北彩漁業生産組合 TEL:0175-34-5374
<料理撮影協力>
オステリア・デル・ボルゴ
営業時間:昼11:30-14:00、夜18:30-21:00
定休日:不定休
住所:青森県八戸市大字尻内町字直田5-7(TEL:0178-27-2210)
※昼、夜ともに前日までの完全予約制
シェフの滝沢さんは、3年間イタリアで料理の修行をした後、八戸市内にオステリア・デル・ボルゴを開店。地元でとれる旬の食材で使ったイタリア料理を最高の状態で食べてもらいたいとの思いで、近隣の産地に直接出向き、日々食材を調達しています。婦人画報をはじめ、多くのマスコミに取り上げられ、最近は、県外から訪れるお客様も少なくないそうです。
滝沢シェフが海峡サーモンに出会ったのは今から4年前。サケやマス特有の生臭みがなく、ぷりぷりとした食感に惚れ込み、以降食材として使い続けています。オステリア・デル・ボルゴで提供される海峡サーモン料理は、北彩漁業生産組合の育てるこだわりと、それを食材として最大限に生かした滝沢シェフによる最高傑作と言えます。(トップページの写真:海峡サーモンのマリネ、大西ハーブ園のハーブサラダ添え)