青森県ではウニの美味しい季節を迎えています。今回は、甘みたっぷり今が旬の青森の「ウニ」をご紹介します。
ウニの知識
分類上はナマコと同じ棘皮(きょくひ)動物に属し、全てが海産で岩礁域に生息しています。日本近海では約160種が知られていますが、食用として流通しているのは数種のみです。
昆布などを食べて成長するウニは昔は厄介者でしたが、現在ではすっかり高級食材として扱われています。
青森県の「ウニ」
青森県で主に漁獲されるのは、キタムラサキウニとエゾバフンウニ。中でも本県産のキタムラサキウニは繊細な味わいで、国内でも絶品だといわれています。産卵期前の春~初夏にかけて旬を迎えます。
主な産地は、津軽海峡から太平洋沿岸にかけて、佐井村、大間町、風間浦村、むつ市、東通村、六ヶ所村、八戸市、階上町などで漁獲されます。平成25年のウニ類の漁獲量は、北海道、岩手県に次いで3番目に多く、約600t(平成25年漁業・養殖業生産統計による)を誇っています。
下北半島の佐井村では、篭状の仕掛けを水深20mの海底に沈め、ウニを狙う「ウニ篭漁」と、浅瀬の海底を観察しながらホコでウニを突く「ウニ突き漁」の漁法があります。4月1日からはウニ篭漁で、6月中旬以降は並行してウニ突き漁で漁獲します。この地域にはエゾバフンウニも生息していますが、キタムラサキウニが重宝されています。
コンブなどの海藻が豊富にあればウニの身入りも良くなります。そんな漁場を探すのが漁師の腕の見せ所です。
ウニの栄養
私たちが普段食べている部分は生殖巣で、うま味成分であるアミノ酸やビタミンAが多く含まれています。それ以外にもビタミンB1やB2、E、グルタミン酸も含まれていて、栄養分と美味しさがたっぷり詰まっています。
ウニの目利き
殻つきならトゲがかたく口がしっかり閉じているものを、殻が剥いてあるものはふっくらと盛り上がっていて、色がきれいで光沢があり、身がだれていないものを選びましょう。
殻を剥いたウニは身崩れを防ぐためにミョウバンを使うことが多いのですが、ミョウバンの苦味を感じる場合もあります。青森県内にはミョウバンを使わずに自然の味わいのまま剥きウニを出荷している業者もあり、時季によっては県内のスーパーで瓶入りの無添加ウニを購入することもできます。
ウニ剥きを体験する
佐井定期観光株式会社では、5月から7月末まで、遊覧船利用者を対象にウニ剥き体験を実施しています。経験豊富な指導員が丁寧に説明しコツを教えてくれます。自分で剥いて食べるウニの味は格別なこと間違いありません。
うにむき体験について|仏ヶ浦ゆき観光船・遊覧船/佐井定期観光(株)
今が旬の青森のウニを味わう
●現地で
トローリ甘くて繊細な味わいのキタムラサキウニ。やっぱり現地で食べる新鮮なウニは最高です。
ぬいどう食堂
その日の朝にとれたばかりの新鮮な魚介類を使用しています。驚きのボリューム・安さが魅力のウニ丼は、初夏限定です(5月から8月頃まで、シーズン中は混み合いますのでできるだけご予約ください)。 イクラ・ウニ・サーモンの三色歌舞伎丼もオススメです。
住所 | 青森県佐井村大字長後字福浦川目83-1 |
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TEL | 0175-38-5865 |
仏ヶ浦ドライブイン
佐井村福浦の漁師が経営する食堂で、ウニ丼は5月から8月頃まで提供しています(シーズン中は混み合いますのでできるだけご予約ください)。 盛りだくさんのミックス丼(たっぷりのウニとアワビがのったどんぶりと、味噌汁・焼き魚・刺身・小鉢つき)もオススメ。
住所 | 青森県佐井村大字長後字福浦川目85 |
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TEL | 0175-38-5825 |
食事処まんじゅうや
地元漁師から直接仕入れる新鮮な魚介類を使用した豪華なメニューと広い店内が魅力。大きな窓から津軽海峡を眺めながら佐井村の味を楽しめるお店です。
住所 | 佐井村大佐井112 アルサス 2階 |
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TEL | 0175-38-4212 |
お祭り情報「佐井村うに祭り」
毎年6月中旬に行われるイベントです。詳しくは、佐井村観光協会へお問い合わせください。
お問い合わせ | 佐井村観光協会 0175-38-4515 |
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ホームページ | 佐井村うに祭り(佐井村観光協会) |
●東京で
シーズンになると、青森産のウニの瓶詰めが都内の百貨店で販売されます。この時期にしか食べられない瓶詰めのウニを堪能することができます。
販売店舗 | 日本橋高島屋、三越伊勢丹新宿店 |
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販売期間 | ※詳しくは各店舗にお問い合わせください。 |
●お取り寄せ
ご自宅で青森のウニを楽しみたい方は、甘塩ウニのお取り寄せもご利用くださいませ。
津軽海峡甘塩ウニ
【お問い合わせ】
佐井村漁業協同組合
青森県下北郡佐井村大字佐井字糠森144-1
TEL. 0175-38-4111
佐井村漁業協同組合|加工品販売
ウニとアワビの潮汁「いちご煮」
新鮮なウニならトロリとした食感を楽しむお刺身やウニ丼ももちろん美味しいですが、県南地域の郷土料理である「いちご煮」もオススメです。
ウニとアワビの競演「いちご煮」。高級品を使ったこの潮汁は、県南地域の冠婚葬祭には欠かせません。乳白色のスープに沈むウニの姿が、朝もやに霞む野いちごに見えたことから、この名前がついたといわれています。
伝統の味を食す
●現地で
あおもり食のエリア
お祭り情報『いちご煮祭り』
会場ではいちご煮が販売されるほか、新鮮な海の幸を満喫できる店が立ち並びます。
日時 | 2014年7月26日(土)、27日(日)(予定) |
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会場 | 小舟渡海岸 |
お問い合わせ | いちご煮祭り実行委員会(階上町商工会内) 0178-88-2045 |
●お取り寄せ
いちご煮関連商品(お問い合わせ)
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