北の豊かな漁場で捕れる夏イカ
世界の海洋には約450種類以上存在すると言われるほど種類の多いイカは、日本近海だけでも100種類以上が生息しています。
食用とされる主なイカの中で最も多く出回っているのがスルメイカ。その水揚量は、青森県が日本一です。(平成17年農林水産統計)
春から夏にかけて、暖流にのって北上してくるスルメイカは、夏から秋にかけてが旬!その旬の時期にちなんで「夏イカ」とも呼ばれます。
新鮮なスルメイカは、生で良し、焼いて良し、煮て良しと、三拍子そろった優れもので、捨てるところがありません。どんな調理法でもおいしく食べられますが、やはり新鮮な「イカ刺し」のコリコリした食感は最高です。
青森はイカ王国!
スルメイカについて
標準和名:スルメイカ[北海道や東北地方では、マイカ(真イカ)とも呼ばれる]
科 目 :アカイカ科の頭足類
生育場所 :昼間は水深100mほどの所にいるが、夜間、表層近くまで浮上して餌を摂る。つまり夜行性。
寿 命 :ふ化から交接・産卵を終了するまででおよそ1年。
人間同様、生まれる時期はイカそれぞれ。イカは、生まれる時期の違いから、秋生まれ群、
冬生まれ群、夏生まれ群の3系群に分けられると考えられています。主な漁獲
対象群は、秋生まれ群と冬生まれ群です。
豊かな青森の海

青森県は、日本海、津軽海峡、太平洋と三方を海に囲まれ、中央には陸奥湾が広がっており、地理的に恵まれています。また、日本海を対馬暖流が北上、その一部が津軽海峡に入って津軽暖流となり、太平洋に達します。太平洋の沖合いでは、この対馬暖流と北からの親潮(寒流)、南からの黒潮(暖流)がぶつかり合っています。
暖流と寒流が交じり合った海には、魚の餌となるプランクトンがたくさん発生し、多くの魚が集まります。つまり、青森県は、地理・自然の2つの環境に恵まれた豊かな漁場なのです。
青森県でのイカ漁

青森県で主に漁獲されているイカは、スルメイカ・アカイカ・ヤリイカの3種類。「漁り火」で有名なイカ釣り漁業が一般的ですが、その他にも、底曳き網、まき網、定置網等で漁獲されています。
スルメイカ:
春から夏にかけて暖流にのって北上し、秋になると産卵のため、再び九州周辺へ向けて南下します。そのため、6月中旬から12月頃まで、青森県内全域で豊富に漁獲され、手ごろな価格で流通します。
アカイカ:
外洋系の大型種。大部分が加工用として利用されており、冷凍食品のイカ天やイカステーキなどによく使われます。
ヤリイカ:
イカの中でも最も高価なものの1つ。漁獲量は青森県が最も多く、全国で獲れるもののうち、その過半数を占めると言われています。細長い形、スルメイカより小ぶり、身はやや薄い。
ワンポイントアドバイス
イカの見分け方
・胴が丸く張り、透き通って、えび茶色がかった光沢があり、目が飛び出しているものが新鮮。
・鮮度が落ちてくると白っぽくなって、体に張りがなくなり、目の部分もへこんできます。

イカ料理のポイント
・イカの肉は加熱しすぎると固くなり、おいしさが逃げますから、くれぐれも注意が必要。
・加熱するとクルッと縮まりますが、かのこ切り、松笠切りなど等間隔に切り目を入れると、ある程度防げます。
栄養満点なイカ
イカは高タンパク、低カロリー、低脂肪な食品として注目されています。
主な有用成分として、不飽和脂肪酸(リノール酸など)、タンパク質、タウリン、DHA・EPAなどが含まれています。以前は、コレステロールが多く高脂血症の人は控えるべきとされていましたが、タウリンが血液中のコレステロールを下げたり、血圧を正常に保つ働きがある事が近年分かりました。
イカにまつわる青森の名物

イカの生干しカーテン
日本海側の鯵ヶ沢町などで見られる、夏の風物詩的光景。
旨味が凝縮された生干しスルメイカは、焼きたてに七味とマヨネーズをつけて食べるととっても美味。鯵ヶ沢町の道路沿いにはイカ焼きの店が並んでいます。

元祖!烏賊様( いかさま )レース(7~10月)
活イカを使った、日本で唯一の名物イベント。
活イカを購入した人がイカ主となってレースに参加し、見物客は勝ちイカを予想。優勝したイカ主と予想が的中した見物客には村特産の海産セットが送られる。
(問合せ)風間浦村活イカ備蓄センター TEL:0175-36-2353

イカ釣り体験(7~8月)
漁船で下風呂漁港沖合いへ5分ほど進み、昔ながらの手釣漁法などで漁師気分を満喫できる。海上から眺める本州最北端「大間崎」へ沈む夕日や、北海道渡島半島の山並みは、ゆったりとした時の流れを感じさせてくれます。下風呂温泉郷の宿泊者には、自分で釣った新鮮なイカを無料で刺身にして、夜のメニューに加えてくれるサービスも。
(問合せ)風間浦村活イカ備蓄センター TEL:0175-36-2353