今月は、青森の秋の風物詩「毛豆」を紹介します。
「毛豆」
「毛豆」とは、古くから青森県内で栽培されてきた在来枝豆のこと。サヤに茶色の毛が目立つことからその名がついたといわれています。大粒で甘みが強く、豊かな香りと深いコク、ほっくりとした食感が特徴です。
全国的に枝豆といえば夏のイメージが強いですが、この豆は朝晩の冷え込みが厳しくなる頃に収穫されることから、毛豆が出回ると青森県民は秋を感じます。そして、昼夜の寒暖の差が青森ならではの美味しい毛豆を育みます。


毛豆の種類
毛豆は、8月下旬から出始め、あおもり豊丸~あおもり福丸~在来毛豆とリレーします。元々は9月中旬以降に収穫する晩生種で、朝晩の冷え込みが厳しくなる頃、寒暖の差で甘みの増した毛豆を食べるのが青森では一般的でした。「もっと早い時期から毛豆の美味しさを味わいたい」との声を受け、当時の青森県畑作園芸試験場が品種改良したのが、早生種のあおもり豊丸とあおもり福丸です。在来種と同時期に種を播いても早く成長し、8月下旬頃から収穫されます。あおもり豊丸、あおもり福丸の誕生によって、毛豆の美味しさを長期間楽しむことができるようになりました。
種類 | 収穫時期 | 特徴 |
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あおもり豊丸 | 8月下旬 |
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あおもり福丸 | 8月下旬 |
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在来毛豆 | 9月中旬~10月上旬 |
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毛豆の栽培
毛豆のルーツは謎に満ちています。古くから青森県内で栽培されてる毛豆ですが、栽培がいつ始まったのかは明らかになっていません。田植えが終わった5月下旬頃、かつては岩木山の残雪の形を見て種を播いていたといいます。
マメ科の植物は根粒菌が根に寄生するため、大量の肥料をほとんど必要としません。生命力が強く育てやすいのが特徴ですが、収量を確保し育てやすくするために、1本1本摘芯(生長点を摘む作業)するなど、手間をかけて育てています。
各農家で種を残し、代々受け継がれてきた毛豆。熟練者になると、サヤの段階から良い豆を見極め、次シーズン用の種子として残すほどのこだわりを持っています。こうしてより良いものが選ばれ、味の良い毛豆が残されてきました。
毛豆を覆うブロンドの毛が嫌われた時代もありましたが、見た目より美味しさが求められる今、ブロンドヘアは美味しさの目印となっています。


青森毛豆研究会
青森の食文化に欠かすことのできない毛豆は、青森の在来種であり、ほとんどが県内で消費されてきたため、県外の方にはその存在があまり知られていません。青森毛豆研究会は、「青森毛豆」を青森の特産品として広く知ってもらうための活動をしています。
青森毛豆のブランド化に賛同している有識者や生産者等で構成され、将来的には適正な価格で取引される市場開拓や種苗登録されることを目指しています。
研究会の活動の一つとして、9月25日に「最強毛豆決定戦2015」が開催されました。それぞれの農家に受け継がれてきた毛豆、作り手によって味わいや風味が異なりそれぞれに魅力があります。その中で最も美味しく、毛豆らしさのある「最強の毛豆」を見つけようと始まったイベントで、毎回熱い戦いが繰り広げられています。

毛豆の美味しい茹で方
鮮度が良いうちに茹でるのがオススメ!ひと手間加えるだけで美味しさがアップします。
準備するもの
毛豆1袋(1束)・水500cc・塩20g(水の4%)・うちわ。
茹で方

- 豆を流水で洗い、両端をハサミで切り落とす。
(塩味を豆に染み込ませるため) - (20gの塩の中から)1つかみ取って豆にふりかけてもむ。
(色良くゆで上げるため) - 水を沸騰させ、塩を入れて溶かし、塩が付いたままの枝豆を入れ、 少しずらして蓋をする。
(蓋をするのは早く沸騰させるため。隙間を開けたのは彩り良くゆでるため。少ない湯で茹でるのも重要なポイント!) - 沸騰したら蓋を取って箸でかきまぜ、合計3分30~40秒間茹でてザルに取り、うちわであおいで冷ます。
(3分30秒経ったら味見して良ければザルにあける。)
*茹で時間はお好みにより調整してください。素早く冷ますのもポイントです。
お問い合せ先
青森毛豆研究会
住所 | 弘前市百石町38-1(株式会社コンシス内) |
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電話 | 0172-34-9710 | ホームページ | 青森毛豆研究会 |