青森が贈る「宝物」、ジュノハート。令和2年7月1日、開発から20数年の時を経て、いよいよ全国デビューを迎えます。
昨年の青森県内でのプレデビューは、連日ほぼ即完売の状況で、大好評のうちに終了しました。
今年の収穫も間近に迫り、日に日に期待が膨らみます。そんなジュノハートについて、産地から余すことなくお伝えします。
ジュノハートってどんなさくらんぼ?
~その1 驚くような大きさ!~
山形県生まれのさくらんぼ界の王様、佐藤錦(さとうにしき)では、Lサイズ(直径22mm以上)から2Lサイズ(直径25mm以上)が大玉といわれていますが、ジュノハートは、なんと3Lサイズ(直径28mm以上)が主体。4Lサイズ(直径31mm以上)、5Lサイズ(直径35mm以上)も生産できる品種です。
~その2 上品な甘さ!~
ジュノハートは、佐藤錦や、味わいに定評のある紅秀峰(べにしゅうほう)に匹敵する糖度(約20度)です。また、酸味が少ないため、より甘さを感じやすく、とても上品な味わいです。
~その3 見た目がかわいい、ハート型!~
ジュノハートの最大の特徴は、なんといってもハートの形。ジュノハートの名前のモチーフにもなっています。
ジュノハート誕生までの道のり
さくらんぼの産地、青森県
青森県では、さくらんぼ栽培が盛んに行われています。主にりんごを風から守るための防風林として、りんごの木の近くに植えられていたさくらんぼの木ですが、さくらんぼは冷たい季節風「やませ」の影響を受けにくい作物であることなどもあって、県南地域を中心に栽培が進んでいきました。
産地を守っていくために
平成のはじめ、海外で果物の品種が知的財産として登録され始めた頃。青森県職員・久保隆(現:青森県三八地域県民局地域農林水産部 農業普及振興室分室総括主幹)は強い危機感を持っていました。「これからは優れた品種を海外から導入しても、無料で作れる時代ではなくなる。独自品種(知的財産)やブランド作物を持たなければ産地を維持できなくなってしまう。」
そこで、平成8年、久保は新品種の事業計画書を策定し、翌年から着手します。
果樹の品種改良は一年毎に14〜15組み合わせに及ぶ品種同士の交配を行い、その数を増やしていく、先の見えない作業の繰り返しです。限られた人員の中で、多くの品種の交配、実生の管理と生育・食味に関する調査を進めていきました。
そして、平成10年に「紅秀峰」と「サミット」を交配し、育成した実生のなかから、一際大きくハート型をした果実が誕生します。これが後のジュノハートです。
それから、赤く大きく、そして強い甘さのある品質が安定するまで、14年の歳月がかかりました。そこからさらに3年、平成27年にようやく苗木の販売までこぎ着けます。少しずつ実を付け始めたジュノハートは、令和元年、計画から24年の時を経て、ようやく販売開始を迎えることができたのです。
幸運のさくらんぼ、ジュノハート
ジュノハートは青森県五戸町にある「りんご試験場県南果樹部」で育成されていました。平成17年5月、近隣で山火事が発生し、県南果樹部における実生している樹木のうち2/3以上が焼失する大規模な火災となりました。火は原木の3本手前まで迫ったものの、かろうじて被害を免れました。このエピソードから、ジュノハートは「幸運のさくらんぼ」と言われています。
その幸運の原木は現在、品種育成の役目を終えましたが、今も県南果樹部で毎年静かに花を咲かせ、果実を実らせています。
こうした幸運のさくらんぼのエピソードもあり、家庭の幸福をつかさどるローマ神話の女神「Juno」と果実がハート形であることを組み合わせて、「ジュノハート」と名付けられました。
「最上級品」青森ハートビートとは?
ジュノハートの中でも4Lサイズ以上で、かつ、「特秀(最も良い)「秀(特秀の次によい)」と品質検査で認められたものだけを、「青森ハートビート」という名称でブランド化を目指します。
ひと目見たとき、ひと口食べたときの胸の高鳴りを、その名前に込めています。まさに最上級品です。
令和元年、青森県内でプレデビュー
同年6月29日のデビューイベントでは、100グラム入りのジュノハートのカップ28個と、化粧箱に2粒ずつ詰められたハートビート20箱が準備されましたが、発売後すぐに売り切れるなど、大変好評でした。
その後も勢いは止まらず、令和元年7月8日(月)販売分終了まで、県内での限定販売はほぼ即完売の状況でした。
全国デビューへの意気込み
三戸町 山田仁志さんのコメント
「ジュノハート」と出会ったのは10年前ほど前です。初めて実をつけ始めたときは、我が子が生まれた時のような感情になったことを覚えています。凄い子が生まれた、100年に一度ではないかと思いました。
「ジュノハート」の味わいを一言で表せば「上品な甘さ、そして、ほのかな酸味」。糖度が高いといわれますが、甘みだけが強調される訳ではなく、紅秀峰の強い甘さにサミットの酸味が絶妙なバランスでマッチするのが特徴です。
昨年は、県内限定でのデビューでしたが、それ以降、お客様から期待の声が一年を通して寄せられました。これは本当に凄いことと感じています。
今年度はいよいよ全国デビューを迎えます。一生懸命心を込めて、品質の良い「ジュノハート」を育てました。皆様の手に取っていただき、その魅力に触れていただきたいです。
南部町 留目秀樹さんのコメント
「ジュノハート」には大きな可能性を感じています。上品な甘さ、可愛らしいハート形、食べ応えのある大きさとしっかりした果肉・・・将来的には、世界に通用する品種になり得ると確信しています。
昨年度の県内デビューでは、たくさんの皆様からお問い合わせをいただき本当にありがたいと感じています。まだ限られた数量となりますが、少しでも多くの皆様に「ジュノハート」の優れた特徴に触れていただけたら嬉しいです。
生産に関しては、まだまだ研究を重ねたいと思っています。今後さらに工夫を重ねて、前の年よりも更に良いものを届けられるように、これからも励んでいきたいと思います。
購入できる場所
県内
- さくら野百貨店青森本店(青森市)
- 中三弘前店(弘前市)
- 三春屋(八戸市)ほか
※天候の状況により変更になる可能性があります。
首都圏
- 伊勢丹新宿本店(東京都新宿区)地下1階 フレッシュマーケット
- 新宿高野本店(東京都新宿区)地下2階 ケーキ売場&5階 タカノフルーツパーラー本店
関西圏
- 阪急うめだ本店(大阪市北区)地下2階 キムラフルーツ売場
その他、最新情報はジュノハート公式webサイトからご確認ください。
ジュノハート公式webサイトはこちら
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