はれわたり

老舗米屋をうならせた
「はれわたり」は
食味も良く作りやすい
“無敵のお米”

はれわたるところ

弘前市石渡で米穀店を営む一戸亮二さんは、“お米の目利き”として確かな品質と価値にこだわり、消費者のニーズに合わせたお米の販売を行っています。

県産米はもちろん、全国のブランド米を食べ比べた“米屋”だからこそわかる「はれわたり」の特徴や魅力、ポテンシャルについてお話を伺いました。

現代の消費者の好みにぴったり

一戸米穀店 一戸 亮二さん
一戸米穀店 一戸 亮二さん

「初めて『はれわたり』を食べた時のことは忘れられません。炊飯器のふたを開けると、お米全体がふっくら粒立って、ひと口ほおばるとモチモチとして軟らかく、かみしめるほどに甘味が広がっていくんですね。お米の個性が強すぎると、毎日食べているうちに飽きてしまいますが、逆にあっさりしすぎていると物足りない。その点、『はれわたり』は、程良いバランスでいろんなおかずとの相性も良く食べ応えも充分。まさに、現代の消費者ニーズにぴったりで、青森から、ものすごいお米が誕生したぞ!と、驚きました」。

そう語る一戸亮二さんは、1934(昭和9)年創業の「一戸米穀店」の3代目店主。街のお米屋さんとして地域に密着し、「青天の霹靂」や「はれわたり」など県産米を販売しています。
「うちで取引している農家さんは約20人。当店から半径2キロメートル圏内に広がる田んぼから取れたお米です。各農家の方たちが、青森県米穀集荷協同組合に納めたお米をうちが購入して店頭で販売しています」。

一戸米穀店 店内
一戸米穀店 店内

精米時の米の割れに頭を抱え

一戸米穀店がある弘前市は、山々に囲まれた盆地に位置し、県内でも特に夏の暑さが厳しい地域です。
「近年は記録的な猛暑が続き、米屋として頭を抱えていたのが『つがるロマン』の胴割粒でした」と一戸さん。一戸米穀店では、購入した玄米を自社の精米施設で精米して販売しています。しかし、高温の年は胴割粒が発生し、精米する際にお米が割れてしまう事態が発生していました。
また、一般のお客様からもお米を研いでいる最中に割れてしまった…という声も寄せられ、「せっかく購入してくださったお客様に申し訳ない気持ちでいっぱいでした」と、一戸さんは語ります。

一戸 亮二さん 一戸米穀店

そんな時、青森県産業技術センター農林総合研究所が、食味が良く、夏の高温期でも胴割粒が発生しないお米を研究開発中だと聞き、「早くデビューしてほしい!」という期待を抱いて市場デビューを待ち望んでいたといいます。

食味の良い米を追求し、みずから米づくり

一戸さんは、かねてから「米屋として青森のお米に関わるからには、自らも食味の良いお米づくりを追求してみたい」という思いがあったといいます。そのため、自社の田んぼを農家に提供し、「つがるロマン」と「青天の霹靂」を作ってもらっていました。2年前からは、一戸さん自ら息子や従業員と協力しながらお米作りを行い、2022年には「はれわたり」の栽培を始めました。
「収穫した『はれわたり』を精米してみると、胴割粒が発生せず、これは、農家にとっても有難いお米だと身をもって実感しました。そのうえ食味が良いとなれば、これはもう無敵!『はれわたり』は、青森の救世主になるお米だ!と確信しました」。

精米機械
精米機

精米所 機械
計量機

一戸さんは、自身で作った2022年産の「はれわたり」を顧客や取引農家の方たちに2kgずつ配り、その魅力をPRしたと語ります。

米屋として自信をもってお勧めできる

2022年産の「はれわたり」を試食した店の顧客からは、「軟らかめの食感で食べやすい」、「甘味があっておいしい」、「冷めてもおいしいので、おにぎりにすると最高」などという声が寄せられ、大変好評だったといいます。また、取引農家からもおいしいと好評で、さらに作りやすさにも惹かれ、2023年からは20人の農家すべてが「つがるロマン」から「はれわたり」に切り替えたといいます。

2023年夏、弘前では猛暑日が続き、最高気温39℃を記録した日もありました。しかし、そんな中でも「はれわたり」は、胴割粒が発生せず、高品質なお米が収穫できたといいます。

「2023年の記録的な猛暑を乗り切った品種なので、『はれわたり』がいかに高温に強いかはお墨付き。それに加えて食味が良いわけですから、こんな優秀なお米はありませんよ。全国の有名ブランド米にもひけを取らないので、米屋としても自信をもっておすすめできますね」。
一戸米穀店では、2023年から店頭で「はれわたり」の販売を開始。評判も上々だといいます。

一戸米穀店 店内
店頭で販売している「はれわたり」

一戸さんは、以前とある会合で、津軽、県南の各地で栽培した「はれわたり」の食べ比べをする機会がありました。
「お米は、同じ品種でもその土地の土壌や気候条件によって、微妙に味や食感が変わることがあるんですが、『はれわたり』は、地域によるばらつきがなく、県内どこの産地も平均しておいしいんです。こうしたブレのなさも『はれわたり』の大きな特徴だと思います」。

みんながWIN-WINの関係になれるお米

「『はれわたり』を炊く時は、お水をやや少なめにするのがおすすめ」と一戸さん。「鮭や納豆、のりなど和食の定番おかずはもちろん、中華料理などパンチのある料理とも合いますよ。これから寒くなる季節は、津軽に伝わる『けの汁』と一緒にいかがでしょうか」。
「けの汁」は、昆布でだしをとり、にんじん、だいこん、ごぼうなどの根菜とこんにゃくを刻み、味噌味で仕上げた津軽の郷土料理です。野菜の旨味が溶け出した滋味たっぷりな「けの汁」の風味と、「はれわたり」のモチモチした食感が相性抜群です。

一戸 亮二さん

「『はれわたり』は、特Aクラスの高いポテンシャルを秘めたお米だと思います。農家は作りやすく、消費者はおいしく食べられる、みんながWIN-WINの関係になれるお米。そんな『はれわたり』の未来に大きな期待を寄せています」と、語ってくれました。