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産地情報 ~今、話題のスーパーフード「赤キクイモ」。~ (2022年2月)

今、話題のスーパーフード「赤キクイモ」。

キクイモは、血糖値の上昇を抑制する効果が期待できる水溶性食物繊維イヌリンが豊富に含まれていることから、「天然のインスリン」とも呼ばれ、健康野菜として注目を集めています。なかでも、一般的に出回っている白キクイモに比べてイヌリンの含有量が多い赤キクイモは、健康ブームのなか、「スーパーフード」として人気が高まり、青森でもさまざまな加工品づくりが行われています。

血糖値や血圧の上昇を抑え、腸内環境を整える効果も

キク科ヒマワリ属の多年草・赤キクイモは、日本在来の野生種が由来で、数年前に品種登録(JA010系統243277号)されました。一般的にキクイモとして販売されているのは白キクイモがほとんどで、ショウガに似た外観をしています。それに対して、赤キクイモは、形は白キクイモとさほど変わりませんが、全体的に濃い赤紫色をしています。

弘前大学などの発表によると、赤キクイモには、白キクイモに比べてイヌリンが豊富に含まれています。水溶性食物繊維であるイヌリンは、腸内環境を整える効果や、糖尿病などさまざまな生活習慣病の原因となる血糖値の上昇を抑える効果があるとされており、イモの部分だけでなく、葉や茎の部分にも含まれていることが明らかになりました。「イモ」という呼称がついていますが、実はデンプンをほとんど含まない低カロリー野菜です。

高品質かつ安定生産を目指して

津軽地方を中心に生産者が増えている赤キクイモは、毎年5月頃に植え付けを行います。非常に生育が旺盛で、草丈は2~3メートルにまでに達するといいます。9~10月になると、菊に似た鮮やかな黄色い花を咲かせます。花が終わり、根が肥大化した11月頃に収穫が行われます。

「赤キクイモは、ぐんぐんと大きくたくましく生長する植物だけに、地下部の根やイモもあちこち広範囲に広がっていきます。それだけに収穫時には手間も労力もかかりますが、高品質な赤キクイモを安定生産するために努力しています。化学肥料は一切使用せず、農薬未使用栽培にこだわっています」と、五所川原赤キクイモ生産者協議会の生産者さんが話してくれました。

五所川原赤キクイモ生産者協議会の皆さん
五所川原赤キクイモ生産者協議会の皆さん
赤キクイモの収穫の様子
赤キクイモの収穫の様子

付加価値を高めた加工品づくり。6次産業化に挑む

キクイモは、土がついた状態のまま冷暗所で保管すれば1ヶ月ほどもちますが、水で洗ってしまうと日持ちしないため、生の状態で流通させるのではなく、付加価値を高めた加工品づくりが注目されています。これまでに県内企業が商品化し、販売されている商品には、赤キクイモを粉末加工したパウダー、スライスして乾燥させたチップス、粉末を麺に練り込んだうどんなどがあります。これらの加工品を、お湯や温かい牛乳、コーヒーに溶かして飲んだり、食事やおやつに取り入れることによって、イヌリンを手軽に摂取することができます。

赤キクイモを粉末加工したパウダー

キクイモレシピ

青森では、キクイモを漬物にして食べる文化があります。今回は昔ながらのキクイモの漬物の作り方を紹介しますので、生のキクイモが手に入ったらぜひ作ってみて下さい。

 

キクイモの粕漬

材料

キクイモ(アク抜きしたもの) 3kg
下漬け用塩  90g
割酢 水と酢が同量の割合
酒粕 300g
みそ 100g
砂糖 100g

作り方

  1. アク抜きしたキクイモを漬物樽に入れ、キクイモの重量の3%の塩90gを振りかけ、水をひたひたになるくらいまで入れて、20日間くらい、材料の3倍の重石をして漬ける。
  2. 1のキクイモの水を切り、かぶるぐらいに割酢をいれ重石をのせて10日間下漬けする。
  3. 下漬けをしたキクイモをざるにあげ水を切り、漬け汁は捨てる。
  4. 酒粕とみそ、砂糖を混ぜておき、下漬けしたキクイモを漬け込む。
  5. 重石をして5日間で食べられるようになる。

ポイント
キクイモはきれいに洗った後、キクイモがかぶるくらいの水につける。2~3日間何度も水を取り換えてアクを取ると、キクイモが白くなる。
アク抜きしたキクイモを半日くらい天日干しすると、歯触りが良い。
本漬けする時は、キクイモが空気に触れないように粕床を上にかぶせるようにする。

出典「あおもりの漬物」

キクイモ、ヤーコン、白かぶの酢漬

材料

キクイモ 3kg
ヤーコン 2kg
白かぶ 5kg
300g
ザラメ 1.3kg
酢(市販) 350cc
昆布のだし汁 1ℓ(1ℓの水に昆布50gを一晩つけただし汁を作っておく)
赤ビート(2cm角に刻む) 中1個

作り方

最初から本漬けにする。2斗樽を使用する

  1. 樽底に少し塩をふる。刻んだ赤ビートを色づけのため少しずつ振り入れながら、原料を丸ごと積み入れる。
  2. その上から、塩、ザラメを振り入れ、酢をかけ回す。
  3. 最後に1ℓの昆布のだし汁を回しがける。※昆布は取り除き、だし汁のみ入れる。
  4. 水が上がるまで、重石は原料の2倍の20kgをのせる。
  5. 1ヶ月位して水が多くなったら、味を回すために、重石を半分くらいにして、(水は中ぶたまでひたひたにする)更に1ヶ月位で食べられるようになる。

出典「続あおもりの漬物」

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