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産地情報 ~アブラツノザメ~ 三厩漁業協同組合 (2020年4月)

アブラツノザメ

皆さんは、「サメ」を食べたことがありますか?なかには、映画「ジョーズ」に登場する凶暴なイメージから敬遠しがちで、食わず嫌いの方も多いのではないでしょうか。しかし、サメは古くから全国各地で食べられてきた日本人にはなじみ深い食材。
特に青森県では、正月や婚礼など“ハレの日”を彩る料理には欠かせない食材でした。三内丸山遺跡からもサメの骨が発掘されていることから、県内では縄文時代からサメを食用にしていたことがわかっています。

県内のサメ漁獲高のほとんどを占めるのは、サメ類のなかでも特に味が良いとされるアブラツノザメ。
知っているようで知らないベールに包まれたアブラツノザメの秘密と魅力に迫り、そのポテンシャルを探りたい! そこで今回は、外ヶ浜町にある三厩漁業協同組合を訪ねました。

鮮度保持のための工夫で、市場から高い評価

津軽半島の先端、外ヶ浜町三厩地域を訪ねると津軽海峡に面して三厩漁港が広がります。
「今日は、アブラツノザメが揚がっていますよ!」と、出迎えてくれたのは、三厩漁業協同組合(以下:三厩漁協)の小林悟業務課長。

鮮度保持のための工夫 三厩漁業協同組合

三厩漁業協同組合 小林悟業務課長

アブラツノザメは通年で水揚げされますが、盛漁期は1月~4月。
なかでも11月~1月に漁獲されるアブラツノザメは身が締まり特においしいといいます。青森県内では、三厩地域のほか、八戸市や大間町、深浦町、鰺ヶ沢町などで漁獲されています。

アブラツノザメの漁期

アブラツノザメの漁期

アブラツノザメの漁獲地

アブラツノザメの漁獲地

アブラツノザメは、主に延縄漁、刺し網漁、底引き網漁で漁獲されますが、三厩漁協では、古くから延縄漁を行ってきました。「うちの漁協がどこにも負けないのは、アブラツノザメの鮮度を保つため、きめ細かく工夫していること」と、小林さん。
漁獲したサメは鮮度保持のために砕いた氷で覆い、その上からシートをかけて漁港に戻ります。漁港で荷受けしたサメは一本一本ていねいに洗ってタンクに氷詰めし、青森市のサメ加工会社「田向商店」に出荷しています。

アブラツノザメ

神経締め

三厩漁協の「サメ部会」に所属する5人の漁師は、全員が神経締めの技術を持っています。そのため、出荷先の要望などに応じて、船上で活締め・血抜き・神経締めを行うこともあるといいます。
小林さんは、出荷用のタンクからアブラツノザメを取り出すと、頭を切り、神経締めの方法を実演してくれました。「こうやって、背骨に沿って細長いワイヤーを通すんです」。中枢神経を破壊することで死後硬直を遅らせ、輸送の過程で鮮度が落ちるのを防ぐことができるといいます。

青森県 アブラツノザメ

三厩のサメは、鮮度抜群で品質が良い

一般的にサメ類は、血液中の浸透圧調節のために多量の尿素を含むため、死後、アンモニア臭がすることがあります。しかし、素早く処理したものは、ほとんどにおいがしないといいます。「『三厩のサメは、鮮度抜群で品質が良い』と、市場から評価していただけるのが誇りです」と、小林さんは語ります。

三厩漁協では、資源と環境に配慮した漁業を行っており、2012年には「MEL」(マリン・エコラベル・ジャパン)の生産者段階認証を取得しました。月2回以上の休漁日を設定し、1.5kg未満の幼魚は生きたまま再放流するなど、資源管理と生態系の保護に積極的に取り組んでいます。

どんな料理にもオールマイティーに使える万能選手

「アブラツノザメは、私が小さいころから当たり前のように食べてきた魚。今はだいぶ少なくなりましたが、三厩では昔からお正月に『サメの飯ずし』を食べる風習がありました」と、小林さんは振り返ります。
三厩では、11月になると地元のお母さんたちが飯ずしの準備に取りかかり、それが冬の風物詩でもありました。サメのほかにもショウガやニンジンの千切りを加えるなど、各家庭で味つけを工夫したといいます。

地域では、とびきり新鮮なサメが手に入ることから、刺身で食べることも多いとか。「以前、神経締めをしたサメをもらった時に、冷凍したものをお刺身にして食べたんですが、生とはまた違ってルイベのようなおいしさでした」。ルイベは、鮭のお刺身を凍らせて食べる北海道の郷土料理。はじめはシャリシャリとした独特の食感で、その後、口の中の温度で溶けていき、とろけるような食感が「抜群にうまかった!」と語ります。

アブラツノザメ 料理

県内のスーパーに足を運ぶと、皮をはいで、さくになった状態でパック詰めされたアブラツノザメを見かけます。いわゆる「むきさめ」です。小林さんによると、アブラツノザメは中骨がないため食べやすく、子どもからお年寄りまで幅広い年代におすすめだといいます。
あっさりした風味と鶏肉のような食感は、和洋中どんな料理とも相性抜群!
食材自体にクセがないため、照り焼き、煮つけ、フライ、から揚げ、炒め物など、さまざまな料理にアレンジできます。

県外の人は驚愕! サメの頭が並ぶ津軽の市場

県外から津軽地方の市場を訪れた観光客の方が驚くのは、アブラツノザメの頭がずらりと整列している光景。確かにちょっとシュールなシーンではありますが、アブラツノザメの頭は青森県の郷土料理「サメのすくめ」には欠かせないものです。
「すくめ」とは酢でくるむ・包むという意味。アブラツノザメの頭をゆでて身をほぐし、酢味噌や大根おろしとあえた料理です。大根おろしとサメの淡白な味がよく合い、津軽地方ではお正月料理として親しまれてきました。身に比べてコラーゲンが豊富な頭は、プルプルとした食感でお酒の肴にもよく合います。

高い栄養価と調理の手軽さ&お財布にも優しい優れモノ

アブラツノザメは、低カロリー・高たんぱくで、EPAやDHA、ビタミンB12・Eなどの栄養素を豊富に含んでいます。ゼラチンやコラーゲンを多く含むため健康・美容にも良い食材です。さくは、だれでも手軽に調理でき、お魚ビギナーの方にもおすすめ!また、比較的手ごろな価格で購入できるのもうれしいところです。

アブラツノザメは、低カロリー・高たんぱく

高いポテンシャルを秘めた進化系サメ料理

「サメは名前の響きから、怖い魚というイメージが固定化されていますが、実はいろんなメニューで食べられ、捨てるところがない魚です。名前にとらわれず、ぜひトライして、好きになってほしいですね」と、小林さんは語ります。

昔から、サメを「ワニ」と呼んでサメ肉を食べてきた広島県三次市などでは、町おこしの一環としてワニバーガーや、サメのコラーゲンを使ったワニプリンなどが大変人気を呼んでいます。小林さんのお話を伺って、青森県のアブラツノザメも高いポテンシャルを秘めていると感じました。まずは、今日の食卓にアブラツノザメを取り入れてみませんか。

購入できる場所
青森県内各スーパーマーケット等
三厩漁業協同組合 小林 悟 業務課長

今回お話を伺ったのは

三厩漁業協同組合 小林 悟 業務課長

三厩漁業協同組合
住所 東津軽郡外ヶ浜町三厩本町9
電話 0174-37-2007

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