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産地情報 ~とろけるような味わい「あおもり十和田湖和牛」~ 「JA十和田おいらせ」肥育牛部会 中野渡 正光さん (2024年1月)

とろけるような味わい「あおもり十和田湖和牛」

日本トップクラスの公共牧場面積を誇る青森県。家畜の飼育に適した夏季冷涼な気候や、清らかな水、豊富な草資源など恵まれた環境のもと畜産業が行われています。

今回、ご紹介する黒毛和種「あおもり十和田湖和牛」は、青森県を代表するブランド牛のひとつ。美しい霜降りと、軟らかく上質な肉質が特徴で、口の中でとろけるような食感と旨味を堪能できます。

定期的な採血検査で、牛の栄養状態を管理

あおもり十和田湖和牛

「あおもり十和田湖和牛」は、十和田市、七戸町、東北町、横浜町などで飼育されています。
「JA十和田おいらせ」の肥育牛部会では、牛の栄養状態を確認するために定期的に採血を行い、ビタミン、コレステロール値を計測。一頭ごとの検査データをもとに、家畜保健衛生所から栄養バランスの指導を受け、その牛に必要な栄養素をきめ細かくコントロールしています。

また、肥育牛部会の部会員たちは、定期的に牛の飼育・選抜方法などの情報交換を行い技術向上に努めています。こうして、歩留と肉質が優れたA4、B4等級以上のものだけを「あおもり十和田湖和牛」として提供。ブランドの証となる刻印を押すとともに、生産者の顔写真付きの「出荷牛の履歴証明書」を添えて食の安全・安心を求める消費者ニーズに応えています。

肉の旨味をアップするためにえさを工夫

「JA十和田おいらせ」肥育牛部会所属 中野渡 正光さん
「JA十和田おいらせ」肥育牛部会所属 中野渡 正光さん

「JA十和田おいらせ」の肥育牛部会に所属する、十和田市の中野渡 正光さんの牛舎を訪ねました。

「現在、うちで飼育している『あおもり十和田湖和牛』は150頭。生後9~10カ月の牛を買ってきて肥育し、生後31カ月で出荷しています。えさは、主食の粗飼料のほかに、パイナップルジュースの搾りかすとサトウキビの葉っぱを発酵させたものを与えています。全国の取組事例などを参考にしながら始めたのですが、特に出荷前の6カ月間に集中して与えることで、肉の赤身や脂の旨味がアップしました」と、中野渡さんは語ります。

中野渡さんの牛舎の様子
中野渡さんの牛舎の様子
発酵飼料
発酵飼料

命がめぐる循環型農業

十和田市は、畜産のほか、根菜類をはじめとした野菜作りが大変盛んな場所です。「JA十和田おいらせ」では、畑の土壌診断に基づいて土の栄養バランスを整え、良質な堆肥を使った畑でおいしくて健康な野菜の栽培に取り組んでいます。ビタミン、ミネラルが豊富で、糖度と硝酸の基準値を満たしたものだけを「TOM-VEGE(トムベジ)」(T=十和田 O=おいらせ M=ミネラル VEGE=野菜)として出荷し、全国から高い評価を得ています。

中野渡さんは、畜産農場で生産された牛ふん堆肥を使用して野菜作りを行うなど、循環型農業に取り組んできました。長年、「TOM-VEGE(トムベジ)」のけん引役として尽力し、2012年には、青森県が認定する「あおもり土づくりの匠」にも認定されています。トマトを栽培し、それを使ったトマトジュースの製造など6次産業化にも挑戦しています。

「以前、体調を崩したことを機に、トマトは農薬や除草剤を使わずに育てています。農薬の代替品として、光合成細菌や光触媒の環境浄化資材を活用しているんですが、これを使い始めてから、トマトの灰色かび病やさび病、ダニなどが減ったんですね。もしかして、畜産にも応用できるのではないかと思い、牛舎の床に敷いているもみ殻に活用したところ、牛舎の床のコンクリートの匂いが抑制され、シラミが付いたりタムシなどの皮膚病にかかる牛が減ったんですよ。それに伴って、うちで飼育している牡牛の場合、平均体重が530キログラムから550~570キログラムに増え、A4等級以上の割合が70パーセントから90パーセントにアップしました」。

中野渡さんと牛
中野渡さんと牛
牛舎の床に敷いているもみ殻
牛舎の床に敷いているもみ殻

中野渡さん以外にも、肥育牛部会の部会員たちは、えさにながいもやにんにくを与えたり、きめ細かく牛の健康観察を行うなど、それぞれに工夫を凝らしながら愛情たっぷりに育てています。

炭火の網焼きがおすすめ!

中野渡さんによると、「あおもり十和田湖和牛」をおいしくいただくには、炭火の網焼きがおすすめとのこと。「たれではなく、塩だけで食べると肉本来の甘みや旨みがダイレクトに感じられると思います」。

中野渡 正光さん 「JA十和田おいらせ」肥育牛部会所属

「あおもり十和田湖和牛」は、十和田市にあるJA十和田おいらせ 「ファーマーズ・マーケット かだぁ~れ」の精肉コーナーで通年販売しています。一頭買いで仕入れを行っているため、ロース肉、モモ肉、バラ肉、カタ肉、ウデ肉のほか、レアな内臓肉も取り扱っています。希少部位を販売する際は、「ファーマーズ・マーケット かだぁ~れ」のSNSで告知するとのことなので、ぜひ青森のブランド牛「あおもり十和田湖和牛」を召し上がってみてください。

あおもり十和田湖和牛を購入できる場所

JA十和田おいらせ 「ファーマーズ・マーケット かだぁ~れ」
住所 青森県十和田市三本木字里ノ沢41
TEL 0176-51-4020
Webサイト JA十和田おいらせ 「ファーマーズ・マーケット かだぁ~れ」
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今回お話を伺ったのは

「JA十和田おいらせ」肥育牛部会 中野渡 正光 さん

JA十和田おいらせ
肥育牛部会
中野渡 正光 さん

JA十和田おいらせ 米穀畜産部畜産課


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