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産地情報 ~世界三大健康野菜のひとつとされるアピオス~ (2022年12月)

世界三大健康野菜のひとつとされるアピオス

アピオスは、北米原産のマメ科の植物。北米では古くから貴重な栄養源として重宝され、インディアンたちは、他の部族と戦う時にスタミナ食として食べていたとされています。非常に栄養価が高く、さまざまな効能があることから、「キクイモ」や「ヤーコン」と並んで世界三大健康野菜のひとつとされているスーパーフードです。

栄養豊富で、別名「畑のうなぎ」とも

アピオスが日本に入ってきたとされるのは、明治初期。アメリカから青森県にりんごの苗木を導入した際、たまたま土に混じっていたアピオスが根付き、繁殖して広まったと推測されています。

アピオスは、「畑のうなぎ」といわれるほど栄養豊富。カルシウム、鉄分、食物繊維、ビタミンEなどが多く含まれています。また、イソフラボンや大豆ペプチドなども含まれ、免疫向上、肥満抑制、抗酸化作用、血流改善、肝機能改善なども期待されています。

収穫後の「寒ざらし」によって、さらに糖度がアップ

七戸町でアピオスの栽培を行っている、「なかぐき農研」の中岫 均さんを訪ねました。中岫さんは、20アールの畑でアピオスを栽培し、「JAゆうき青森」青森やさい園芸部会アピオス部門の部門長を務めています。

「春にアピオスの種芋を植えて、11月頃、霜が降りる頃になると葉っぱが枯れてくるんですよ。ちょうどその頃が収穫期。これが、先日掘り上げたものです」と、中岫さんがネックレスのようにつながったアピオスを手に取って見せてくれました。

アピオスを手に取る中岫均さん

「収穫後の糖度は約10度。そこから約1か月間、雨が当たらない屋外で寒風に当てる『寒ざらし』を行うことで、アピオスは自分を守ろうとデンプンを糖に変え、甘さが増していくんですよ」と、中岫さん。「JAゆうき青森」では、糖度15度以上という出荷基準を設けており、厳しい基準に合格したものだけが市場に出荷されます。

寒ざらしをするアピオス
寒ざらし アピオス

「これは、蒸したアピオスです。皮付きのまま食べられるのでどうぞ味見してみてください」と、中岫さん。口に入れるとピーナッツのような香ばしい香りが広がり、じゃがいもや栗にも似た、ほくほくとした食感が感じられます。
「アピオス自体に濃厚な甘さとうま味があるため、調味料なしでもおいしいでしょう。お好みで岩塩を振って食べてもおいしいですよ」と、中岫さんは語ります。

蒸したアピオス
蒸したアピオス

畜産と農業の連携による、「JAゆうき青森」の資源循環型システム

「JAゆうき青森」は、県内有数の酪農地帯である特徴を生かし、耕畜連携による独自の資源循環型システムを活用した農畜産物づくりに取り組んでいます。家畜の糞尿や学校給食の食物残さなどを活用した良質な堆肥づくりを行い、それを農家に提供し、地域全体で健康な土作りに取り組んでいます。また、土壌分析による適切な肥料散布指導により化学肥料や農薬の使用をできるだけ減らしています。健康な土によって育まれた良質な草は乳牛のえさとなり、高品質な牛乳を生産しています。

アピオス 中岫均さん

「JAゆうき青森」のアピオスは、県の特別栽培農産物(農薬・化学肥料不使用)の認証を受けています。「除草剤もいっさい使用していないので、年3回の草取り作業は重労働ですが、消費者の方に安全安心なものをご提供したいという思いで取り組んでいます」。

中岫さんは、長年、健康な土づくりを基本とした環境に優しい農業を実践していることが評価され、令和3年度、青森県「あおもり土づくりの匠」に認定されています。

皮付きのまま素揚げがおすすめ

中岫さんによると、アピオスは口当たりが良く甘みがあるので、小さいものは皮付きのまま素揚げして塩を振って食べるのがおすすめだといいます。「皮をむいて食べやすいサイズに切って、炊き込みご飯に入れてもほくほくしておいしいですよ。ほかには、パウンドケーキの生地に入れたり、輪切りにしてピザの具材にしたり、蒸して皮をむき、つぶしたものをコロッケやニョッキにするなど洋風メニューにも合いますよ。クセがないので、いろんな調理法で食べられる食材です」。

中岫均さん アピオス

アピオスは、新聞紙に包んで冷蔵庫に入れておくと、約1か月間はもつといいます。冷蔵庫に常備しておくといつでも手軽に使えるので、日々の健康のためにさまざまな調理法で上手に摂りたい食材です。
ただし、一度にたくさん摂取すると腹痛や下痢を起こしやすくなるため、食べ過ぎには注意が必要です。

農家の手作りおやつ「七戸あぴおす ボーノぼーろ」

「なかぐき農研」では、自家栽培のアピオスを使ったお菓子作りにも取り組んでいます。アピオスを細かく砕き、小麦粉の生地の中に練り込み、コロンと小さく丸めた可愛らしいお菓子で、その名も「七戸あぴおす ボーノぼーろ」。保存料や香料などは使わず、ひとつひとつ愛情込めて作った素朴さが魅力です。アピオス本来の甘さが感じられるプレーンのほか、いちご・コーヒー・カレー・抹茶と全5種類の味があります。

「アピオスは、農薬を使用しないで栽培できる数少ない野菜。安全安心で、栄養がたっぷり含まれているので、ぜひ多くの方に味わってほしいですね」と、中岫さんは語ってくれました。

七戸あぴおす ボーノぼーろ
七戸あぴおす ボーノぼーろ

「七戸あぴおす ボーノぼーろ」を購入できる場所

道の駅しちのへ( TEL:0176-62-5777

なかぐき農研 代表 「JAゆうき青森」青森やさい園芸部会アピオス部門 部門長 中岫均さん

今回お話を伺ったのは

なかぐき農研 代表
「JAゆうき青森」青森やさい園芸部会アピオス部門 部門長

中岫 均さん


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