今回は、下北半島の北東に位置する東通村で育まれたうまいものたちをご紹介します。
「東通村」とは
本州最北端、青森県下北半島の北東に位置する東通村は、面積約300平方キロメートルの自然豊かで広大な村です。大部分を山林と原野が占め、北は津軽海峡、東は太平洋に面し、むつ市、横浜町、六ヶ所村に隣接しています。北東端には寒立馬の生息地として有名な尻屋崎を有しています。気候は、夏に太平洋から吹き付ける「やませ」の影響を強く受けることから、年間を通して冷涼な気候となっています。
東通村のうまいものたち
東通村は津軽海峡と太平洋に面していることから豊かな海の幸に恵まれています。サケ、イカ、ヒラメのほか、アワビやウニ等の貝類、昆布、フノリ等の海藻類が、県内有数の漁獲量をあげています。
また、農業は、水稲や畜産、野菜、冷涼な気候を活かしたそばやブルーベリーの栽培が行われています。
●東通そば
そばは県内で広く栽培され、地元に根付いた様々なそばがあります。東通村のそば栽培は、100年以上前から続いていて、その歴史は水稲よりも古いとされます。
下北地方では、つなぎなしの十割手打ちそばを、新そばの季節から冬にかけ、冠婚葬祭などで振る舞う習慣があります。東通村では、そば本来の香りと風味が楽しめる十割そばが主流であり、また、「煮おき」といって、茹で置きの十割そばに、鶏がらや昆布、煮干しなどをベースにとった温かいだしをかけて食べる昔ながらの「東通そば」は村独特のもの。集落により、作り方や材料に違いがあり、それが地域の味になっています。
●ブルーベリー
甘酸っぱい風味が人気のブルーベリー。年間平均気温が約10度の冷涼な気候と海からの霧に包まれた東通村は、ブルーベリーの栽培に最適です。村内には観光農園があり、夏にはブルーベリー狩りが楽しめます。
ブルーベリーは小粒ながらも栄養価が高く、鮮やかな青紫色に含まれるアントシアニンは、視神経の働きを活発にし視力の低下を改善するといわれています。
●地まきほたて
青森ほたてといえば陸奥湾が主力ですが、津軽海峡に面する東通村の野牛漁協・石持漁協では、地まきほたての養殖に取り組んでいます。
荒波の津軽海峡の海底にまかれたほたての稚貝は、ほぼ自然の状態で育つため、貝柱が大振りでしっかりとした歯ごたえが特徴です。篭に入れて海中に吊す養殖のものと比べるとあっさりとした味わいです。また、海底が砂地のため貝殻に付着物も少なく、贈り物にもお薦めです。
●あわび
下北半島では、コンブやワカメなどの海草類が豊富で、それらの海藻を食して育ったアワビは旨みが濃厚です。東通村で漁獲されるのはエゾアワビ。村内の漁協では、最も美味しいといわれる3年~5年ものを出荷しています。
●東通牛
村内に村営の牧場があり、黒毛和種などを飼育しています。東通牛は、東通生まれ東通育ち、エサも東通産にこだわり自然乾燥された稲ワラや乾牧草で育てられます。とにかく東通にこだわり、愛情いっぱいに育てられた東通牛は、やわらかい肉質、口の中で溶けるさっぱりとした味、細かくサシの入った赤みが特徴です。
●日本酒「祈水」
米は、東通村の農家が丹精込めて作った酒造りに適した希少な米「駒の舞」。水は、一億五千万年前のジュラ紀の地層から湧き出た、ほのかに甘い名水。
清らかで味わい深い「祈水」は、国の重要無形文化財「能舞」に由来し、神へ捧げる祈りの心、自然や人に感謝する想いが込められています。 東通の原料を使い、本州最北端の醸造場、関乃井酒造(むつ市)が真心込めて醸造しました。
村内の酒販店での限定販売で非常に希少な日本酒です。
*写真
左:吟醸酒「祈水」、右:特別純米酒「祈水」
ホテルメトロポリタン「青森フェア」
8月1日から8月31日までの期間で開催されていた、ホテルメトロポリタン「青森フェア」では、青森県内の食材はもとより、東通村の食材を使った料理が提供されていました。
蕎麦の実のゼリー寄せうに添え、蕎麦の実と帆立貝柱のリゾット、鮑のまるごとステーキ、ブルーベリーのクラフティなど、趣向をこらした料理が提供されています。厳選された食材が一流のシェフの手によってさらに美味しく変身しています。東通村からの贈りものを是非この機会にお試しください。(※現在は終了しています。)
青森県の工芸品も展示しています。
まだまだあります、東通の特産品
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