「かぶ」と言えば「冬」「煮物」がイメージされますが、青森の「かぶ」はひと味違います。一番のオススメは「生でかぶりつく」ことなんです。そんな夏場に生み出される「野辺地葉つきこかぶ」の魅力をご紹介します。
「野辺地葉つきこかぶ」とは?

青森県東部は夏場の間、ヤマセと呼ばれる冷たい偏東風により冷涼な気候地帯です。作物にとっては厳しい環境とも考えられますが、逆にその気候を活かしたのが、「野辺地葉つきこかぶ」です。その名のとおり、葉つきで出荷され、葉の部分も炒めたり浅漬けにしたりすることによって美味しくいただくことが出来ます。
調理例リンク:まるごと青森ブログ |「野辺地葉つきこかぶ」の「皮」と「葉っぱ」の愉しみ方
昭和50年代頃から栽培が始まり、地元の皆さんのたゆまぬ努力によって、今では年間約3,000トンもの出荷量にまで成長しました。県内全体の出荷量は全国で3位となっています。


夏場に駆けめぐる「野辺地葉つきこかぶ」

野辺地葉つきこかぶは、種をまいてから40日前後で収穫を迎えます。例年5月下旬頃から10月上旬頃までの間に出荷されていますが、驚くべきはその収穫から出荷までの動きです。
こかぶは水分をたっぷりと含んだ夜明け前の収穫がベストと言われています。そのため、生産者の皆さんは夜明け前午前3時前後から収穫を始めるんです!
太陽が出る前に収穫を終え、午前中には梱包し、集積場に集められ、午後から夕方には県内外に出荷されていくのです
かぶの新常識!手で皮をむき、生でガブッ!


野辺地葉つきこかぶは身が柔らかくジューシーなのが特徴です。皮も比較的柔らかいため、手で皮をむくことが可能です。そしてガブッとかぶりつくことが一番のオススメ。ジュワッと口の中に広がる感覚と甘さは、まるで果物を食べている様な感覚です。
ガブリンク:まるごと青森ブログ|野辺地葉つきこかぶ
有名シェフに聞く!野辺地葉つきこかぶの愉しみ方
東京 日本橋で活躍する「Cucina Italiana La Fenice(クッチーナ イタリアーナ ラフェニーチェ)」の鳥谷部シェフも野辺地葉つきこかぶを愛用してくださっているお一人です。今回は特別に野辺地葉つきこかぶの愉しみ方を伺いました。


(Cucina Italiana La Fenice)
東京都中央区日本橋小舟町15-17
協栄ビル1F
TEL 03-5651-7023
青森県野辺地町産葉つきこかぶのバーニャ・カウダ

《材料》(4人分)
- 野辺地葉つきこかぶ…2個
- バーニャカウダソース
- にんにく…20g
- アンチョビ…20g
- 生クリーム…200cc
- EXヴァージンオリーブオイル…適量
《作り方》
- 葉つきこかぶは良く洗い葉と実に分け、実は皮を剥き1個につき8等分にする。
- 鍋にみじん切りにしたにんにく、アンチョビ、オリーブオイルを入れ、軽く
ソテーする。 - 2に生クリームをいれ好みの濃度となるよう焦がさないように煮詰めていく。
- 1のこかぶを器に盛り、3のソースを添えて供する。
青森県野辺地町産葉つきこかぶのフリット、青森県産津軽海峡の塩、カブの葉の塩漬け、ライムと共に

《材料》(4人分)
- 野辺地葉つきこかぶ…2個
- ビール…200cc
- 薄力粉…100g
- 塩こしょう…少々
- 津軽海峡の塩…適量
- ライム…1個
《作り方》
- 葉つきこかぶは良く洗い葉と実に分け、実は皮を剥き1個につき8等分にする。
- ビールにふるいにかけた薄力粉、塩コショウ少々をいれよく混ぜる。
- 2の衣で1のこかぶとこかぶの葉を180度の油で揚げる。
- 3を器に盛り付け、津軽海峡の塩、カットしたライム、別に塩漬けしておいたカブの葉を添え供する。
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旬の食材バックナンバー
旬の食材 2007年6月号「野辺地葉つきこかぶ」