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青森のうまいものたち

さくらんぼ(2017年7月)

2017年7月 旬の食材 さくらんぼ

「さくらんぼ」は見た目がとても愛らしく、初夏を感じさせる甘味と酸味が調和した味で、男女を問わず人気がありますね。今月は、まさに今、この時期にしか食べることができない「さくらんぼ」を紹介します。

さくらんぼの産地

さくらんぼの産地

 さくらんぼは、収穫期間が約2週間程度と短く、収穫を迎えるまでに剪定や受粉作業、摘花など、様々な手間がかかる果物です。寒冷地が適地のさくらんぼは、山形県が主力産地となっています。青森県の収穫量は、約605tで、山形県、北海道、山梨県に次いで全国4位(平成26年)。南部町・八戸市・五戸町が県内の栽培面積の約8割を占めているほか、近年はりんご栽培が盛んな弘前市、平川市、鶴田町などの津軽地域でも栽培されるようになりました。

青森県の主な栽培品種

 主力品種の「佐藤錦」をはじめ、様々な品種があります。品種によって収穫時期も異なります。

名前 収穫時期 特徴
佐藤錦 6月下旬 大きさは7g前後、色は黄色地に鮮やかな紅色がつく。甘味と酸味のバランスが良く、肉質は乳白色で非常に良好。
北光 6月下旬~7月上旬 果頂がややとがっていて、果肉は柔らかめ。甘味と酸味が調和したコクのある味わい。
南陽 7月上旬 大きさは8~10g程度で、肉質は緻密。強い甘味がある。
サミット 7月上旬 大きさは10~13g程度で、完熟のものは果肉まで赤い。酸味は少なく、食味はあっさりしている。
紅秀峰 7月上旬~中旬 横に張った形で比較的大粒。果肉は硬く、日持ちが良い。色は鮮紅色に着色。甘味が強く酸味は少なめで、食感は良好。

さくらんぼの栄養

 さくらんぼにはアントシアニン(フラボノイドの一種、抗酸化物質)が多く含まれており、抗炎症、毛細血管強化、眼精疲労の回復などの効果や、りんごにも含まれている難消化性のソルビトールや食物繊維が豊富に含まれていることから、便秘にも効果があるとされています。また、カリウムの含有量が比較的多く、高血圧や動脈硬化の予防も期待できるほか、葉酸も比較的多く含まれていることから、貧血予防にも効果的と言われています。最近では、睡眠のサイクルをコントロールするメラトニンというホルモンが含まれている、食べた後の急激な血糖値の上昇を抑える働きもある、等の報告もあります。美味しさと可愛らしさだけではない、小さな粒に秘められたパワーを旬の時期に取り入れたいものですね。

美味しいさくらんぼの選び方

美味しいさくらんぼの選び方

 さくらんぼは、品種によって粒の大きさや果実の色は様々ですが、共通する選び方のポイントは

  • 軸(茎)が太く、瑞々しく緑色のもの
  • 果実にハリとツヤがあるもの
  • 果実全体に色づきが良いもの
  • 軸の付け根のくぼみが深いもの

が挙げられます。

りんごの剪定技術を生かした、さくらんぼ栽培の取組

弘前市のさくらんぼ農家 斉藤豪さん

 弘前市のさくらんぼ農家、斉藤豪さんにお話を伺いました。

「実は、りんごよりも先にさくらんぼを栽培していたのですが、管理が難しくて一度やめてしまいました。しかし、ヤマセの影響が強くて気象条件が厳しい県南地域で栽培が盛んなのであれば、津軽でも栽培は可能なのではないかと考え、りんご栽培で培った剪定技術を活用し工夫することで、もう一度取り組みました。その結果、現在では美味しいさくらんぼが収穫できるようになりました。」 

 斉藤さんは、雨に弱いさくらんぼを収穫時期に雨に当たらないようにハウスで雨除け栽培することで、品質の向上と収穫量の増加にもつながったと言います。
 「より付加価値の高いさくらんぼを作るために、他県にも研修に行きます。山形県のさくらんぼの栽培の要となる剪定技術のルーツは、青森県にあったということを研修先で知り、驚きと同時に、誇りに思いました。より美味しく、高品質なさくらんぼを提供していく使命感のようなものも感じています」

 旬のこの時期、収穫は朝4時ころから始まり、8時前にはパック詰めまで終了し出荷する、という作業が続きます。宝石を扱うように一粒ずつ丁寧に収穫し、消費者の皆さんに届けられます。
 さくらんぼの旬の味とともに、生産者の方々の想いも一緒に頂いてくださいね。

・取材協力 つがる弘前農業協同組合指導部 0172-82-1050


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