今月は、摘果した未成熟りんごを使った「テキカカシードル」を紹介します。
摘果した未成熟りんごが、シードルになりました!
もりやま園株式会社は、全国第一位のりんごの生産地である弘前市で、100年に渡ってりんごを作り続けているりんご農家です。8.7ヘクタールの大規模経営の中、栽培管理で発生する剪定枝や摘果したりんご(以下、「摘果果」という)の活用を検討していました。
摘果は、りんごの栽培過程で、6月上旬ころまでに実を大きくするために、余分なりんごを除去する作業です。これまで摘果作業で約40tの摘果果が廃棄されていましたが、通常農薬使用基準の関係で食品に使用することができませんでした。
一方、もりやま園株式会社は「ツリータグで品種や場所を可視化することで誰にでも分かるようにする」「スマートフォンを使って、りんご栽培の全工程を記録する」「作業データを解析してPDCAサイクルを回す」という全生産工程を可視化させるICTツール「ADAM(Apple Data Application Manager)」を5年の歳月をかけて完成させました。この技術を活用し、データ解析による徹底的な生産管理を行い、農薬使用基準に適合した食品として使用できる摘果果を生産しました。
その後、青森県産業技術センター弘前地域研究所の指導を受けながら摘果果を使ったシードルの開発や、敷地内にシードル醸造所を建設するなど、約3年かけて、2017年12月についに「テキカカシードル」を商品化することができました。
もりやま園株式会社は、敷地内にシードル製造工場を建設し、年間30klのシードルを生産できるようになり、2018年10月からは、小売り用の瓶詰めだけでなく、飲食店向けの樽詰めを出荷しています。
リンゴポリフェノールが豊富な、爽やかなシードル
摘果果には、リンゴポリフェノールが成熟果の約10倍という高い濃度で含まれています。リンゴポリフェノールは、りんごが外部環境の刺激から実を守るために生成することから、成長が著しい未熟果ほど豊富に含まれ、カテキンやプロシアニジンなど多種の強力な抗酸化物質(ポリフェノール)で構成されています。余分な活性酸素を取り除き、老化の進行を遅らせる抗酸化作用が期待できる物質です。
青森県産業技術センター弘前地域研究所による調査の結果、テキカカシードル1本(330ml)あたりには、りんご6個分に相当する1200mgのリンゴポリフェノールが含まれていることが分かりました。
テキカカシードルは、リンゴポリフェノールの渋味で、まるでビールのように爽快なテイストとなっているため、甘くて食事と合わないシードルと異なり、食事との相性が良い商品です。見かけたら、ぜひ一度お試しください。
商品概要
商品名 | TEKIKAKA CIDRE(テキカカシードル) |
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価格 | 570円(税別) |
内容量 | 330ml |
販売店 | 県内の酒類販売店や土産物店のほか、もりやま園株式会社オンラインショップで販売中です。 |
お問い合わせ
もりやま園株式会社
住所 | 弘前市緑ヶ丘1-10-4 |
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電話 | 0172-78-3395 |
ホームページ | もりやま園 |