青森のうまいものたち

鰺ヶ沢町に入り、海側の国道101号線旧道沿いの鰺ヶ沢海水浴場を通り過ぎると、大きな駐車場を備えた「海の駅わんど」が見えます。この施設内には、観光案内所や鮮魚店、食事処のほか、地元の農産物や加工品を豊富に取り扱う農産物直売所「あじ・彩・感」があります。

　農産物直売所「あじ・彩・感」は、会員数およそ65名の「あじ・彩・感」 倶楽部で運営されています。人気はお総菜コーナー。この辺りでは当たり前のピンク色のいなり寿司やいがめんちなど伝統的なお総菜のほか、笹餅や大福餅、バター餅などの餅類、シフォンケーキやワッフルなどの洋菓子類と豊富な種類を取り揃えています。

　加工品の中で特に人気があるのが笹餅。笹の香りがほんのり香る柔らかいお餅です。取材で訪れた際、この笹餅を加工している方の一人で加工部会の副会長、佐藤さんにお話を伺うことが出来ました。おばあいちゃんから教わった作り方に工夫を重ねて現在の味になったとのことで、笹と一緒に蒸しているため日持ちもよく、香り豊かに仕上がるそうです。

　「あじ・彩・感」倶楽部では、これらの加工品をつくるときには、出来るだけ自分たちが生産したものを使ってもらうよう会員の皆さんにお願いしており、地元の原料がふんだんに使われた手づくり感あふれる加工品になっているのが人気の理由とのことでした。

　生鮮品の販売コーナーでは、地元産のミズ（ウワバミソウ）や根曲がり竹などの山菜やキャベツ、摘果メロン、アスパラガスなどが売られていましたが、この直売所の売れ筋の小玉スイカは6月末から、大玉スイカやメロンは7月半ば頃から出回り、8月のお盆くらいまでが販売のピークとなります。夏は、販売される野菜も多く、レジの前にある旬の野菜コーナーは、メロンやスイカでいっぱいになるということでした。

　また、「あじ・彩・感」倶楽部は、西津軽の直売所のお手本になろうと、直売所の運営にも工夫を凝らしています。例えば、午後の品不足を解消するため、午後限定で出品できる出品者の枠を設けたり、後継者を増やそうと若者部会を作ったり、マスコットキャラクターの「あじっぴー」で、子ども達に直売所の楽しさをアピールしています。

　年間3回のイベントも企画しており、メインの大創業祭は、今年は6月末の週末に開催され、7月1日の日曜日まで様々な催しものが行われます。秋には収穫祭、冬には大漁祭もあるほか、町や県で行われる各種イベントにも参加することで、「あじ・彩・感」の知名度を上げ、会員の収益アップにも繋げたい、と精力的に活動しています。