店先でも美しいオレンジ色の皮肌がひときわ一目を引く春告げ魚のひとつ「ウスメバル」。青森県は「ウスメバル」の水揚げ日本一です!
青森県のウスメバル
メバルは体色が灰褐色の金、灰赤色の赤、黒灰色の黒と3種類あり、全国的には「黒メバル」を「メバル」と言いますが、青森県では漁獲量の多い「ウスメバル」を通称「メバル」と呼んでいます。主として日本海海域から陸奥湾・津軽海峡にかけての水深100m程の岩礁帯に生息し、中でも津軽海峡の西口に位置する中泊町(旧小泊村・中里町)はその中心となっており、「津軽海峡メバル」のブランドで販路拡大に取り組んでいます。現在では大部分が築地や大阪など大都市圏に出荷されています。
漁獲方法
「ウスメバル」の漁獲方法は、一本釣と刺網が主となっており、一本釣は周年、刺網は資源保護から6月から8月の3ヵ月間と操業時期を限定しています。
青森県の漁獲量は、昭和50年代には1,000tを超えていましたが、近年は400t足らずの低水準で推移しています。
このため、漁業関係者は、ウスメバル資源を回復させるため、以前から行われていた子供を産む親を保護する取り組みに加えて、平成19年度から小型魚を保護する資源管理を行っています。青森県における「ウスメバル」の成長は、3~4才で成魚となり、20cmに達するまでは5年かかると言われています。
特徴
「ウスメバル」は、親の体内でふ化して産まれます。流れ藻などについて日本海を北上し、青森県の沿岸で着底、成長し、成長とともに沖合に移動して、3才魚になると主として水深80~150mの岩礁域に生息します。
「ウスメバル」は体全体が赤っぽく、目の周りが金色で、キンキンと呼ばれる「キチジ」に姿形は似ていますが、色はそれほど赤くはありません。肉質は白身ですが、生ではピンク色で新鮮なら刺身でも食されます。
「メバル」のカロリーは「カサゴ」よりは高いのですが「アイナメ」より低めで、ナトリウム、カルシウム、リン、鉄などミネラル類が豊富です。ビタミン類ではD、Eを多く含み、その他もバランスよく含んでいます。
食す
全国的には煮付け、塩焼きに調理される例が多いものの、地元では刺身として生食する機会が多く、シコシコとした食感、上品な脂による食味、白色半透明に部分的に薄く差し込む朱色の色味が食材として評価されています。
また、「津軽海峡メバル」は津軽海峡の早い潮の流れによる適度な運動と、豊富な餌による肉質の良さに加えて、漁獲後の扱いの良さから、店頭に並んだ状態での食味や鮮度が良好で、生食向け食材として理想的です。小骨が少ないことから、うろこ、内臓をとり丸ごと煮付けや、塩焼きも人気です。