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青森のうまいものたち

いちご(2014年4月)

2014年4月 旬の食材 いちご

 青森県の冷涼な気候で、時間をかけてじっくり育った分だけ美味しさが詰まった、今が旬の「いちご」をご紹介します。

青森県の「いちご」の産地

 いちごには、11~5月頃にかけて収穫される「冬春いちご」と、6~11月頃にかけて収穫される「夏秋いちご」があります。
 青森県のいちごは「冬春いちご」が多く栽培されており、県内では八戸市やおいらせ町、弘前市・田舎館村・黒石市などで栽培されています。
 いちごは、生育適温が約18~25度と、比較的冷涼・温和な気候を好む作物です。県内最大のいちご産地である八戸市は、夏季冷涼な気候で、冬でも日照時間が長く、いちご栽培に適した地域と言われています。

いちごの栽培
いちご栽培
いちご栽培
いちごの花
いちごの花

八戸市で本格的にいちご栽培が始まったきっかけ

八戸苺生産組合
八戸苺生産組合

 八戸市でも特に市川地区は、いちご栽培が盛んな地域です。この地域は、昔からヤマセが強く、度々冷害に見舞われていたことから、農家の男性は北海道のニシン漁へと出稼ぎに行っていました。
 昭和28年、出稼ぎ中の22名が嵐による事故で命を落としてしまい、親を亡くした子供たちの悲しむ姿を見た八戸市立多賀小学校の故細川校長先生が、これからは出稼ぎをしなくて済むようにと、当時は珍しかった「いちご栽培」を呼びかけたことをきっかけに、本格的ないちご生産が始まったと言われています。
 昭和32年、浜市川地区のいちご生産者が集まり「浜市川苺生産組合」、現在の「八戸苺生産組合」を設立しました。当初は露地栽培のみでしたが、通年出荷できるようにと施設化や作型の複合化に取り組み、現在ではほぼ一年中いちごを収穫できる、県内有数のいちご産地となっています。

県内いちごの品種・生産カレンダー

 同じいちごでも、品種によって大きさや甘さ・酸味も異なります。 青森県で栽培されている「冬春いちご」の品種は、「とちおとめ」「さちのか」「麗紅」「紅ほっぺ」「あさか」が主に多く栽培されています。
 また、「夏秋いちご」の品種は、「ペチカ」「すずあかね」「北の輝」「サマールビー」「なつあかり」等が多く栽培されています。
 いちごは、比較的傷みやすいため、長距離輸送には適しません。青森県産いちごは、主に県内をメインに出荷されていますが、遠くは、八戸からフェリーで北海道にも出荷されています。

主な品種の特徴

◎「とちおとめ」(収穫時期:11~6月)

 特徴:大粒で、酸味が少なく甘みが強い。

◎「さちのか」(収穫時期:11~6月)

 特徴:甘みが強く、濃厚な味わい。香りが良く、果肉は固め。

◎「麗紅」(収穫時期:3~6月)

 特徴:甘みと酸味のある昔ながらの品種。

◎「サマールビー」(収穫:6~11月)

 特徴:甘みと酸味のバランスが良く、香り豊か。

◎「すずあかね」(収穫時期:6~11月)

 特徴:夏秋いちご品種の中では、酸味が少なく日持ちが良い。

とちおとめ さちのか
青森県産いちご

昔なつかしい品種「麗紅」を作り続ける

麗紅
麗紅

 果肉が軟らかいのが特徴の麗紅ですが、その特徴が輸送面では短所となります。
 全国で甘さ重視の新品種が毎年登場する中、大量輸送・長距離移動が不可欠な市場流通では次第に評価が低くなり、年々生産量は減少しています。
 今では珍しくなった昔ながらの品種「麗紅」ですが、八戸苺生産組合では、全組合員49人のうち5人が、現在も「麗紅」を作り続けています。
 八戸の「麗紅」づくりは丸2年~3年かかります。9月に親株を畑に植え、越冬させて子株を増やすことから始めます。通常、ひとつの親株から約30の子株ができ、増やした株を翌年秋にハウスに移植し、再び越冬した翌3月頃から6月頃にかけて収穫します。
 農産物の出来は、苗に左右されるため「苗半作」と言いますが、いちご栽培では「苗9割」と言われるほど、苗が重要なのです。

麗紅の栽培
昔なつかしい品種「麗紅」

震災から3年。復興に向けて

震災から3年。復興に向けて

 平成23年の東日本大震災により、八戸市の市川地区は津波の被害を受けました。津波によって農地は浸水し、一部のいちごハウスは倒壊するなど、大きな被害を受けました。
 震災後、新たにハウスを建て、いちご栽培を再開しましたが、津波の影響により、以前よりも土壌中の塩類濃度が高い状態が続いています。
 震災前と比較すると、生育・栽培日数が長くかかるなど、現在も影響は続いていますが、復興に向けて、生産者一丸となって栽培に取り組んでいます。

いちごの収穫
いちごのパック詰め
とちおとめ
はちのへいちご

 今年度、八戸市では、県内最大の生産量を誇る八戸いちごの情報発信と、東日本大震災で被災したいちご生産者の復興支援のため、いちごの語呂にかけて、1月5日に「八戸いちごマルシェ」を開催しました。
 「八戸いちごマルシェ」では、八戸いちごの歴史や生産方法をパネルで紹介するとともに、各品種の食べ比べや八戸いちごを使ったスイーツ作り体験などを行いながら、地元の方々に八戸いちごに親しんでもらえるような取り組みも行っています。

八戸いちごマルシェ
八戸いちごマルシェ
八戸いちごマルシェ

もぎたてのいちごを味わおう

 青森県内には、いちごの収穫体験ができる農園があります。
 ご家族みなさんで、取れたてのいちごを味わってみてはいかがでしょうか。

◎泉清水いちご観光農園

 八戸市南郷区は果樹の里としても知られています。泉清水いちご観光農園では、1~5月までいちごの収穫体験をすることができます。※完全予約制

住所 青森県八戸市南郷区泉清水地内
時期 1月下旬~5月下旬
定休日 火・木曜日
料金 60分食べ放題 
中学生以上1500円、小学生1300円、3歳以上700円、幼児無料
お問い合わせ 泉清水いちご生産組合 
TEL 0178-82-2881(受付9~16時)
ホームページ http://www.city.hachinohe.aomori.jp/kanko/taiken/nouen.html

◎観光農園「アグリの里おいらせ」

 夏秋いちごと冬春いちごを栽培しており、1年中いちご狩りが楽しめます。

住所 青森県上北郡おいらせ町向山東2丁目2-1684
時期 通年
料金 30分食べ放題…中学生以上1500円、小学生~3歳以上1300円、幼児無料
摘み取り体験…お一人様 600円(1パック持ち帰り出来ます)
営業時間 10~15時30分
お問い合わせ アグリの里おいらせ 
TEL 0178-56-2884(受付9~17時)
ホームページ http://agurinosato.jp/

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