青森県内は雪を観測する日も増え、本格的に冬に近づいてきました。今回は、ちょうど収穫期を迎えている青森県産「ながいも」を紹介します。
青森県のながいも
青森県のながいもは、生産量トップクラスを誇り、国内出荷量の約4割を占めています。主な産地は、十和田市、三沢市、東北町など、県の東側に位置する南部地方。南部地方は、太平洋から吹き付けるヤマセ(冷たく湿った東風)の影響を受けやすく冷害の常襲地帯であったため、ヤマセの影響を受けにくい根菜類、ながいも、にんにく、ごぼうなどが多く生産されています。
県内で広く生産されている品種は、青森で誕生した首が短く肉付きの良い「ガンクミジカ」という系統。「ガンク」とは首のことで、「首が短い」という意味です。青森ながいもは、色白で粘りが強く、柔らかい肉質とアクが少ないのが特徴です。 品質の良いながいもとして全国の市場から高い評価を得ているほか、国内だけではなくアメリカや台湾などにも輸出されています。
秋掘りながいもと春掘りながいも
青森県のながいもは5月に植え付け、雪が降る前の秋(11~12月)と、雪が消えた後の春(3~4月)の2回収穫します。秋堀りながいもは、完熟したてのみずみずしさ、春堀りながいもは冬を越しているので甘さが際立ち、熟成されたおいしさを味わうことができます。
ながいもの旬は、11~12月、3~4月ですが、県内の各産地には低温貯蔵庫が整備されており、年間を通して全国に安定出荷することができます。
健康な土づくりに取り組んでいます!
ながいもなどの根菜類は、「土づくり」が品質を大きく左右する作物と言われています。青森県では、平成19年度から「日本一健康な土づくり運動」に取り組んでおり、土壌診断の実施や稲わら・たい肥などの有機質資源を有効活用しながら、作物の特性やほ場の状態に応じたバランスのとれた健康な土づくりに取り組んでいます。 この健康な土によって作物も丈夫に育ち、品質の良い、安全安心で美味しいながいもを全国にお届けしています。
「日本一健康な土づくり運動」展開中!(外部リンク)
http://www.pref.aomori.lg.jp/sangyo/agri/2008-0710_tutidukuri_top.html
「ながいも」の知識
【栄養価】
ながいもは山のうなぎと言われ、古くから滋養強壮のために食べられていました。 ながいもには消化酵素のアミラーゼが多く含まれ、一緒に食べた食材の消化を助けてくれます。 他にも、ディオスコリンAやビタミンB1、レクチンなどの機能成分が含まれています。
【選び方】
- 皮の表面がなめらかでつやのあるもの
- 皮の色が肌色でふっくらと太くまっすぐに伸びたもの
- ひげ根が残っており切り口が白いもの
【食べ方】
ながいもはアミラーゼなどの消化酵素を含むことから、芋類のなかでは珍しく生で食べられます。生で食べるのはもちろん、煮ても焼いても蒸しても美味しく、シャキシャキ、ホクホク、トロトロ、フワフワなど、食感の違いを楽しむことができます。
蒸したり茹でたりしたながいもをつぶし小麦粉をまぜて棒状にしたら、カットしてお好みの汁に入れるだけ。とても簡単に「ながいもすいとん」を作れます。
また、じゃがいも代わりにながいもをカレーにいれたり、ポテトサラダのポテト代わりに使ったり、ながいもを格子状に切って肉をまいて炒めたり、産地では様々な創作料理が楽しまれています。
ながいもはこれから美味しい季節を迎えますので、いろいろと試しお好みの食べ方をみつけてみてはいかがでしょうか。
【保存方法】
1本丸ごとの場合は、新聞紙などに包み風通しの良い涼しい場所に保管し、冬期間は凍らせないように注意します。カットしたものは、切り口が空気に触れないようにラップして冷蔵保存します。また、冷凍保存も可能です。皮をむき使いやすい大きさにカットし冷凍、または、とろろにして冷凍します。必要な分だけ自然解凍してお召し上がりください。
【豆知識】
- 手のかゆみを防ぐには…手がかゆくなるのは、皮付近に含まれているシュウ酸カルシウムの影響です。手を酢水で濡らしてから調理するとかゆみを防ぐことができます。
- ながいもの変色を防ぐには…ながいもに含まれる酵素によってポリフェノールが酸化され、変色すると言われています。切ったものはすぐに酢水につけたり、とろろには酢を数滴入れたりすると変色を防ぐことができます。
様々な食べ方が楽しめる「ながいも」。
青森から自信を持ってお届けする青森県産「ながいも」を是非お試しください。