産地レポート 〜 生産者の声 〜
美味しさを一果に凝縮「一球入魂かぼちゃ」…嶋影秀子さん(むつ市)
青森県の下北半島むつ市に、糖度11〜12度という甘さの「一球入魂かぼちゃ」がある。品種はダークホース。名前の通り、このかぼちゃ、市場を闊歩するかもしない。
親弦一本にかぼちゃの実を一果しか結実させない一株一果採り。贅沢で独特の栽培方法で作るかぼちゃは、ほくほくして、この1個に全ての美味しさを凝縮する。
全くはずれのない、どこを食べてもほくほくの栗かぼちゃだ。カボチャが好む冷涼な気候と、寒暖の差から生まれるうま味と甘味は、下北の気候風土によってぎゅ〜っと凝縮され格段に高まる。
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食べ方の提案も・・・
市場での評判も良い。
東京都内の有名デパート・スーパーのサミット等では、今年の出荷を待っているという。東京での販売のポイントは、電子レンジでの調理。煮くずれせず、ホクホク感が味わえる。
電子レンジで加熱して、軽く塩やシナモンシュガーを降ったりして食べる。
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下北ブランドに・・・
この「一球入魂かぼちゃ」を生産している嶋影 秀子さん。「下北というとみんな“大間のまぐろ”という。このかぼちゃを下北のブランド野菜に育てたい」と言う。
一株一果採りの「一球入魂かぼちゃ」の栽培では、次から次へと出てくる脇芽を整理しながら、13節〜17節に一果だけ結実させ、後は捨ててしまう。一般的なカボチャ栽培では、少なくても3個、場合によっては5〜6個も成らせるが、この栽培方法ではたった一果だけ。天候不順にでもあえば、壊滅的打撃を受けるであろうその栽培方法を取るには訳がある。
かぼちゃは、価格を取るのが難しく、差別化しにくい野菜の一つ。他産地との差別化を図るには、リスクも覚悟しなくては成らない。一球入魂かぼちゃは、この方法で、余所では作るのが難しい事に挑戦したかぼちゃなのだ。農家のたぐいまれな果敢なチャレンジ精神で作られたかぼちゃ。
生産者の島森さんは、斗南藩の末裔で4代目という。先祖は戊辰戦争で会津藩から下北に渡ってきた。下北には、先祖が会津から来たという人が多い。「初代が来たときは、荒れた土地で、米も育たず、大変な苦労をしたという。先祖が苦労して作った畑から、下北を代表する野菜を作りたかった。」と嶋影さん。
![]() 嶋影さんの農地 |
![]() 一般のかぼちゃは 3〜5果付く |
![]() 「一球入魂かぼちゃ」は 一果だけ結実させる |
![]() 昔からある栗の木 |
![]() 栗の実が… |
![]() そば畑 |
徹底した栽培管理
「一球入魂かぼちゃ」は、徹底した栽培管理で育てられる。栽培日誌は勿論のこと、その他に気づいたことはメモしておく。 昨年は、日差しがきつかったので、日よけのため、カブトをかぼちゃに被せた。
![]() まだ難しいと思うことも |
![]() メモを見る |
![]() 昨年はかぼちゃに 新聞紙のカブトを被せた |
「一球入魂かぼちゃ」は、春先に定植した後、開花から50日、積算温度1,000度を目安に収穫される。
収穫作業は、かぼちゃの下に敷いた座布団を取りながら、一個づつ収穫される。一個が2kg前後と重いため、3,000個近くを収穫するのは、かなりな重労働だ。そのため、収穫時には、人手を頼む。
![]() かぼちゃの花 |
![]() 下にはお座布団が 敷いてある |
![]() 直接土に接触せず、色付きを良くするために敷く |
![]() 畑に表示 |
![]() 畑の脇に置いていく |
![]() 重い |
![]() 敷いてある座布団を片付けながら |
![]() 収穫 |
![]() 畑に並べられた かぼちゃと座布団 |
収穫した後には、へたを切り、風乾作業がある。 風乾作業とは、うず高く積まれたかぼちゃを、2段ぐらいに積み、風で乾燥させる作業だ。
収穫したてのかぼちゃは瑞々しく、へたから水分が出てくる。これを乾燥させ、追熟させることで、デンプンは糖になり、甘くほくほくした「一球入魂かぼちゃ」が出来上がる。1週間から10日ほど乾かす。ちょうど収穫してから20日ほどが食べ頃となる。
![]() 山と積まれたかぼちゃ ![]() これから風乾する |
![]() へたを切る |
![]() 力を入れて ![]() 下も・・・ |
![]() へた切り専用ハサミ |
![]() 収穫したての蔓からは 水分が… |
![]() 風乾後の重さは 1.8〜2.0kg |
![]() 計量:1.9kg |
![]() へたの回りが へこんでいること |
![]() 綺麗なハート型であること |
収穫したて1,9kgあったかぼちゃも、風乾後には、1.8kgくらいになり糖度も12%ほどになる。
しかし、この収穫時期を向かえるまでは、病気や天候と戦わなくてはならない。
分からないこと、不安なことが出てくると嶋影さんは、高谷さんに相談する。
ブランド野菜は、営農指導者・生産者が協力してつくるもの
嶋影さん達生産者の、強い味方が、下北地域県民局普及指導室の高谷さんだ。
高谷さんは、直ぐに来てくれ、いろいろと指導してくれるという。
![]() 高谷さん(左)と嶋影さん |
![]() |
![]() |
収穫のこの日も、嶋影さんは、かぼちゃに付いた「カタ」の相談。
高谷さんからは、へたをもっと短く切るように指導。そうすることで、早く乾燥するというアドバイスを得た。
![]() 座布団を敷いても 色づかない物もある |
![]() 中にはカタが付いた物も |
![]() 出来具合を調べる |
![]() もっと短く切る ![]() この程度に |
![]() 糖度を測ってみましょう |
![]() 皮は固い |
![]() 細かく切る |
![]() 糖度を測る |
![]() 11.4% |
![]() 生でも栗と同じような 味がします |
![]() へたに横筋がはいったものが良い物 |
![]() |
ブランド野菜の有名産地を作るのは簡単ではない。
流通関係者・生産者・県関係機関の営農指導者等の熱意とコミニュケーションが重要だ。下北ブランドの「一球入魂かぼちゃ」はこれが揃っている。後は、生産技術への確たる自信が、栽培年数で培われば、こわいものはない。
いつの日か“まぐろ”に並ぶブランド品と成っていることを期待する。
一球入魂かぼちゃのお問い合せ先
青森県下北地域農林水産部普及指導室
住所:〒035-0073 青森県むつ市中央1-1-8
TEL. 0175-22-2685 FAX. 23-5887
オフィシャルサイト http://www.applenet.jp/~mutu-aec/
一球入魂かぼちゃが買えるところ
しもきた産直広場
住所:〒035-0042 むつ市大曲2-13-33「下北名産センター」内
TEL. 050-3659-7391 FAX:0175-22-2210グリーン情報ネットワーク(ネットでの販売)
http://www.gjnet.co.jp/
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