トップページ > 知る > 【連載】産地レポート > 2008年9月号:美味しさを一果に凝縮「一球入魂かぼちゃ」(むつ市)

産地レポート 〜 生産者の声 〜

美味しさを一果に凝縮「一球入魂かぼちゃ」…嶋影秀子さん(むつ市)

写真

 青森県の下北半島むつ市に、糖度11〜12度という甘さの「一球入魂かぼちゃ」がある。品種はダークホース。名前の通り、このかぼちゃ、市場を闊歩するかもしない。
 親弦一本にかぼちゃの実を一果しか結実させない一株一果採り。贅沢で独特の栽培方法で作るかぼちゃは、ほくほくして、この1個に全ての美味しさを凝縮する。
 全くはずれのない、どこを食べてもほくほくの栗かぼちゃだ。カボチャが好む冷涼な気候と、寒暖の差から生まれるうま味と甘味は、下北の気候風土によってぎゅ〜っと凝縮され格段に高まる。

写真
一球入魂かぼちゃの畑

写真
一株に一果だけ
糖度がのっている

写真
どこを食べてもほくほく
凝縮された美味しさ


食べ方の提案も・・・

 市場での評判も良い。
 東京都内の有名デパート・スーパーのサミット等では、今年の出荷を待っているという。東京での販売のポイントは、電子レンジでの調理。煮くずれせず、ホクホク感が味わえる。
  電子レンジで加熱して、軽く塩やシナモンシュガーを降ったりして食べる。

写真
一球入魂かぼちゃ

写真
ラップをして
電子レンジで加熱

写真
煮くずれせず
ホクホク


下北ブランドに・・・

写真 この「一球入魂かぼちゃ」を生産している嶋影 秀子さん。「下北というとみんな“大間のまぐろ”という。このかぼちゃを下北のブランド野菜に育てたい」と言う。
 一株一果採りの「一球入魂かぼちゃ」の栽培では、次から次へと出てくる脇芽を整理しながら、13節〜17節に一果だけ結実させ、後は捨ててしまう。一般的なカボチャ栽培では、少なくても3個、場合によっては5〜6個も成らせるが、この栽培方法ではたった一果だけ。天候不順にでもあえば、壊滅的打撃を受けるであろうその栽培方法を取るには訳がある。
 かぼちゃは、価格を取るのが難しく、差別化しにくい野菜の一つ。他産地との差別化を図るには、リスクも覚悟しなくては成らない。一球入魂かぼちゃは、この方法で、余所では作るのが難しい事に挑戦したかぼちゃなのだ。農家のたぐいまれな果敢なチャレンジ精神で作られたかぼちゃ。
 生産者の島森さんは、斗南藩の末裔で4代目という。先祖は戊辰戦争で会津藩から下北に渡ってきた。下北には、先祖が会津から来たという人が多い。「初代が来たときは、荒れた土地で、米も育たず、大変な苦労をしたという。先祖が苦労して作った畑から、下北を代表する野菜を作りたかった。」と嶋影さん。

写真
嶋影さんの農地
写真
一般のかぼちゃは
3〜5果付く
写真
「一球入魂かぼちゃ」は
一果だけ結実させる
写真
昔からある栗の木
写真
栗の実が…
写真
そば畑

徹底した栽培管理

 「一球入魂かぼちゃ」は、徹底した栽培管理で育てられる。栽培日誌は勿論のこと、その他に気づいたことはメモしておく。 昨年は、日差しがきつかったので、日よけのため、カブトをかぼちゃに被せた。

写真
まだ難しいと思うことも
写真
メモを見る
写真
昨年はかぼちゃに
新聞紙のカブトを被せた

 「一球入魂かぼちゃ」は、春先に定植した後、開花から50日、積算温度1,000度を目安に収穫される。
  収穫作業は、かぼちゃの下に敷いた座布団を取りながら、一個づつ収穫される。一個が2kg前後と重いため、3,000個近くを収穫するのは、かなりな重労働だ。そのため、収穫時には、人手を頼む。

写真
かぼちゃの花
写真
下にはお座布団が
敷いてある
写真
直接土に接触せず、色付きを良くするために敷く
写真
畑に表示
写真
畑の脇に置いていく
写真
重い
写真
敷いてある座布団を片付けながら
写真
収穫
写真
畑に並べられた
かぼちゃと座布団

 収穫した後には、へたを切り、風乾作業がある。 風乾作業とは、うず高く積まれたかぼちゃを、2段ぐらいに積み、風で乾燥させる作業だ。
  収穫したてのかぼちゃは瑞々しく、へたから水分が出てくる。これを乾燥させ、追熟させることで、デンプンは糖になり、甘くほくほくした「一球入魂かぼちゃ」が出来上がる。1週間から10日ほど乾かす。ちょうど収穫してから20日ほどが食べ頃となる。

写真
山と積まれたかぼちゃ

写真
これから風乾する
写真
へたを切る
写真
力を入れて
写真
下も・・・
写真
へた切り専用ハサミ
写真
収穫したての蔓からは
水分が…
写真
風乾後の重さは
1.8〜2.0kg
写真
計量:1.9kg
写真
へたの回りが
へこんでいること
写真
綺麗なハート型であること

 収穫したて1,9kgあったかぼちゃも、風乾後には、1.8kgくらいになり糖度も12%ほどになる。
 しかし、この収穫時期を向かえるまでは、病気や天候と戦わなくてはならない。
 分からないこと、不安なことが出てくると嶋影さんは、高谷さんに相談する。


ブランド野菜は、営農指導者・生産者が協力してつくるもの

 嶋影さん達生産者の、強い味方が、下北地域県民局普及指導室の高谷さんだ。
高谷さんは、直ぐに来てくれ、いろいろと指導してくれるという。

写真
高谷さん(左)と嶋影さん
写真
写真

 収穫のこの日も、嶋影さんは、かぼちゃに付いた「カタ」の相談。
 高谷さんからは、へたをもっと短く切るように指導。そうすることで、早く乾燥するというアドバイスを得た。

写真
座布団を敷いても
色づかない物もある
写真
中にはカタが付いた物も
写真
出来具合を調べる
写真
もっと短く切る
写真
この程度に
写真
糖度を測ってみましょう
写真
皮は固い
写真
細かく切る
写真
糖度を測る
写真
11.4%
写真
生でも栗と同じような
味がします
写真
へたに横筋がはいったものが良い物
写真

写真 ブランド野菜の有名産地を作るのは簡単ではない。
 流通関係者・生産者・県関係機関の営農指導者等の熱意とコミニュケーションが重要だ。下北ブランドの「一球入魂かぼちゃ」はこれが揃っている。後は、生産技術への確たる自信が、栽培年数で培われば、こわいものはない。
 いつの日か“まぐろ”に並ぶブランド品と成っていることを期待する。


一球入魂かぼちゃのお問い合せ先

青森県下北地域農林水産部普及指導室
住所:〒035-0073 青森県むつ市中央1-1-8
TEL. 0175-22-2685 FAX. 23-5887
オフィシャルサイト http://www.applenet.jp/~mutu-aec/


一球入魂かぼちゃが買えるところ

しもきた産直広場
住所:〒035-0042 むつ市大曲2-13-33「下北名産センター」内
TEL. 050-3659-7391 FAX:0175-22-2210

グリーン情報ネットワーク(ネットでの販売)
http://www.gjnet.co.jp/


関連ページ:

掲載日 2008.9.1


バナーこのサイトはリンクフリーです
お問い合わせ先:青森県農林水産部総合販売戦略課
〒030-8570青森市長島1丁目1番1号  E-mail hanbai@pref.aomori.lg.jp
TEL:017-722-1111(代表:内線3108)/ 017-734-9571(直通)
Copyright 2005-2015 青森県農林水産部総合販売戦略課 All Rights Reserved.