産地レポート Vol.13:在来津軽「清水森ナンバ」
【生産者の声】中田 嘉博 さん(弘前市)
復活!在来津軽「清水森ナンバ」
お蕎麦には欠かせない調味料、トウガラシの話。
幻になりかけた津軽の在来トウガラシが「清水森ナンバ」として復活した。
清水森ナンバは、他品種に比べビタミンA・C・Eやカルシウムの含有率が高いだけでなく、糖度が2倍という。
清水森ナンバは、ただ辛いだけのトウガラシではなく、辛さの中にまろやかな甘みがあり、風味に優れたトウガラシなのである。だから「在来種」でなくてはという声が地元には根強い。
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青森県弘前市周辺を中心に400年以上も前から栽培されていたトウガラシで品種は「弘前在来」。昭和40年代までは、一大産地として名を馳せていたが、安価な輸入トウガラシに押され、激減した。その上、外来種との交雑により純正種の存在そのものまでが危機に見舞われた。
その状況を憂慮した弘前市民が伝統の味を守ろうと“在来津軽「清水森ナンバ」ブランド確立研究会”を発足し、品種の保護と産地化に立ち上がった(右写真:中田さんと村山さん)。現在会員は49人、うち栽培者は33人、30アールで約9トンを生産する。
「清水森ナンバ」は生産過程で青と赤の2種類がある。
7月上旬〜10月末までに収穫される青ナンバは、主に生食や加工品に使われ、8月中旬〜10月下旬頃までに収穫される赤ナンバは乾燥・粉砕され一味唐辛子などとなる。
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←赤ナンバは乾燥・粉砕 |
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もともとこのトウガラシは、地元の生活に深く根付いていた。
弘前市の商店街の土手町には、晩秋になると近隣の農家のおばさん達がゆっくりと腰を下ろして、道ばたで売っていたほか、県内外へ行商に歩いていた。冬の津軽の食卓には様々な漬物が並ぶ。お蕎麦や漬物にトウガラシは定番、よく使われていた。それが「在来種」だ。
弘前市の中田さんは、県の実証ほとして2アール、280本を栽培している。
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「清水森ナンバ」は交雑を防ぐため、“在来津軽「清水森ナンバ」ブランド確立研究会”が種を確保し、苗を農家に供給する。栽培地域が限定され、会員以外には生産が許されていない。
中田さんは元県農林部職員。県の研究機関「つがる農産物加工指導センター」の所長だった。中田さんの専門は、経営指導。これまでも、清水森ナンバの生産費等を割り出し、農家に生産をすすめてきた。その他にもセンターでは、加工品の試作品を100種以上作ったという。その中田さんは、今度は生産者として実際に栽培に当たっている。
病害の中で灰色カビ病が一番やっかいとのこと。これを防ぐため、枯れた花がらをつみ取っていかなくてはならない。そのためどうしても中腰にならざるをえない。栽培は、さほど難しいとは感じなかったが、「中腰姿勢が辛かった」という。
この姿勢が辛い→ |
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その甲斐あってか、今までに灰色カビ病の被害は少ないという。
中田さんは、毎日ほ場を見回る。上から下から・・・。2日に一度は花がらを摘み取らなくてはならない。
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害虫では、アブラムシが付く。農薬を散布するのは、1回ほどだが、アブラムシを見つけ次第、近くの2〜3本にも薬を掛け、被害を最小限に抑えている。
行政マンから生産者となった今は「自分が農家に生産を勧めた以上、結果というかデーターを発表したい。確かに労働の割には、所得は少ない。今後は販売の強化が課題となるだろう。行政マンとしての自分と生産者としての自分の経験と感想を残し、今までの恩返しというか、何か役に立てればと思っている」という。
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津軽藩ねぷた村
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