産地レポート Vol.10:はちみつ

【生産者の声】 鳥谷部養蜂場 鳥谷部 栄作さん(五戸町)

写真ハチ屋の「純国産完熟はちみつ」

はちみつの国内市場は、年間4万t程度。このうち、国産は6〜7%で残りは、ほとんどが中国からの輸入品。価格は、国産の5分の1から7分の1という。そんな中で、「純国産完熟はちみつ」を作り続けている人がいる。

鳥谷部栄作さん。
昭和初期から創業、純国産はちみつを作り続けてきた青森県五戸町にある鳥谷部養蜂場の3代目。鳥谷部さんは、自分を「ハチ屋」と言い、ハチ飼だと言う。ミツバチを育て、はちみつを販売している鳥谷部さんのような「ハチ屋」さんは国内では5,000人たらず。

ミツバチは、花の受粉を助け、作物を実らし、自己の種の保存を図りながら、「はちみつ」という甘い恩恵を私達にもたらしてきた。「養蜂業は、農業(畜産業)の中でもすべてを生かしつつ営まれる自然循環型産業。これほど誇れる産業はないよ」と鳥谷部さん。

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鳥谷部さんご一家
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リンゴ園に並ぶ巣箱
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家族で作業中

写真鳥谷部さんの採取するはちみつは、「完熟はちみつ」。
ミツバチは、花々を回って集めてきたミツを巣箱に蓄えるが、このときのミツは、まだ糖度が高くない。一頃問題となった輸入はちみつに糖を加え糖度を上げるのは、この採ってきたばかりの熟成されていないはちみつを採取しているから。

ミツバチは、採ってきたミツに体内の酵素を加え、ショ糖から果糖、ブドウ糖へと変化させていく。蜂同士の口移しや、何万回という羽ばたきで風を送り、水分を蒸発させ、糖度を高めていく。蒸発した水分で巣箱のフタの内側には水滴が付くそうだ。糖度が78度以上になると六角形の巣房にはちみつを貯めていき、外側を蜜ろうでフタをしていく。こうして出来たのが「完熟はちみつ」。糖度が高いため日持がするという。

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ハチの様子を見ながら
そっと 蓋を開ける
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噴霧器で巣箱に煙を通し
ハチをおとなしくさせる
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巣箱の蓋、巣板は
釘で固定してある
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1箱2万匹からのミツバチ
巣板を巣箱から取り出す
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ブラシで優しくハチを
どかしながらの作業
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蜜ろうでしっかり
フタをされた巣板は
ずっしり重い
↓弘法も筆の誤り。
刺されることもあります
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東北養蜂青年会が開発した開閉自在の「養蜂箱簡易巣門」(ハチの出入り口)
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「養蜂箱簡易巣門」は、操作が簡単でハチにも負担をかけない。養蜂業をよりよくと願う東北養蜂青年会の知恵の結晶。

「一回に採れる完熟はちみつは、10kg前後。たぶんミツバチはその倍以上のミツを採ってきているだろう。すごいもんですよ。巣箱からは“ブーン”というモーターのような音が聞こえる。その音聞くとぞくっとするね。だってそうだろう、あの小さなミツバチが人間の力じゃ出来ない創造を絶する偉大な仕事で、健康食品を与えてくれる。感謝しても感謝しきれないよ。自然の中から無から有を生み出すのはハチの力無くしてはできないもの。そのミツバチを飼っているおれはすごいことしてるんだなって。ハチ屋冥利に尽きるよ」と鳥谷部さん。

養蜂家の中でも、完熟はちみつを採る人は少ない。
蜜ろうでフタをしたミツを取り出すには、その後の作業に時間と手間が掛かる。包丁でフタを切り、遠心分離器で回してもなかなか出てこないほど濃い「完熟はちみつ」は、手間を掛けても高く売れるという訳ではないからだ。

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蜜蝋(みつろう)を
こそげ取っていく
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蜜蝋用のナイフ
蜜の粘度が高いため、
湯に浸けながら作業する
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こそげ取られた蜜蝋
様々なものに加工され
これも無駄にならない
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巣板一枚一枚、丁寧に…
時間と手間が掛かる作業
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蜜蝋を取った巣板を
遠心分離器にセット
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遠心分離器を回転させて
はちみつを取り出す
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遠心分離器の底に
溜まったはちみつ
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遠心分離器から
はちみつを取り出す
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非常に糖度・粘度が高い
「完熟はちみつ」

鳥谷部さんは、顧客に近況報告がてら時候の挨拶で製品への信頼性を伝えている。11月から3月頃までは房総半島から、4月以降は、五戸町からと、花を追っていった先々から出す。

5月のリンゴ園の下草は、他のミツが混じらないように綺麗に下草が刈ってある。「ハチ屋に受粉を頼む所は、やはりちゃんとしてるのよ」と言うが、これも、一生懸命ミツを集め「完熟はちみつ」にまで仕上げる“ミツバチ”へ感謝している「ハチ屋」の心が、周りの人たちの協力をも引き出すのだろう。

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下草の刈られたリンゴ園
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りんごの花
花びらが落ちるのは
受粉した証拠
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花がミツを吹く気温や
時間はハチが知っている
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頭に防蜂ネット、ゴム手袋、長靴が養蜂業のワーキングスタイル
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雨天時用のテント
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奥さんの洋子さん、
ご子息の学さんと三人で

写真「ミツバチは本当に良く働くよ」
嘗めさせてもらった絞り立ての「完熟はちみつ」は、香り良く温かかった。

奥さんの洋子さん、三男の学さんと三人での作業は、これからトチの花の咲く十和田へ、そして7月からは、ローヤルゼリー作りへと移っていく。

花を追い、ミツバチの恩恵を製品に仕上げていく。日々の営みは、ミツバチのそれと似て地味だ。スプーン1杯のはちみつに込めた思いが、その琥珀色の美しい色合いと共に醸成されていく。

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道の駅とわだ
「とわだぴあ」
はちみつコーナー

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とち蜜、りんご蜜、そば蜜、あかしや等の単花蜜がずらり

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単花蜜は、花の種類によって風味の違いが楽しめる

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ナチュラルコスメ
天然100%
みつろうハンドクリーム

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細工の美しい
蜜ろうキャンドル

優しい光→
香りもほんのり甘い

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鳥谷部さんに「何のはちみつが好きですか?」の問いに「やっぱりアカシアだな」との答え、しかしその後で、「今ねそのアカシアが問題になってるんだよ」と言う。

アカシアは、“繁殖力が旺盛で、日本固有種の生息域を侵す”として環境省の要注意リストに入れられ、今後伐採を勧める対象の「特定外来生物」に指定される可能性が出てきたからだ。国内生産量のほぼ半分がアカシアのはちみつだ。これが実施されれば、養蜂家にとって死活問題。鳥谷部さんたち「日本養蜂はちみつ協会」の会員達は、アカシアは蜜源植物であるばかりでなく、環境回復にも役立つ木だとして、「アカシアを守る会」を立ち上げている。署名活動をしているので、ぜひ、協力して欲しいと呼びかけている。

「日本養蜂はちみつ協会」「アカシアを守る会」 関連資料

お問い合せ先

「蜂屋のはちみつ」鳥谷部養蜂場
 電話・FAX:0178−62−2383

「蜂屋のはちみつ」鳥谷部養蜂場の蜂産品が買える直売所

道の駅とわだ「とわだぴあ」(農事組合法人道の駅とわだ産直友の会)
〒034-0051 十和田市大字伝法寺字平窪37-2
電話:0176−28−3790
http://sanchoku.towadapia.jp/


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掲載日 2007.7.1



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