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産地レポート 〜 生産者の声 〜

十和田きみがらスリッパ(十和田市)

写真

これからの季節、梅雨に入り、ジトジトとする日々が続く。
青森は、まだ良いが、関東・関西方面では、連日の梅雨空となる。
そんな時に“あったらいい”なと思うのが、今回ご紹介する十和田市の「きみがらスリッパ」。

きみがらスリッパ この透け感

「きみがら」とは「とうもろこしの皮」のこと、それで編んだスリッパのお話。
とにかく軽い。何故だか足の馴染みが良い。蒸れない。
自然素材特有の優しさがある。

このスリッパ、実は、昭和22年から作られている。今年で70年。
十和田市は、元々、国内有数の馬産地で、馬の飼料であるデントコーンも大規模に栽培していた。

昔は盛んに栽培された デントコーン デントコーン皮

大量に残るデントコーンの皮がもったいないということで誕生したのが、このスリッパ。
農家の冬場の内職の1つとして作られてきた。元は、山形県で作られていたようで、十和田市の有志が研修で学んできたらしい。
十和田市では、いまだに作られているが、山形では、もう作られていないという。
その当時の履物は、わらで作られていた草鞋が主流だったが、ちょいと裕福な家の子供は、きみがらの履物を履いていたという。

そんな昔話をしてくれたのは、十和田きみがらスリッパ生産組合の組合長さんの宮本桂子さん。16名の組合員を束ねている。

組合長の宮本さん今年で19年間 会員現在16名

組合員は、随時募集しているという。現在16名だが、販売できる人は、8名だという。
製品として販売するには、高いハードルがある。難しいのは、後ろのかかとの部分と、スリッパの甲との接続部分。ここが、綺麗にいかないと販売できないという。
すべて手編みのため「熟練のお母さんでも1日に一足仕上げるのがやっと」でなかなか生産が追い付かないのだそうだ。そのため、講習会を開き、組合員を育成している。
講習は、12月~3月までの4ヶ月間 週一で月4回 9:30~3時まで。
組合長の宮本さんも、19年間やってきて、販売できるような商品が作れるようになったのは、9年程前からだという。

ベテランでも1足編むのは1〜2日 出来の良し悪しはかかとの部分と
上部の部分と底面との立ち上がり

模様は、各人様々な模様を考案する。時には、教え合うという。
皮の中でも貴重なのは、「白」。なかなか、シミの無い真っ白な皮は無いのだそうだ。

材料のデントコーンの栽培も農家から土地を借り、組合員で栽培している。
栽培の細かなことは、土地を貸している農家さんがやってくれる。今では、地元の青森 県立三本木農業高校の生徒も、デントコーンの栽培に協力してくれている。昔はコーンが主で皮が捨てられていたが、今は、皮が大事でコーンは動物のエサ。有効活用がないか、高校生が検討中だという。

地元の農業高校も栽培に協力 丈は2m以上にもなるという
茎も太い 収獲風景

「大変なのは、台風が来たとき。2m以上もあるデントコーンが倒され、それを引き上げるのは大変。重くて一人じゃ出来ない。早く起こさないと、タヌキやカモシカやクマがやってきて食べてしまうの」と宮本さん。
そして、収穫の11月を迎えても、まだ、頭を悩ますことが続く。
収獲してから、1~2週間ほど乾燥しなくてはならない。
直ぐに干せればいいのだが、人手不足で、直ぐには干せない。
組合員が、代わる代わる来て干すため、1月ほどかかってしまうという。

1. 作業台に縄を掛けていく 2. 足代を載せつま先の見当をつける
3. この辺がつま先 4. つま先の底を編んでいく
5. つま先はこのように 6. 足型の大きさ順に
7. 足型を載せ、その上から編んでいく 8. 真ん中に高さを付ける

干し終わった12月から講習と編み始めが始まり、3月には終わる。
編み上げるには専用の台が必要。ちなみに宮本さんの台は、ご主人の手作りだそうな。
結構な力がいる。網目を揃えながら、模様を整えていく。

釘はミニサイズ用だそうな デザイン色々 大きさ色々

霧吹きで、皮を湿らせてから編み上げるため、完成してからも3日ほど干す。
サイズはS/M/L/LL の4種。
サイズごとに価格が異なり、Mサイズ3,200円から。
原料栽培から、着色、編み上げとすべて手作業のこのスリッパ。
価格が高いという人もいるが、高いですか?
このスリッパで、いろいろなお話が出来ますよ!

【販売しているお店 】
・道の駅とわだ
・十和田市観光物産センター
・蔦温泉
・青森県地場セレクト(アスパム内)
・カネイリミュージアムショップ(はっち内)

※毎年、夏ごろまでには売り切れるそうです。その際は予約をお願いします。

【お問合わせ】
十和田きみがらスリッパ生産組合(事務局:十和田市とわだ産品販売戦略課)
0176-51-6743




掲載日 2017.6.1


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