トップページ > 知る > 【連載】産地レポート > 2016年12月号:からすみ(鰺ヶ沢町)

産地レポート 〜 生産者の声 〜

からすみ(鰺ヶ沢町)

写真

一般に、日本の三大珍味と言えばウニ(塩うに)、カラスミ(ボラの卵巣の塩漬け)、このわた(なまこの腸の塩辛)のこと。
カラスミは、ボラの卵巣を塩漬けにし 塩抜き後 天日干し で乾燥させたもので、長崎産が有名である。
 


滝渕 大輔さん

このカラスミを青森県の魚であるヒラメの卵で作った人がいる。 鰺ヶ沢の(株)竹太商店の後継者 滝渕 大輔さん。ヒラメの卵は、それまであまり有効利用がされてこなかった。せいぜい煮つけにして食べるくらい。春先の5月~6月には、産卵を控え丸々と太った大型ヒラメが浜に大量に並ぶ。ヒラメの卵は、上部が厚く大きく、下部にいくにつれ薄く小さくなる大和イモ型。
形が悪く、カラスミのイメージからは程遠かった。


50cmほどもあるヒラメの身

ヒラメのカラスミ開発には、周囲の誰も賛成しなかった。
が、大輔さんは諦めなかった。卵の有効利用というだけでなく、昔と違い浜の町だった鰺ヶ沢も不漁に苦しんでいた。起死回生の一手と思っていた。

カラスミ開発には、指導者がいない。大輔さん一人で取り組んだ。
ヒラメ本体からの、卵の取り出しが大変だった。上手に取り出さないと破れ、使い物にならない。加工場の女性たちの知恵で、破れても漏れない方法を編み出した。

塩漬け 卵はカラスミにすると
元の6割ほどになる
取り出された卵も
また20cmほど

取り出し、水洗(すいせん)後、天日干し。2~3週間程度で製品となる。薄い飴(あめ)色をしたものが良品。
天日干しの場所は、自社ビルの屋上。海からの風が乾かしてくれる。

初めは、塩辛く、生臭く、エグミが強く、散々だったという。
その後、知り合いの料理人のアドバイスを受け、塩をミネラル成分の多い塩に替え、天日干しの環境を整え2年が過ぎた。
使った卵は、200個を超えたという。

干場は屋上 左手は山
右手は鰺ヶ沢港 特製の網戸の蓋を掛けている
天日干し 天日干しを繰り返す事で
表面が飴色になります
状態を見る

乾燥の見極めは真ん中が乾燥
しているかどうか

白い粉はアミノ酸


初めに開発しようとした時から8年がたった。今では、買いたいという人も出てきた。

地元の料理人の評価は、「卵の濃度が高くねっとりしている。」「青森の新しい食材として使っていきたい」など、好意的な評価が得られた。
青森市内アップルパレス内和食処「京彩」の料理長 尾崎総料理長に試食してもらった。
「色は良いと思う。通常のカラスミ比べ少し厚さが薄い。」とまずは、外見上の感想。
次に試食してみた。初めはそのままスライスして。

アップルパレス 京彩 尾崎総料理長 弾力はいいね
薄皮をむいて    
炙ってみる 軽く炙って

「塩加減は丁度良いと思う。ただ、もう少し乾燥したほうがいいかも」ということで、 少し炙る。
今度は、大根と一緒に食べてみる。少し炙っただけで、塩分が強く感じられる。
「塩分の調整は、難しいだろうな」と尾崎料理長。

ヒラメのカラスミは、ボラのカラスミに比べ、脂質が約半分なため、カロリーが低い。
しかし、塩分(ナトリュウム)が3.2倍ほどもある。
尾崎料理長の試食の結果を伝えたら、大輔さんは「そうなんですよね。塩分の調整はこれからまた取り組みたいと思います。」ということだった。
   
ヒラメは、青森県の魚である。
ヒラメで作ったカラスミ、新しい魚卵の提案に乾杯。


【問合わせ先】
(株)竹太商店
〒038-2753 青森県西津軽郡鰺ヶ沢町本町201
電話    0173-72-3101  fax  0173-72-3302
mail  taketall@aioros.ocn.ne.jp








掲載日 2016.12.1


バナーこのサイトはリンクフリーです
お問い合わせ先:青森県農林水産部総合販売戦略課
〒030-8570青森市長島1丁目1番1号  E-mail hanbai@pref.aomori.lg.jp
TEL:017-722-1111(代表:内線3108)/ 017-734-9571(直通)
Copyright 2005-2015 青森県農林水産部総合販売戦略課 All Rights Reserved.