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産地レポート 〜 生産者の声 〜

幻のすし用米、黒石の「ムツニシキ」復活の動き(黒石市)

写真

昔、黒石に寿司用米「ムツニシキ」というお米があった。
昭和46年~平成10年まで、青森県の奨励品種だった。
寿司用米として、主に北海道のすし店で使われていた。黒石の「ムツニシキ」と言えば、結構有名だったと、当時の事を知る人は言う。ただ、このお米は、倒伏しやすく、現在のつがるロマンに比べ、収量も1割ほど少ない、そのため、徐々に作付けされなくなっていった。
米の消費が減るなか、時代は、用途別に個性的なコメを求めるようになった。
この寿司用米「ムツニシキ」は、“寿司に向く”という付加価値をもったお米として、復活した。
黒石市は、平成27年度(2015年)から「ムツニシキ」の栽培技術や販路拡大に向け、青森県産業技術センター農林総合研究所から苗の供給を受け、地元の若手農家グループ「南黒お米クラブ」に栽培を委託した。
2015年産は、4アールで90kgを収穫。

 

南黒お米クラブ 収獲
棒掛けで自然乾燥
したものを外し
コンバイン脱穀 脱穀

11月、市内のすし店で試食会が行われ、「ムツニシキ」「あきたこまち」両方でにぎったすしを試食した。
すしに向くお米は、あまり粘り気が無いほうが良いそうで、粘り、味とも評価は上々だった。

試食会 地元温泉「花禅の庄」
の女将さん
試食会


栽培も2年目に入った今年、平成28年5月30日、約3アールの水田で田植えが行われた。黒石市長を初め、議会議員、黒石商業高校の学生さん達も参加し、南黒お米クラブの指導の下、田植えが行われた。

これをころがし このように田に筋を描き
市長(中央)と生徒たち 筋目に苗を植えていく
最後はトラクターで田植え やはりトラクターは早く真っ直ぐです。


施肥は、つがるロマンと同等にと指導を受け、水の管理方法などを改善して作付面積を約10アールまで拡大。約8、9俵の収穫を目指した。
県内外でのイベントやすし店、レストランなどでPRを考えている。

同じように、昔の寿司用米を復活させた県がある。
宮城県のJA加美よつばが幻の米として寿司用米「ササシグレ」を復活させ、県の奨励品種に登録した。寿司用米「ササシグレ」は、「ササニシキ」の父である。
昭和40年代ごろまで栽培されていたが、その後徐々に後継の「ササニシキ」や「ひとめぼれ」に移っていき、途絶えた。
今回、復活の裏には、本県の無農薬リンゴ栽培の旗手、木村秋則氏が深く係っている。JA加美よつばには、有機栽培米部会があり、その勉強会に呼ばれた木村秋則氏の助言のもと、有機栽培に向くのは昔のお米(化学肥料等があまり使われていなかった時代のお米ということらしい)ではないかということになり、「ササシグレ」の栽培が始まったという。

宮城県の農業試験場から種を供給してもらい、自然栽培で栽培し、出荷先である東京のすし店「(株)玉寿司」の要望でもあった有機JASの認証もとった。自然栽培は、「(株)玉寿司」の要望であり、それが“うり“という。

先月9月12日の会議では、黒石米「ムツニシキ」の販売について話し合われた。今後、県内のすし店に売り込みを図っていく予定であり、青森県のすし組合では、回転寿司やスーパー等のパック寿司との差別化を図りたいということが出された。

黒石市農林課は、「勿論、この黒石米の取り組みが結実したときは、相手方の要望等に出来るだけお答えすることが重要になると思います。
ムツニシキをもう一度県奨励品種にすることは出来ないので、独自に商標登録を検討しております。」と話している。

各地で米をめぐる取り組みが試行錯誤されている。
料理や用途に合わせた米は、益々盛んになっていくだろう。


[お問合わせ先]

●黒石市農林部農林課りんご農産係 
〒36-0396  
青森県黒石市大字市ノ町11番地1号
TEL:0172-52-2111(内線418) 
FAX:0172-52-6191



掲載日 2016.10.1


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