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産地レポート 〜 生産者の声 〜

白神山地の水・・・(有)白神山美水館(鰺ヶ沢町)

写真

今年6月、コーヒーの抽出技術を競う世界大会「ワールドブリュワーズカップ」がアイルランドで開かれ、茨城県つくば市のコーヒー店が、アジア人初の優勝を果たした。
その際、コーヒーの抽出に使われたのが、世界自然遺産白神山地の麓、鰺ヶ沢町にある(有)白神山美水館の「白神山地の水」 。

  会社前にボトル

硬度0.2mg/lという日本でも珍しいほどの超軟水であり、pH6.6の弱酸性。髪の毛や皮膚のペーハーバランスに近い数値なのだそうだ。
加熱処理は一切しておらず、湧き出たきれいな水を、3段階のミクロフィルターに通すだけ。余分なミネラルが含まれていないため、非常にまろやかで柔らかい。
優勝したつくば市のコーヒー店の店主は、「綺麗な味わいのコーヒーを作る最適な水だった。」と言う 。

なぜ、「白神山地の水」が使われたのか?
美水館の太田正史(まさふみ)営業部長は、「お店のお客さんが白神の水もあるよということで、ネットで調べたらしい。優勝されてこちらとしてもとても嬉しい。」と使われた経緯を教えてくれた。

日本の水は、ほとんどが軟水(一部沖縄が硬水)であり、アメリカ・西欧諸国は、硬水。 カルシウムとマグネシウムの合計量を数値化したものを「硬度」と呼び、この数値が高いものを硬水、低いものを軟水と呼ぶ。
つまり、カルシウムとマグネシウムがたくさん入っている水が硬水、少ない水が軟水ということ。この日本の中でも、「白神山地の水」は超軟水だという。その上弱酸性、そして非加熱。 超軟水・非加熱・弱酸性、この3ポイントが白神の水の大きな特徴と言う。

山から運んできた源流水は、トラックから工場のタンクに移される。
源流水はタンクに貯められ 、
ろ過後別のタンクに移される。
 
ラベル添付 出荷 10tトラックで運ぶ

 

(有)白神山美水館は平成7年創業。太田部長の祖父重一(しげいち)さんが起業した。
まだ、水を買って飲むという時代ではなかったので、家族は反対したという。元々は、山持ちで林業を生業としていた。たまたま平成5年12月白神山地が世界自然遺産に登録され、白神山地に注目が集まってきたのを機に、「白神の水」として売り出した。
採水地は、国有林内にあるため許可を得て採水している。林業を生業としていたおかげで、山の状態に詳しく、林野庁もまったく山の事を知らない人とは違い許可を出すうえで安心だったのではないかと思う。採水量は、自然に湧き出る水の10%未満だという。

採水地を見回りに行く 環境 環境
採水地 採水地 採水地

適量を採水する。湧水の水は電気を使わず、山の傾斜を利用してタンクに流す。毎日トラックで運び、工場に搬入する。祖父重一さんがこだわったのが、「非加熱」だった。

源泉水を山から搬入 山からの落差を利用して引いてきている


売り出した当時、他のメーカーのミネラルウォーターの大半は、加熱処理されていた。本当に美味しい山の水の味を知っていた祖父は、加熱した水の味には否定的だった。「山の水の方が全然美味しい」と言っていたと太田部長。

小さいころは祖父と山菜取りに
行ったという
採水地

祖父が創業し、営業の実行部隊として父の正光(まさみつ)さんと親戚が販売に当った。
林業からの転身で、水の営業は難しいのではと思ったが、「世界自然遺産白神山地の水ということで、販売店では、面白がって取り扱ってくれた」と言う。
現在、社長はお父さんの正光さんが継ぎ、営業部長として正史さんが実行部隊を率いる。

話しを聞いているうちに、太田さん一家には、幸運の女神が着いているのではないかと思わされる。というのも祖父の重一さんは、知り合いの家に行っていたときに、胸騒ぎを感じ、家に帰ってきた直後、その集落は地滑りで全滅したという。父の正光さん達の販売活動も「白神山地」ということで多くの助力が得られた。


2013ミカフェート

太田さんの代になってからは、「世界料理学会in HAKODATE」(2013年)でも「ミカフェート」のコーヒーを抽出するのに使われて話題になり、また、今回、世界的なコーヒーの抽出技術大会で使われ「白神山地の水」が注目を集めた。
幸運の女神が微笑んでいるようだ。

しかし、現在、大手を中心にミネラルウォーターの価格が下がってきているという。
国内に流通しているミネラルウォーターの種類は、約1000種類。
他が下がった分、相対的に「白神山地の水」の価格が上がる結果となっている。
先細りを懸念し、今後は販売方法の多角化も考えていかなくてはならない。

今後は、輸出にも本腰を入れなくてはという。今の所、商社を通じアメリカやクウェートに輸出している。今後、需要があれば拡大していきたいという。
国内の販路は、県内・仙台市内・関東・関西方面の一部。
非加熱・超軟水・弱酸性という水の特徴を丹念にアピールしていくしかないという。

 


白神山地のロケーションをイメージし、一般家庭向のライフスタイルを提案していきたい言う。焙煎したてのコーヒー豆と「白神山地の水」をセットしたギフトボックスを開発した。炒りたての豆にこだわった。コーヒーを選ぶように、水も選ぶ。
今、水は、嗜好品になった。



[お問合わせ先]

●(有)白神山美水館 
〒038-2731 
青森県西津軽郡鰺ヶ沢町大字赤石町字大和田39-42
TEL:0173-72-7761  
FAX:0173-72-7762
http://www.47club.jp/03M-000021sir



掲載日 2016.9.1


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