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産地レポート 〜 生産者の声 〜

夏秋イチゴ・・・村田 睦夫 さん(東通村)

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 今の時期でもいちごが食べられる!イチゴ好きには嬉しい限りだと思う。

 青森県下北半島東通村。 夏季冷涼な気候を利用し、夏秋イチゴが栽培されている。栽培されている品種は、「ペチカプライム」と「すずあかね」 イチゴは、花芽ができる条件によって、「一季成性品種」(とちおとめ、とよおか等)と「四季成性品種」の2タイプがある。"四季成り性品種"は夏でも連続的に花ができ、これまで収穫できなかった時期にも収穫できる。
 "四季成り性品種"はその採れる時期(6月~11月)ということから「夏秋(かしゅう)イチゴ」と呼ばれる。
 夏秋イチゴの栽培面積の割合は全国のイチゴ栽培面積の1%程度。高温では生産が不安定になるため、夏季冷涼な寒冷地が適地で、東北・北海道で栽培面積の約70%を占めている。

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四季成りイチゴ

 村田睦夫さん、100坪ハウス×18棟で夏秋イチゴを栽培している。
 就農したのは、平成13年。就農当初から、夏秋イチゴを栽培し始めので、今年で13年になる。
 この地域の先駆者である村田さんは、平成18年に農協に「いちご部会」を設立、部会長に就任し、今では、若手の良き相談相手となっている。 24年からは、果実が固く、日持ちの良い「すずあかね」の栽培を始めた。

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1800坪のイチゴ畑

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村田さん

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ケーキ屋さんへ出荷

 夏に収穫するものは、昨年の10月上旬と3月に定植し、5月上旬から8月下旬まで収穫し、それ以後は、花が咲いて実ができるまでのひと月の間お休みし、9月下旬から11月下旬にかけて、また、収穫する。
 出荷先は、弘前の青果会社を通し、首都圏の主にケーキ屋さんに行く。


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冷蔵庫で予冷

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形の不揃いなものは地元のスーパーに

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今年は今の時期600kgを出荷

 村田さんのすずあかねは、甘みもあり、香りもあるが、前に他所で食べた同じ夏秋イチゴのなつあかねの方が甘かったと言ったら、「いつ食べた?イチゴは採れる時期によって甘さが違うんだよ。すずあかねも、6月下旬頃のものは、今より甘い。ただ、これからの9月下旬から11月にかけては、ゆっくり生長するため、甘さがのってくるんだよ。」と教えられた。

 毎朝、イチゴの葉っぱを見て歩く。 葉っぱが乾いていると、水分不足だそうで、ハウス内に敷かれたパイプから水を供給する。
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葉っぱに水滴が付いて
いるかどうかを確認

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葉っぱの色でイチゴの健康を確認
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潅水装置が張り巡らせたハウス

 工業高校出身の村田さんは、ハウス内の施設電気関係や循環設備等の設置は自分でやる。
 ソーラーパネルを設置し、ハウス内のセンサーで、温度調節の風通しをよくするための装置も自分で設置した。 温度が高くなると、自動的にパイプがビニールを巻き上げる。 前は、この作業をハウスを一つずつ回って、一日中かかったという。
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自慢の自動開閉装置
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センサー
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温度調節器

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センサーからの指令で
ポールが上下に巻き上げ移動

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ソーラーパネル

  "下北夏秋いちご相談員"として、部会員だけでなく、新規作付農家の良き"アドバイザー"となっている村田さん。研修生の受け入れも積極的に行っている。
 そして研修生達もイチゴ栽培に積極的。なぜ、研修生にイチゴが人気なのか?
 「それは初期投資が少なくて済むからだよ。作物によっても違うが、農業を始めるときには、機械やハウス等生産資材への多額の投資が必要になる。その点、イチゴは初期投資が少なくて済む。」
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ここにも研修生

 村田さんのイチゴハウスは、冬用には出来ていない。冬はビニールを外し、イチゴの苗は雪の下で越冬する。かえってこれがいい結果を生むという。 そのため、降雪用の太いパイプを使わない分、半分ほどに経費が抑えられるという。

 青森県農業経営士でもある村田さん。次代を担う若者たちへ、自身の経験とノウハウをしっかり伝えている。

 後継者となる決心を固めた息子さんの義樹さんは、現在、地元のトマト生産農家の蝦名さんの所で研修中。将来は、トマトとキュウリを独自にやりたいと思っている。そんな義樹さんにお父さんのことを伺った。
 「後継者というか農業をやっていこうと思ったのは、長い目で見て、農業には将来性があると思ったから。父のやっていることは、地元の若者の定住促進に貢献しているし、そんな父は、目標であり、尊敬してもいます。」
 お父さんには、こんなこと一度も言ったことはないという。 さてさて、これを読む父は、どんな顔をするのか。
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村田 義樹 さん
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 自信を持って背中を見せられる父と、そんな父の背中を見て育った息子は、どんな農業を完成させていくのだろう。


掲載日 2014.9.1


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