トップページ > 知る > 【連載】産地レポート > 2014年4月号:紅玉を母とし、父はXという美しいりんご姫 その名も「紅の夢」(くれないのゆめ)・・・「紅の夢」普及推進委員会(藤崎町)

産地レポート 〜 生産者の声 〜

紅玉を母とし、父はXという美しいりんご姫 その名も「紅の夢」(くれないのゆめ)・・・「紅の夢」普及推進委員会(藤崎町)

写真

 皮も果肉も赤い、酸味と甘みのバランスの良い生食も出来るりんご。一言で言えば、「紅の夢」はそんなりんごだ。
 このりんご偶然に誕生したという。弘前大学農学生命科学部附属藤崎農場で行われたリンゴの育種プロジェクトで誕生し、2010年に品種登録された。育成者は、塩崎雄之輔弘前大学名誉教授。

写真
紅の夢(くれいないのゆめ)

写真
塩崎雄之輔 弘前大学名誉教授

 「紅の夢」は、偶然1: 紅玉に予想外の花粉が付いたこと。偶然2: 赤くなる品種が日本にやってきこと、この2点で生まれた。父は、附属藤崎農場内にいるが、身元、名前が明らかでない。詳しくは[弘前大学育成新品種りんご「紅の夢」公式ホームページ

写真
弘前大学農学生命科学部附属藤崎農場

写真
藤崎農場は雪の中

 神様は、時々熱心な研究者に「偶然」と言う理論を越えた発見をもたらすという。 「紅の夢」のお味はというと、やや酸味があるが、渋味がない。酸味が勝っている分、あっさりとした味で若い女性に受けそうな味だ。試食した人たちからは好評を得ている。従来の甘いリンゴに飽きた人達にとっては、待っていた生食用りんごかもしれない。

写真
皮も果肉も赤い

写真
果肉もアントシアニンがいっぱい

 「紅の夢」の大きな魅力は、天然の赤色色素であるポリフェノールの一種で抗酸化作用のある「アントシアニン」が果肉にもあるため、皮をむいて食べても「アントシアニン」を摂取することが出来ること。
 収穫期は10月中・下旬だが、収穫時期が変わると味が違うという。早取りでは加工品向きの酸味の強いりんごに、 収穫時期を遅らせると蜜入りの生食に適した美味しいりんごになるという。用途によって収穫時期が選べる。
 栽培においても、有袋(収穫まじかまで、袋を掛けて栽培したりんご)の紅の夢は、果皮は赤くならなくとも、果肉は赤い。つまり、皮と果肉の色素成形は別々ということになる。

写真
収穫作業
写真
左有袋右無袋の紅の夢

写真
藤崎農場

 このリンゴを普及すべく平成25年3月に弘前大学と地域企業、行政、各種団体などと連携して紅の夢普及推進委員会を立ち上げた。

写真
紅の夢勉強会

写真
小笠原さんと唐牛さん
写真
紅の夢は魅惑的なりんご

写真
紅の夢の冬姿
写真
これは良いリンゴが生る枝だ
写真
もう今年の芽が
写真
リンゴは褒めてほめて育てる
写真
今年の出荷に力が入る

写真
下に下がるように仕向ける

 http://nature.cc.hirosaki-u.ac.jp/kurenainoyume/
 今のところ、藤崎町と平川市が積極的に栽培に乗り出している。


写真
千秋に接ぎ木

 前から皮も実も赤いりんごを作りたかったという小笠原さん。紅の夢を平成20年に初めて栽培した時は、苗木がまだ作られておらず、千秋の樹に接ぎ木して栽培してきた。
 現在「紅の夢」の苗木は、株式会社原田種苗で取扱われ、一本2100円の苗木さえ購入すれば,青森県に限らず全国の誰もが栽培できる。

 30年リンゴ栽培をしてきた小笠原さんにとっては、生食用りんごで、加工にも汎用性がある紅の夢は、「魅惑のりんご」という。「作物は、果樹でも米でも畑作物でも褒めて育てること。立派な実を付けてくれたなぁ、有難うなっと言って育てると、作物もそれに答えてくれる。」「魅惑のりんご」であればなおさらだろう。
 りんごの直販もしている小笠原さんは、お届けするリンゴの中に1個、紅の夢を入れて出荷している。反応は上々という。

写真

 林檎移出業の唐牛さんにしても、需要に対して収穫がまだまだ追いついていない状況を脱するためにも、今年の収穫には期待を寄せている。昨年、平成25年の藤崎町の収量は、8.5t。 1kg500円で3kg・5kg・20kg詰めで販売された。 主に関西方面だったという。

写真
唐牛さん
写真
出荷作業
写真
糖度・蜜入り・褐変等検査

写真
紅の夢チップス

 このリンゴを使って、様々な加工品も作られている。 「果汁100%ストレートジュース「紅の夢」のジュースは、綺麗なピンク色。弘前の桜にも似たその上品なピンクは、見ているだけで春を感じる。味は、「さわやか!」ジュースと言うより「リンゴwarter」。酸味がやや強く甘さはうるさくない。このジュースで焼酎を割るときれいな淡いピンク色の美味しいお酒となり、ビールを割ると苦味と酸味が調和するビアカクテルとなる。
 チップスは、着色しなくても、紅。 ケーキのトッピングにもその紅が鮮やかに出る。果肉の色をそのまま生かすにはこれが一番。カットしても酸化して茶色くなりにくいという。

写真
紅の夢ジュース
写真
リンゴムース
写真
リンゴのタルト

 松本助教は、今後の夢について、後継者不足が言われている中、加工品開発を目的に若い女性たちも栽培してくれれば、楽しみながらの農業が実現できると将来に希望を持っている。「生産者と共に歩む」が信条。
 リンゴは、長い間、その味と保存で競ってきた一面がある。しかし、「紅の夢」の登場で、用途のバラエティ度という新しいジャンルも 提案したのではないか。

写真
紅の夢はバラ色の夢を育む:松本助教

写真
大学製作紅白のジャム
写真
紅の夢のお茶

写真
フリーズドライの紅の夢

 現在、健康に対する機能性の研究も進められており、さらに、通年の出荷を目指して、後続の赤い果肉のリンゴ2種も品種登録に向けて研究開発中だ。成熟期が異なる「弘前大学赤系3品種」がリレー形式で一年中、全国の市場に出回る。

写真
紅の夢の後出荷11月ごろから
写真
紅の夢を挟んで後継種が続く
写真
左から早く出荷

[紅の夢チップス・紅の夢ジュース のお問い合わせ先]

(有)藤崎冷蔵商会
青森県南津軽郡藤崎町大字藤崎字村井20−1
TEL:0172-75-2373


掲載日 2014.4.1


バナーこのサイトはリンクフリーです
お問い合わせ先:青森県農林水産部総合販売戦略課
〒030-8570青森市長島1丁目1番1号  E-mail hanbai@pref.aomori.lg.jp
TEL:017-722-1111(代表:内線3108)/ 017-734-9571(直通)
Copyright 2005-2015 青森県農林水産部総合販売戦略課 All Rights Reserved.