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産地レポート 〜 生産者の声 〜

放牧で育つ牛・・・あおもり短角牛

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 青森市の郊外、八甲田山麓では牛の放牧が行われている。夏の暑さにもかかわらず高原では、涼しい風が吹きわたる。

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黒毛和牛と短角牛

 放牧されているのは、黒毛和牛と赤茶色をした角の短い牛「あおもり短角牛」。短角牛は、明治のはじめ輸入されたショートホーンと南部牛を交配した特産牛。短角牛は、国産牛肉の流通の1%にも満たない。地元青森では、今のように脂ののった黒毛和牛が普及する以前に食べられていた。 肉質は、赤身でヘルシー。さしの入った黒毛和牛よりは、若干固く歯ごたえがあり、「肉を食べるという実感」が味わえる牛肉。

  「あおもり短角牛」は、地域ごとの名称で販売されている。八甲田牛(青森市)、十和田牛(十和田市)、七戸短角牛(上北郡七戸町)、青い森の元気牛等。

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短角牛のタリアータ

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八甲田牛しぐれ煮弁当(駅弁)

 今、短角牛の飼料が変わろうとしている。
 青森市の畜産振興センターでは、平成23年から飼料用米やリンゴジュースの搾りかすの他、不足するたんぱく質補充に大豆粕を、将来的には豆腐粕も与えていきたいという。 牛の糞尿を堆肥化し、出来た農作物を飼料として牛に与える資源循環型農業。 飼料用米を与えることにより、米余りによる作付けが減少している農地の荒廃を防ぎ、かつ、副次的に肉質内のオレイン酸(善玉コレステロールの増加が図られると言われている)の増加を期待している。現在はまだ破砕玄米30%の混入率だが、今後100%近くまで引き上げていきたいという。

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お食事メニューです

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飼料米に稲わら 写真
飼料用米(玄米粉砕)

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春は出産ラッシュ

 短角牛はどのように育てられるのか。
 あおもり短角牛を育てるサイクルは、2シーズン放牧。 春先に生まれた子牛は、母牛の母乳で8ケ月間育てられる。これが短角牛の基本。

 1年目、子牛は、6月頃から11月頃まで母牛と一緒に放牧される。 子牛は、母乳と草で大きくなる。 11月以降は、牛舎で、先の資源循環型飼料や干し草、配合飼料を食べ大きくなる。 冬に牛舎で出産。という一年のサイクルで無理なく育てられる。 (妊娠期間は約285日。2月中旬~3月頃に出産が集中。短角牛は、春の出産が一般的だが、畜産振興センターでは、周年出荷を目指し、秋に種付し、夏にも出産、夏生まれの子牛も誕生させている。)

 2年目、今度は母牛とは別に放牧される。 放牧の間、牛は、草を食み、運動して引き締まったスレンダーボディーとなる。

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放牧する前に検査
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血液検査です
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わ〜い!原っぱだぁ〜
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青森市畜産振興センター長 松浦さん

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短角牛は放牧に適した牛

 2年目の放牧の終わった短角牛には、牛舎で太ってもらい、27ケ月ほどで枝肉として出荷される。

 青森市畜産振興センターの所長で獣医師の松浦さん曰く「放牧すると、牛舎で配合飼料を食べて育った半分の体重しか増加しない。大抵は1日1kgほど増えるが、放牧すると1日500gぐらいしか増えない」という。 それだけ、運動して筋肉を付けているのだ。だから、さしも入らなければ、肉質が筋肉質で歯ごたえがある。

 短角牛は、「高級牛肉」と言われ、高いと言われる。実は、国産の黒毛和牛よりは安く、国産牛よりは若干高いのだそうで、決して高いというわけではないと流通関係者は言う。

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あおもり短角牛の モモ ブロック
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あおもり短角牛の バラ スライス

 では、なぜ高いと言われるのか。
 ふつう牛肉は、枝肉(骨がついたままの肉)の状態で格付けされる。枝肉の量や歩留まり、肉の色やきめ、脂肪(しぼう)の入り具合などによって等級が決められている。
 短角牛は、他の牛より、骨が太いため歩留まりが悪い。 その上、短角牛は、肉質内には「サシ」と言われる脂肪は少ないが、肉の外側の脂身が多く、そぎ落とすため、なお歩留まりが悪い。(歩留まり・・不要部分を除いて出荷できる割合) 和牛75%とすると短角牛は68~70%。単純に牛一頭200kgとすると、和牛が150kg、短角牛が136~140kgと14kg~10kg少ないことになる。ただ、一般消費者が購入する分では、10%~20%高となる。

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 それと、頭数が少ないため、今のところ一頭買いでの出荷となっているため、必要な部位だけ買いたいというわけにはいかない不便さもある。
 1枚のサーロインステーキのための一頭買いでは高い値段となってしまう。

 短角牛は、今日もゆっくりと草を食んでいる。 牛は、本来は草食動物なのだから。

参考リンク:八甲田牛の定義


[あおもり短角牛に関するお問い合わせ先]

一般社団法人 青森県畜産協会
〒030-0822 青森市中央2-1-15
TEL:017-718-3809
http://aomori.lin.gr.jp/


掲載日 2013.8.1


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