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産地レポート 〜 生産者の声 〜

青森の伝統野菜 筒井紅かぶ…川井 幸 さん(青森市)

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 青森市筒井に、延々と伝えられてきた紅かぶがある。今では、たった一軒の農家だけが作付けし、種を守っている。
 「筒井紅かぶ」 ジーンバンクに登録されている。
 今では、ただ一人の栽培者となった川井さんは、かぶの発祥地「筒井」に今でも住んでいる。

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筒井紅かぶ
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川井 幸 さん
 かぶは日本全国各地に、約80もの品種があり、そのなかには地域独特の在来品種も数多くある。
 青森には、久栗坂(青森市)に古くから伝わる笊石かぶ、そして今回ご紹介する筒井紅かぶがある。

 7月上旬、川井さんは、種を自家採取する。かぶは、白菜などと同じアブラナ科の植物。花も菜の花と似ている。

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筒井紅かぶの花
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筒井紅かぶ種

  アブラナ科の代表的な連作障害が根こぶ病。それを防ぐために、川井さんは毎年、植える場所を替えるという。種取りした筒井紅かぶは、8月20日過ぎに植え付けされ、11月中旬、収穫される。

 田茂木野にある畑には、昔からの「筒井紅かぶ」、一般の種苗屋さんから購入した交配種の「つがるかぶ」、その「つがるかぶ」から、川井さんが種を採取し、作付けしたかぶが植えられている。

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 それぞれ、見た目にぱっと分かる。 筒井紅かぶは、茎も葉も濃い紅色で葉はコンパクト。つがるかぶは、葉も茎も緑で大きめの葉である。川井さんが自家採取したつがるかぶは、紅と緑半々と、それぞれ特徴がある。

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葉も紅い筒井紅かぶ(手前)
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左:筒井紅かぶ右:つがるかぶ
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奥:つがるかぶ 手前:筒井紅かぶ
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右:紡錘形の筒井紅かぶ
左:やや平たいつがるかぶ

 筒井紅かぶは、青森で売られている他の一般的なかぶよりも少々小さい。かぶ1個の大きさは大体、400g程度。青森での一般的なかぶが、800g程度なのに比べ小さい。

 割ってみると筒井紅かぶは、中まで紅い。漬物に漬けると、その赤が一層際だつ。

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中まで紅い
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千枚漬け

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筒井紅かぶ丸漬け

 かぶの千枚漬けは、先に1週間ほど塩漬けし、出てきた水分を捨てザラメ砂糖と5倍酢を入れる。5倍酢を入れたとたん、みるまに見事な紅色に変わる。よく、都会の人は、着色料を入れているのではないかと疑うが、赤かぶの漬物には、着料など入っていない。紅かぶの色なのだ。 因みに、川井さんは丸漬けにし、りんご酢を使うという。それでも綺麗に発色するのだそうだ。

  筒井紅かぶの特徴は、綺麗な鮮明な紅とやや味質が固いこと。 川井さんは、漬物の持ちが良いという。春先まで、悪くならずに美味しく食べられという。

 川井さんがこの在来種の筒井紅かぶを守ってきたのは、無くしたくないという想いだけ。義父は、何度となく農産物のコンテストに優勝し、ご主人もまた、農産物の品質に拘るという。

 筒井紅かぶ・・・何でも甘く軟らかなものが良いという現代の農産物に対して、粗忽さと無骨さを持つその力強さが魅力だ。


掲載日 2012.1.1


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