トップページ > 知る > 【連載】産地レポート > 2011年5月号:青森ホタテは今…野辺地漁協(野辺地町)

産地レポート 〜 生産者の声 〜

青森ホタテは今…野辺地漁協(野辺地町)

写真

 青森県は、ホタテ生産量全国第2位。 21年度は82000t。
 それが、昨年の猛暑に見舞われ、青森県むつ湾内のホタテ養殖は、大打撃を受けた。地域により多少のばらつきはあるが、今後成長の見込まれる稚貝のほぼ7割が死んだ。ホタテは、水温の低い海(-2℃~22℃)で生息するため、それ以上高くなるとへい死する。昨年は、2℃~4℃ほど高くなった。

 今年、ホタテはどうなっているのか、野辺地漁協を訪ねた。
 4月上旬、幸徳丸の浜小屋では生き残った稚貝の耳刷り作業が行われていた。「昨年の大量へい死の状況を見たときは、目の前が真っ暗になった」と言うが、成長した半成貝の耳吊り作業をしているお母さん方の顔は、明るい。 たとえ量は少なくとも、作業が行えるのは嬉しいらしい。

写真
耳吊り作業風景

写真
機械で穴を開ける

写真
このような状態で機械に入っていく

写真
右端の穴分かりますか

 ホタテ貝は、春に受精、卵が海藻などに付着し、夏がくると5ミリ程に成長したホタテの稚貝となる。採苗器という細かいネットなどに卵を付着させ、稚貝採取後は、養殖カゴ(パールネット)に入れ環境条件を整え、成長させるのが養殖ホタテ。養殖カゴ(パールネット)にいれた稚貝は、冬を越すと3cmほどになっている。
 10月頃には、混み合わないようにパールネットに決められた数(大体10枚程度)を分散して入れ直す作業がある。これが、新貝。1年半たった貝だ。 昨年は、この新貝の8割近くも死んだ。

 今、耳吊りしている貝(2010年生まれの半成貝)は、昨年の猛暑の中でもわずかに生き残った貝。平年量の2割ほどの量だという。一冬海に置いておき、復活し生き残った。

写真
穴に針を通していく

写真
ロープには初めから針が付いている

写真
2つずつ付ける

写真
針先に突起が付いているので
結ばなくても落ちない

写真
1本のロープに160枚

写真
ロープは約10m

 漁師さんによると、生き残った稚貝の特徴は、水深の深い所に吊したもので、大きめの貝。耳吊りの針が、2枚の貝のどちらか一方にのみ通っていたもののほうが生き残った確立が高いという。現場の漁師さんの貴重な観察。

 耳吊りした半成貝は、岸からおよそ5km、水深20~30mの所に吊される。その後、今度は海から養殖籠(パールネット)を引き上げ耳吊りする貝を積んで帰る。当分の間、浜と海の往復が続く。 出来たら、日に2回行きたいところだが、東日本大震災の影響で、重油が不足し、節約しなくてはならないという。
 半成貝は、来春、母貝となって放卵する。 この放卵後の採苗の良否が、その後の生量を決定づける。

写真 美味しいホタテは、今年食べられるのか?

 今年のホタテの出荷は、ホタテ母貝(2009年生まれの成貝)の産卵後としている。 例年であれば、4月上旬には産卵しているが、今年は、海水温が低く、4月中下旬にずれ込んだ。
 産卵後、今月5月から、いよいよほたては、出荷される。青森県産のほたては、甘味が強く、色白で弾力があると市場では、高く評価している。本県人も他県産より美味しいと自負している。
 野辺地漁協では、水揚げ量は、平年の7割減と踏んでいる。価格は、やや高めだが、食卓には上りそうだ。

 ただ、これは生で食べる活貝の話し。ボイル等の加工用は全く足りなく、県内の加工業者は苦慮している。3月11日の東日本大震災で宮城・岩手県沖のホタテ漁への打撃もあり、青森県産ホタテの需要は増えるとみられているが、県内漁協も昨年のことがあり、思うに任せない状況だ。

写真

 漁食文化は、日本の食文化の根幹をなすもの。 気候変動による漁獲量の減少は、天災という諦めもつくが、ゆめゆめ、海を汚すような事だけは、慎んでもらいたい。


[お問い合せ先]

野辺地漁協
青森県上北郡野辺地町野辺地478
TEL:0175-64-2264
http://www.jf-nohejimachi.com/




バナーこのサイトはリンクフリーです
お問い合わせ先:青森県農林水産部総合販売戦略課
〒030-8570青森市長島1丁目1番1号  E-mail hanbai@pref.aomori.lg.jp
TEL:017-722-1111(代表:内線3108)/ 017-734-9571(直通)
Copyright 2005-2015 青森県農林水産部総合販売戦略課 All Rights Reserved.