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産地レポート 〜 生産者の声 〜

里の山の樹で作る無農薬「原木しいたけ」…笹木耕一さん(外ヶ浜町)

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 今、わたしたちが食べているしいたけは、「菌床栽培」と「原木栽培」という2つの栽培方法によって栽培されたしいたけ。「菌床しいたけ」とはオガクズやワラなどにいろいろな養分を加えた培地で育てた「しいたけ」。菌床しいたけは人工栄養剤などにより効率よく、且つ短期的な栽培を可能にしてきた。これに対して「原木しいたけ」とはクヌギやナラなどの自然の木(原木)で育った「しいたけ」。
 原木しいたけは収穫までに半年以上かかり、天候によって収穫量が変化するなど、効率のいい生産方法ではないが、自然の恵みをたっぷりと含み、味も香りも濃厚という特徴がある。プリプリとした食感・香りは森の風味そのものだ。

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作り続けて35年

 東津軽郡外ヶ浜町の笹木 耕一さんは原木しいたけ栽培を始めて35年。
  原木しいたけ栽培でも、収量を増やす為の増収剤や、殺菌剤、殺虫剤などの農薬が使われているのが現状だが、笹木さんは、一切使わない。全くの無農薬栽培。
 原木には、町内の山から切り出した広葉樹のナラを使っている。秋、紅葉が終わった11月頃から、芽吹く3月春までの休眠期に栄養を蓄えた木を切り出す。
 県内の場合、ほだ木の多くは、岩手県から直径15cm、長さ1mほどの大きさの揃ったほだ木用の木を買ってくる。ほだ木は何度も場所を移動したり、組み直したりしなくてはならないため、大きさの揃った、あまり大きくない木が扱いやすいためだ。
 しかし、笹木さんは、大きさの不揃いな里の樹を調達する。
「せっかく持ってきてくれるんだから。」がその理由。
「地元の物を地元の物で作るのがいいんでねが」ともいう。
 年間3,000本ほど買う。中には、樹を切ることに反対する人もいるが、原木を伐採するのは森の環境が保たれ、里山を利用することになり、里山が元気になる。原木栽培は環境に優しい農業といえる。

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ほだ木は地元のナラの樹
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大きさ不揃い

 椎茸菌を植え付けるのは 4月〜 5月。1本の原木に35個ほどの穴を開け、植菌する。これがほだ木作りの始まり。 植菌した後は、ロウで穴をふさぐ。

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木に穴を開ける
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植菌後はロウでふさぐ

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しいたけ菌

 植菌したのちハウスで25度前後に保温し、その後、気温の高くなる7月〜8月は別のハウスに移し、井桁に組み、散水して木に菌が回るのを待つ。250日から300日間、自然の環境を利用して培養し、しいたけを発生させる。
 4月に植え付けた菌は、12月頃にしいたけになる。 冬の椎茸はゆっくり熟成するため美味しいという。

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コンニチワ!しいたけです。
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菌が回って白くなっている

 収穫後は、プールに入れ1日水に浸けた後、また、ハウスに入れる。一度しいたけ菌が、回った木は、水に浸けるだけで、また、しいたけを作ってくれるのだ。その繰り返しで年8回ほど同じほだ木から収穫する。良い椎茸は、あまり笠が開かず、内側に薄い膜があること。
 ほだ木の使用期間は1年間。その後は、燃料として使うという。

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水に浸ける
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年8回収穫
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内側に薄い膜
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開きすぎ

 栽培に関して一番大切なことは「良いほだ木を作ることだ」という。 植菌すれば、しいたけが出来るのではない。「ほだ木」というしっかりとした大地を作らなければならない。「野菜作りと同じさ」と笹木さんはいう。 そのため、温度管理・水分管理とこまめに気を遣う。
 風の通りを良くするため、何度となく組み直し、期間によってハウスを移動させ、水を含ませ、また組み直す・・と何千本もの木を移動する。重労働だ。

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ほだ木作りが大切
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ほだ木の移動は大変

 それでも、不揃いな地元の木を使う。
  「運搬は大変だが太い木の方が、栄養も多く蓄え、良いんだ」とあくまで拘る。

 肉厚なしいたけは、森の恵みを香りと共に運んできてくれる。

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[お問い合わせ先]

笹木さん
電話:0174−22−3612
住所:青森県東津軽郡外ヶ浜町



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