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産地レポート 〜 生産者の声 〜

脇野沢の焼き干し…山崎幸男さん(むつ市)

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 下北のまさかり形の半島の下の方に脇野沢はある。この地域の暮らしは、国有林であるヒバと江戸時代から続いてきたタラ漁。
  タラはマダラ。毎年12月初旬に行われているタラの「場とり」は、海上に横一線に並んだ漁船が、合図の旗振とともに、各自の漁場をめざして一斉にスタートする。しかし、タラ漁も、近年は最盛期の半分ほどになってしまった。

 焼き干しは、タラ漁と並び、脇野沢を代表する産業。
 大正時代に始まったと言われる脇野沢の焼き干しが、知名度を上げたのは、その品質の良さ。1匹ずつ手作業で脂肪部分を取り除き、丹念に仕上げているのは勿論だが、品揃い、焼き具合、乾燥等の加工技術も優れていることにある。

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早業で炉に刺していく
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浜小屋の仕事は女性

 11月、山崎幸男さんの小屋でも焼き干し作りが始まっていた。
  焼き干し作りは、脂分の少ない脇野沢地区のカタクチイワシが使われる。5月〜8月頃に穫れるオオバイワシやチュウバイワシは、脂が多く焼き干しにはむかないが、8月以降穫れるカタクチイワシ等は脂分が少なく、焼き干しに適す。脂分が多ければ、時間と共に脂肪分は酸化し苦味が残る。

 午前に漁から帰ってきた船は、イワシを水揚げする。
 脇野沢の地元の人達は、自前で焼き干しを作るという。漁師さんからイワシを分けて貰い、自家で手作りするという。産地ならでは特権だ。浜に上げられたイワシは、頭や腹わたをとり出し、水洗いし、折り板に並べ軽く乾燥させる。 それから「串うち」と言われる、イワシを串に順序よく刺していく作業がある。
ここまでが、おおよその午前中の作業。

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長炉で焼かれる

 午後2時頃から長炉で焼く。
 炭火で焼かれ、体内にある多少の脂分は、なお削ぎ落とされる。焼き上がったイワシは、脂分がないか、お腹の部分を中心に再度チェックされる。白い脂部分があればはじかれる。イワシの焼き具合は、焦げ目が付くほどは焼かない、表面に少し焼き色が付くか、乾燥しているという程度だ。表・裏を焼いた後、板に25串分を並べてまだ熱いうちに串を抜き、折り板に並べて、天日干し、1日に2回、表と裏をひっくり返して、3日間ぐらいで干し上げる。

  焼いている間中、焼き魚の良い匂いが小屋いっぱいに広がる。小屋の窓にへばりつく猫の気持ちが良く分かる。

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串を刺す角度が難しい
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焼き干しのお手伝い
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焼き上がったイワシは長板へ
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焼き色はあまり着いていない
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串を抜き綺麗に並べていく

 焼き干しイワシは、各漁家で作られてきたが、今では6戸ほどになってしまったという。
 漁村では作業分担がなされ、男は漁、女は、浜の仕事とされ、焼き干し作りは、主に女性の仕事とされてきた。山崎さんのお宅では、漁から帰ってきた息子さんも加わり作業をしていた。

 上手い人の焼き干しは、手で持ってもばらけないという。鮮度の良さを保っているかのようだ。微に入り細に渡り 高級焼き干しは、完璧なまでに商品管理がなされる。

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手で持ってもばらけない
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こちらはアジの焼き干し
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出来上がった焼き干しを箱詰めしていく
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綺麗な箱詰め

 焼き干し作りは、2月頃まで続けられ、順次出荷される。
 焼き干しの製造量は、原料となるカタクチイワシ等の減少により近年は減少傾向にあり、作り手も高齢化してきている。


[お問い合せ]

脇野沢村漁業協同組合
住所:青森県むつ市脇野沢本村 無番地
TEL:0175−44−2211



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