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産地レポート 〜 生産者の声 〜

美味しくない物は作らない。“気骨の人”が作る桃…相内克己さん(南部町)

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 南部町の相内さんの作る桃は、長芋で培った相内さん自慢の自家製ボカシ肥料でしっかりと土作りをし、味の良さを引き出している。8月下旬、早生の「あかつき」系「まどか」の収穫に入った。「まどか」は、肉質が緻密で、香りが良く、甘みと水分が多く食味が良い桃。

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まどか
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香りが良く、甘みと水分が多い


  美味しい桃を見分ける方法は、表面に1〜2ミリの小さい斑点があるものがいいそうだ。「綺麗な色付きのものは、美味しくない」と祖父の克己さん。見た目はまだらなように見えるが、これが美味しい。
 桃は、同じ品種の樹でも、また、枝によっても味が違うという。

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白い部分がやや黄色になったら食べ頃
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桃は樹の上の方が美味しい
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桃は樹や枝によっても味が違うという

 南部町は、果樹栽培の盛んな地域。相内さんの園地は、山間部にある。祖父の克己さんが、趣味的に作っているという桃だが、1町2反歩(12ha)の栽培面積があり、30年以上の栽培歴。
  春、蕾が膨らみ開花する前に、摘蕾(てきらい)する。80%ぐらいの蕾を落とす。
蕾を落とすことにより樹の栄養は、樹と実に集約される。 というのも、桃は、収穫後に肥料を与え、12月頃に堆肥を入れるだけで、来年の結実を迎える。桃は、全ての養分を使い切り、美味しさを凝縮して収穫を迎える。無駄に養分は使えないため、摘蕾や摘果を行うのだ。

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山間部にある園地
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1個の桃に約40〜50枚の葉

 満開後20〜30日頃に大ききな良い実だけを残す摘果が行われる。
 作業は上ばかりではない。樹の周りの下草刈りを何度も行い、害虫の発生を防ぐ。
今年は雨が多かったため、草ののびが良く、例年より回数が多いという。
ただ、下草も刈りすぎると良くないそうで、その辺の微妙なバランスは、克己さんでなくては分からないのだという。

写真 一頃前までは、“桃は、病害虫に侵されやすい果物であるため、袋をかけて保護しなければならない”と言われていた。ある時、克己さんは、有袋と無袋の実験をした。確実に無袋のほうが美味しかった。糖度は2度違っていたという。以後、無袋で通している。
 病害虫は?の疑問に「なに、園地を常日頃見回っていれば、異変は直ぐに気づく。だから心配ないんだ。おかしかったら、直ぐに対処するから、何ていうことは無いんだ」という。

写真 克己さんが桃の生産を始めたのは、40年ほど前、当時主産物だった、紅玉の価格が低迷していたため、何か違う果樹をと考えたからだ。知人の協力もあり、桃の苗木を手に入れ、生産を開始した。
 この地に合う桃は何かと試行錯誤して、今までに何種類も植えては切り植えては切って実験してきた。結果は、この地域の農家に伝えられ、地域の桃生産に貢献してきた。少し前まで、農協の桃生産部会の部会長さんだった克己さんは、この南部町の桃の先駆者なのだ。
 今でも、桃の接ぎ木の仕方を指導している。

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↑接ぎ木受講生の台木


台木筑波4号→
赤い葉に接ぎ木すると緑の葉が
出てくるため分かりやすい
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接ぎ木
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 研究熱心で努力家の克己さん、畑は、民間の果樹研究所のようだ。

「このような活動が出来るのも、息子達が長芋生産で頑張っているから。長芋に関しては息子にかなわない」と克己さん。

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祖父:克己さん82才
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父:洋夫さん58才

「桃は親父に任せている。長芋の技術も、元は、親父から受け継いだもの。年取ったら長芋は息子に任せて、今度はおれが桃をやることになるんじゃないかな」と洋夫さん。

 洋夫さんもまた、お父様に似て研究熱心。無農薬で長芋を作り、多くの消費者から指示を得ている。

「いやいや、まだまだ」と一番若い知巳さん。知巳さんも、長芋を栽培し、15年が経つ。

 親子三代に渡る農のリレー。今の時代では、珍しく羨ましいと思われる人も多いだろう。まさしく、ここは桃源郷なのかもしれない。

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息子:知巳さん34才

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父と子
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父と子
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祖父と孫

 桃は9月一杯、品種が替わり、まどか→美月→川中島→舘白桃と収穫・出荷がつづく。桃は、完熟すると果実の劣化が早いので、完熟のちょっと前に収穫し販売される。

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箱詰め作業
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柱は電信柱を利用
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完熟の少し前に出荷

 完熟した桃が食べられるのは、「汗を流した農家の特権」と、洋夫さんは言う。 農作業の合間に食べる完熟桃は、本当に美味しいという。 この時期、他産地では収穫がほぼ終わり、出荷量が少なくなるため、今後の販売は、青森の桃にとっては有利となる。

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 収穫が終わると、ボカシ肥料を入れ、剪定し、来年の収穫に備える。
 来年の花芽は、夏頃には、もう樹の中に出来ている。


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相内農園
電話・FAX:0179−34−2686 



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