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消費地レポート

第83回

県工業会・県産業技術センター主催 商品コンペ
審査委員長 比良木 高幸 氏

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【比良木 高幸(ひらき たかゆき)さん プロフィール】

 1941年東京芸術大学美術学部卒業、パイオニア(株)デザインセンター部門長、世界初の市販カーナビゲーション開発プロジェクトリーダー、1990年 業界初の市販カーナビ発売、同年グッドデザイン部門別大賞受賞、1999年 弘前大学 教育学部・大学院教授、2005年~現在 株式会社 キャメル珈琲エグゼクティブアドバイザー、ヒラキデザインオフィス主宰 青森県工業会デザインセミナー講師・商品コンテスト審査委員長、青森県産業技術センターデザインコンペティション審査委員長ほか


 弘前大学でのご縁があって、県庁、弘前市役所をはじめ青森県産業技術センターや青森県工業会での委員会やセミナーなどに係わらせていただいています。
 東京ではデザインマネージメントや企業研修などの仕事をしていますが、この数年5回ほどの青森県の商品と食品のコンテスト、コンペの審査を委嘱された経験から、地域振興、活性化のための活動についての考えをお話します。

 私は過去、競合と革新の厳しい電子機械業界で、開発とデザインに従事し、工業会の委員を務めて企業のマネージメント研究を他社の方々とともに続けました。また、現在は食品の生産販売で独特の経営により310店舗以上を全国展開して実績を挙げている企業の経営会議に参画しています。このような経験から、県の地場産業の商品開発と市場開拓に接する機会をいただいてきました。

 各種の商品審査を通じて考える課題と、その対応策を考えてみます。

1)目的や意図の公知・広報の強化。
準備期間を長くとって、多くのメディアで開催目的とその効果を社会、各社、各団体、個人へ知らせる、参加動機と参加機会を拡げる。 応募者のメリットを知らせ、応募動機につなげ、参加しやすい環境を作る。 主催する側からの推薦や一般市民や関係機関からの積極的な推薦も一方法。 新聞、テレビ、地域放送などマスコミへの積極的な広報により話題を喚起する。
2)企業の事業改革の意識、商品開発力の向上。
そのための成功実績を上げる施策。 「伝統的な技術やスタイル」と「再発見、新規発想、時代性適応」の融合など、さまざまな開発のしかたの教育研修に力を入れる。
3)審査方法の改善と公平性の一層の努力。
審査の絶対的な公平性は難しいが、機会の均一化、評価の透明性に努め、納得性を高める選出・選定方法の改善。
4) 選出商品フォロー。
市場導入、販売促進、販売実績の強力な支援とその評価をする。主催者の選定後の商品のさらなる改良指導と市場アピールの強化。
5) 需要の喚起。
一般生活者、消費者、流通関係者、マスコミへの働きかけ、その活動方法の強化。
一般社会、市場、消費者への商品価値の広報・公知を多くのルート、方法で行う。 新しい商品の魅力や価値をアピールする場を開拓する
  • 行政の拠点での常設展示や一般市民との接点となるイベントの場での販促策
  • グッドデザイン(Gマーク)事業への応募
  • 全国各地のアンテナショップに特設
  • 常設コーナーを設けて継続的に販促
  • テーブルウエアフェスティバル(東京ドーム13万人来場)に県のブース
  • ギフトショー、各地の観光イベントなどの各種イベントでのアピール
  • 宣伝販促物、カタログ、マニュアルのデザイン指導。
6)地域の総合力の強化。
産業、行政、教育(産官学)の緊密な連携。 定期的、継続的な産官学による、商品ジャンル、研究テーマ、専門家別の開発会議と事業化システム。
7)審査と市場実績化の好循環を作り出す。
地産、加工、流通企業の新規開発意欲を企画、技術、デザイン、システム、財政、事業化、販促流通面で支援し、「開発と広報と販売実績」の好循環実例を積み上げる。

 これらはすでに実行されている例も多いのですが、今、全国で地域産業の活性化とそのための市場づくりが競われています。全国の事例を研究して、青森県で活かせる方法を検討し、県の優位性や特徴を活かし、さらに成功、不成功例を知るなどのリスクを減らす努力も必要です。事業は継続性と専門性が求められます。地域を知る専門家と、新規起業に力あるディレクターの協働も有効です。期待することは県内企業の意識と姿勢と体質の強化、人材育成による持続的な発展による国内外市場への展開です。

 県内の2005~2012年の商品選定事例と審査評の選定意図をご紹介します。


例1:あおもり産業デザイン賞(社団法人青森県工業会主催)2005

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「大賞」と
「県内デザイナー創作品部門賞」

BUNACO LAMPブラケット BL-B493
 ブナコ漆器製造株式会社
 デザイナー 望月好夫氏

ブナコならではのフォルムは、温・柔・豊のキーワードを形にしてくれる。ブナコ独自の「光の器」。 

審査評:
 ブナコの素材感を活かした独自の有機的な造形が美しい商品です。シンプルな形状の中に込められた、木と独特の工程が作る柔らかな表情が、消灯時は木彫のようなたたずまいを、点灯時は光と影の織りなす高品位なオブジェとして空間を創っています。この商品は自然の素材を無駄なく大切に使うエコ技術を基礎に、青森の伝統的な産業をモダンな造形表現で新たに生活に活かす典型として高く評価できます。作者は県内技術と商品デザインの感覚をさりげなく融合して現代の住空間にゆとりの世界を実現しました。既成のどのような産業にもデザインによる価値創りがあり得るとのメッセージと希望を感じます。

例2:青い森の良品発掘コンテスト(地方独立行政法人青森県産業技術センター主催)2011

 生活スタイルや場の提供、高品質感の表現、特産のお得感などを評価、期待しました。
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加工食品部門大賞・デザイン部門準大賞
シャイニースパクリングアップル
青森県りんごジュース株式会社
デザイン部門大賞
御なたね油
NPO法人菜の花トラストin横浜町

例3:青い森の良品発掘コンペティション(地方独立行政法人青森県産業技術センター主催)2012


 地域産の原料を活かし新たな味を創り、食を楽しむ人と場面を拡大する提案の好例です。
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加工食品部門最優秀賞
清水森ナンバ・グリーンカレーペースト
合同会社弦や(弘前市)

情報掲載:2013年6月15日



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