マーケティング情報


消費地レポート

第73回 (株)JR東日本青森商業開発
代表取締役社長 本宮 彰 氏

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【本宮 彰 さん プロフィール】
1991年JR東日本入社。盛岡で半年間研修したのち、本配属先の新宿駅において、サンドウィッチ店の店舗開発・運営を同期10人で手掛け、商売の原点を学ぶ。 その後 大手不動産会社・商社への出向を経験しながら、一貫して自社資産を効率的に活用する不動産開発畑を歩み続け、2007年6月からは大規模開発プロジェクトとして、大規模ターミナル駅の駅改良及び駅ビル開発を担当。 2010年5月、地域活性化の具体的取組みとして青森に会社を設立、同時に現職。家族一緒に青森の生活を楽しむ。


地域からの創造・発信「モノにこだわり、青森にこだわる」

 A-FACTORYの概要については、当該 消費地レポート第60回 において紹介されている。今回私からは、A-FACTORYの現場において、日々どんなことを考え取り組んでいるかをご紹介したいと思う。

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A-FACTORYには3つの「こだわり」がある。

(1)自らつくる・・・「工房のこだわり」

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あおもりシードル

 「敢えてリンゴにこだわる、リンゴを最大限活かす。」というコンセプトを突き詰めた結果、我々は自ら酒類免許を取得し、シードルの醸造・販売を行うという「モノづくり」に挑戦する道を選んだ。日本一の生産量・世界一の品質を誇る青森のりんごにこだわり、その原料に新しい付加価値をつけることで、新たな需要の創出につなげることができる商品開発にこだわった。価値優先の商品開発である。その先には、自らがシードル醸造という新たな価値創造に挑戦することで、地元での新たな事業の創出(マーケットの創造)につなげたいとの強い信念・こだわりがある。
 ただつくるのではなくそこからどう価値を高めていけるか、シードルを出発点として、ゆくゆくはアップルワインやアップルブランデーなどにも挑戦していきたい。

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(2)青森のこだわりを売る・・・「マルシェ(市場)」

 青森県から選りすぐりの優れた魅力のある地域産品をご提供するよう地元商品の掘り起こしやショップとの新商品開発などに力を入れている。地域には、その土地ならではの郷土料理や工芸品、農産物や海産物等の地域資源がたくさんある。地元の方からみると、その土地の資源に慣れ親しんでいるため改めてその価値に気付かないかもしれないが、こうした資源を掘り起こしていくことにこだわりを持っている。地域での観光消費を促進させるためには、その土地ならではのこだわり地産品の販売が極めて有効だからである。地元目線で商品と向き合い、首都圏目線でニーズに向き合い続ける、そこに商売のヒントが隠れている。
 せっかくの青森の食材であり地産品。ちょっとよそでは見かけない掘り起こし商品を、どのように調理したら美味しく召し上がれるのか食べ方の提案も添えつつ、マルシェ感覚でおしゃれに楽しくお買物ができる空間に!・・・そんな空間づくりにこだわっている。

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(3)情報発信へのこだわり・・・「拠点の空間」

 A-FACTORYは単なる商業施設ではないし、単なる観光施設でもない。A-FACTORYは地元や人々の日常になじむ性格と観光客向けの非日常を演出する性格の両方を併せ持つ空間である。
 建物中央にモノづくりの象徴である「工房」を配置し、買物や食事をしながら、階段を上り下りしながら、自然と製造過程が見えるようにした。魅せる工房という役割と同時に、原料も醸造者の顔も「見える化」し消費者に安全・安心を感じてもらうことで商品の優位性を発信している。
 2011年度のグッドデザイン賞を受賞したA-FACTORY、創る(製造・加工)× 味わう(物販・飲食) × 魅せる(見学・地産食材)の機能が融合し、賑わいと憩いを創出しながら地域の魅力を伝達する核施設として、シードルを含めた地産品の商品ブランドを醸成し、青森という地域ブランドの創造に尽力したい、敢えて地域からの発信にこだわり続ける所以である。

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 経済のグローバル化や消費行動の画一化により、地域経済や地域文化が崩壊し地方都市に個性が無くなりつつある。 地方都市が元気を取り戻すためには、その一つとして商業の役割が大きい。お買物は価格と品質だけで行動するわけではない。そこに「感性」や「喜び」というその商品(地域)ならではの個性の発信があるからだと思う。

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 最近、シードルが少しずつ着目されているという、うれしい限りである。今我々は、自社のシードルを使い「シードルで乾杯!」という文化の醸成・実践に取り組んでいる。宴会や婚礼などのシーンで、ちょっとしたパーティー会場でこれを実践していくことで、シードルの認知向上は勿論のこと、消費者には新たな「感性」や「喜び」という価値を提供し、青森の新たなライフスタイルという地域文化=地域ブランドの醸成に繋げていきたいと思っているからである。
 これからの時代、ますます地域間の競争が激化していく。 2014年には北陸新幹線が開通、2015年には函館新幹線が開通予定という環境下、我々はどこまで青森をブランド化できるか、それは我々一人ひとりがみんなで当事者となって考え行動していくことが大事である。
 青森という地域経済・文化の個性を本当に求めるならば、「シードルで乾杯!」という文化の醸成を、30万人の青森市民又は136万人の青森県民の一人でも多くの人に、是非是非実践してもらいたいと思っている。


情報掲載:2012年1月15日



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