マーケティング情報


消費地レポート

第54回

青森ツーリズムアドバイザー
一ノ瀬 和雄 氏

写真

【一ノ瀬 和雄 さん プロフィール】
昭和44年読売広告社入社、平成18年同社退職。在職中、「活彩あおもり大祭典」に営業として担当し、その後も青森県担当を務める。退職後も読売広告社のスタッフの一員として、引き続き「まるごと青森情報発信」「観光コンテンツ開発」「青森県アドバイザリーボード」「とことん青森2010原宿表参道」等の業務に関わる。


 東京ドームでの「活彩あおもり大祭典」以来青森県とのお付き合いは10年余りになります。この間、正確には数えておりませんが、公私含めて約100回は青森県各地を訪問していると思います。そんな体験をもとに‘よそ者’の視点から「道の駅」について述べてみたいと思います。

イメージ 最新のデータによれば全国には936の道の駅があり、青森県には27施設が点在しています。27の施設を全て訪れたわけではありませんが、他の地域の道の駅に比べて施設数、施設内容とも充実しているという印象です。‘よそ者’にとって道の駅は、地域の魅力が溢れ、従業員の皆様の温かみに触れ、その地域ならではの土産や食を楽しみ、何より道の駅があるという安心感です。

  観光の潮流が「名所・旧跡・宴会・温泉・観光バス」に代表される団体旅行から、地域の歴史・文化や食を求め、体験や交流を楽しむ個人、グループ観光が主流となっています。自分流に地域ならではの体験や交流を楽しむために事前の情報収集にも熱心な人達です。そして、高速道路料金の値下げの影響もあって地域内の移動には自動車を利用する人が増加することが考えられます。道の駅は、‘よそ者’の観光客にとって地域の魅力が凝縮した外に向かって開かれた顔として益々期待される存在になってきます。

 先ず第1の期待は、食です。いつでも食べられるものより、その地域でしか、その時期でしか食べられないもの、更に素材や料理方法などのストーリーが語られていると一層満足度は高まります。特産品も、他の物販施設等との違いを明確にするためにも「ここでしか買えない、ここにしかない」品揃えが選ぶ楽しみを満足させます。昨今は、首都圏にもアンテナショップが充実し、そこでいつでも買える品揃えをしても余り魅力はありません。

写真
春限定の味「若生こんぶ
おにぎり」(道の駅浅虫)
写真
津軽半島道の駅9駅の
限定販売「海彦カレー」
写真
津軽地方の郷土料理
「すしこ」(道の駅もりた)

 第2の期待は、ふれあい・交流・体験の拠点機能です。笑顔の接客や心のこもった会話は嬉しいものです。時として、レストランでも物販でも単なるレジでの一方通行的な関係と感じるのは私だけでしょうか。「どこから来たのですか。これからどちらに行かれるのですか。」といった他愛ない会話も心温まるものです。そして、地域での楽しみ方、旬な地域情報、道の駅やその周辺での体験プログラムの造成など地域住民やNPOと連携した「地域の玄関」機能の充実も求められています。また、例えば施設内に地域の人達の絵画、写真、陶器、パッチワーク、生け花、子供の絵など趣味の場が併設されていたりすると地元生活者のとの強いつながりと暮らしの一端を感じるものです。

写真 写真 写真
旬の食材を活かした郷土料理が人気のSAN・SUN産直ひろば(道の駅さんのへ) 新鮮な魚介類と元気なスタッフが評判の道の駅ふかうら 地元の伝統工芸が体験できる匠工房(道の駅とわだ)

 第3の期待は、情報発信機能の充実です。道の駅がある周辺地域の情報、道の駅の旬で、お得で、楽しめる情報、また、道の駅の共同企画情報等を発信することが求められます。直近のある調査によると、全国の道の駅ページビューランキング上位50施設には青森県はありませんでした。県内27の道の駅全体をまとめたポータルサイトを立ち上げそこから各道の駅にリンクを張ったり、行政や地域の団体とタイアップして連携PRなども考えられます。今、訪問者が求めている情報は、各種観光情報にあるものではなく、鮮度の高い、レアな情報です。個々の道の駅が発信する情報は、情報の量よりも情報の質を念頭に置いて充実する必要があります。

 食、交流・体験、情報発信の共通したキーワードは、「地域感」「限定感」「希少感」だと思います。

 個々の道の駅では個性の磨き上げに努め、対応の困難な課題には道の駅どうしで連携して多様な情報を共有し、利用者目線での様々な施策へのチャレンジは、わがままな‘よそ者’を満足させ、道の駅全体の価値を高めることにつながります。東北新幹線新青森開業を半年後に控え、コンビニやガソリンスタンドが子供たちにとって緊急の駆け込み場所であるように、多くの訪問者にとって道の駅に駆け込めば安心という場所になることを期待しています。


情報掲載:2010年6月15日


バナーこのサイトはリンクフリーです
お問い合わせ先:青森県農林水産部総合販売戦略課
〒030-8570青森市長島1丁目1番1号  E-mail hanbai@pref.aomori.lg.jp
TEL:017-722-1111(代表:内線3108)/ 017-734-9571(直通)
Copyright 2005-2010 青森県農林水産部総合販売戦略課 All Rights Reserved.