マーケティング情報


消費地レポート

第32回

「東京で改めましての顔合わせー青森県の工芸品と北緯40度のハーブがー」
エッセイスト・スペースたかもり主宰 高森 寛子 氏

写真:湊谷亜由美 氏

【高森 寛子さん プロフィール】

東京都生まれ。婦人雑誌の編集者を経てエッセイストに。25年ほど前より、使い手の立場で、日本の伝統的な生活道具の作り手と使い手をつなぐ作業に携っている。展示会等のプロデュースや新聞や雑誌で執筆の一方、自ら主宰するギャラリー「スペースたかもり」を拠点に、漆の日常食器を中心とした企画展を年に数回開催している。青森県売れる商品づくり工芸品委員会委員。共著に「 ほんものの漆器 買い方と使い方」 (新潮社) 。著書に「美しい日本の道具たち」(昌文社)、「心地いい日本の道具」(亜紀書房)、「漆の器それぞれ」(バジリコ株式会社)「 うるしが、いいね。」(ラトルズ)など。

高森氏の「高」「寛」の字は、正しくは旧字体です。ウェブページでは表示できないため、「高」「寛」の字を使わせていただきました。


東京で改めましての顔合わせ ー青森県の工芸品と北緯40度のハーブがー

 東京メトロ丸の内線、茗荷谷駅から約3分の場所に「一幸庵」という和菓子屋さんがある。今どき珍しいとされる本物の蕨餅(わらびもち)を作る店、餡子(あんこ)に最高の気配りをする店、薯預饅頭(じょうよまんじゅう)用のつくね芋は“五所川原産”にこだわる店として、知る人ぞ知るところだ。
 私の仕事場「スペースたかもり」は、この3階。一幸庵の店子になって10年を迎えた。ギャラリー機能を備えた書斎と称している10坪ほどのその場の家具・調度は、弘前市の5人のクラフトマンの手によるものである。
 こんな中で日々仕事を続けているせいか、私の青森熱は高まりっぱなし。ここ数年間、年に5〜6回の青森通いで、よき水先案内人たちにも恵まれた。興味は県内の伝統的な生活工芸品から食材、その調理法、酒類(下戸なのに)にまで広がりつつある。


須藤賢一展(津軽塗職人の個展)

須藤賢一展(津軽塗職人の個展)

須藤賢一展(津軽塗職人の個展)

一幸庵の和菓子と漆
(須藤氏の漆器の使い方を展示)

 2006年3月、当スペースで青森県の工芸品展<時を彩る 北の食卓〜あおもり〜>を開催。出展品は、南部裂き織り・津軽金山焼き・白神ガラス・わにもっこの木工品・竹内啓子のあけび蔓細工である。主体は工芸品の展示販売だ。しかし、私としては、別の面からも東京の人に青森の魅力を伝えたい・・・というわけで、少し前から虜になっていた大西ハーブ園のハーブに、勝手に白羽の矢を立てたのだった。

 ハーブの中には、辛いもの、ほろ苦いもの、甘いもの、酸っぱいものなどがあると意識したのは、大西ハーブ農園を訪れ、現場で説明を聞きながら、それぞれのハーブを口にさせていただいてからのことである。香りや歯ごたえも、東京で求める同種のものとは大違いだった。ハーブ本来の力を引き出すために、土・光・栽培方法・収穫方法等々、いずれも自然の仕組みを活かした大西さんの工夫あってのこそのものなのだろう。更に、新鮮な良品を求めるレストランのシェフたちの希望に添うため、24時間態勢で仕事に取り組む生産者の姿勢には、頭が下がる思いである。


大西ハーブ農園
大西さん


北緯40度のハーブ

 話を戻そう。私の相談に大西さんがご快諾下さった。そして展示会中の特別イベント当日には、料理・デザイン担当の酒井柚里さんが上京。前述の工芸品とハーブのコラボレーション<ハーブパーティー おいしい青森を青森の器で楽しむ集い>が実現したのだった。
 南部裂き織りのテーブルランナーやマットの上に並ぶのは、津軽金山焼き・あけび籠・白神ガラス・木の器などに盛られたハーブサラダ・ハーブケーキ・ハーブペースト・白神酵母のパンたち。ガラスポットの湯の中では、青々としたハーブがゆったりと葉を広げ、ハーブティーがカップに注がれる時を待っている。取り皿は、金山焼き製。これは、パーティー後に参加者にプレゼントされた。
 このイベント、東京及び近県から参加された方々に大好評だった。随分と日時を経た今でも、折々の話題になるほどである。


工芸品とハーブのコラボレーション

ハーブパーティー
おいしい青森を青森の器で楽しむ集い

北の食卓展

津軽金山焼きと
南部裂き織りのテーブルランナー

 いつかまた、青森県の工芸品と食のコラボレーションが面白く出来るかもしれない・・・。お節介な青森ファンとしては、この県ならではの伝統的な手仕事と、豊かな食材の数々を思い浮かべながら、次の機会に思いを馳せているところだ。ささやかながら「あんずまし〜い青森」の紹介が続けられればと思うのである。



情報掲載:2008年8月1日


バナーこのサイトはリンクフリーです
お問い合わせ先:青森県農林水産部総合販売戦略課
〒030-8570青森市長島1丁目1番1号  E-mail hanbai@pref.aomori.lg.jp
TEL:017-722-1111(代表:内線3108)/ 017-734-9571(直通)
Copyright 2005-2011 青森県農林水産部総合販売戦略課 All Rights Reserved.