マーケティング情報


消費地レポート

第29回 
「青森県の農産物へ望むこと」

オフィス・フジイ 代表 藤井 俊雄 氏

写真:オフィス・フジイ 代表 藤井 俊雄 氏

【藤井 俊雄さん プロフィール】
神奈川県出身。1971年 (株)ダイエーに入社。フーズライン商品本部青果部門のマーチャンダイザーとして1991年に退社するまで、商品の仕入及び開発等を手掛ける。退社後オフィス・フジイを設立しコンサルタントとして独立し、各地域のスーパーマーケット青果部門の指導を行うほか、各種協会のセミナー講師や診断事業の提案・報告書等の作成、(株)商業界 各誌・専門誌への執筆活動を行う。

○著書
「SMオペレーション教本」「青果売場の12ヶ月」「SMパートタイマーの教科書」「SMチーフの教科書」「青果の教科書」「パートタイマーの教科(共著)」(株)商業界各誌など多数。


青森県の農産物へ望むこと

青森県産の農産物でメジャーな商品として理解している商品は、りんごである。その他といえば、ニンニク・ナガイモ・ニンジン・大根などが思い付くが、これから夏に向けて、量販店が特別意識して、この産地でなければならないと云うことはない。なぜならこの時期に同じ商品は、北海道産に沢山あり、安定的に販売ができるからだ。また青森産の野菜は、関西以西では特に見当たらないことも、北海道産が、十分市場に入荷していることだと思われる。しかしながら、一旦青森をよく知ると、その商品のよさを評価する人も多い。

にんにく ながいも にんじん

私は、長い間、量販店のバイヤーをして、東北にも駐在した経緯から、青森産農産物の価値を認識しているつもりだ。しかし、多くの量販店のバイヤーは、実際、青森に行ったこともないため、身近に青森を理解できていない。青果部門のバイヤーは、実際に産地に赴き、栽培の現場を知り、生産者らと直接話をすることが基本だが、産地も見ない、商品も見ることがなければ、いくら良い産地があり、良い商品があっても、産地の理解は不十分となる。私は、青森の農産物の良い点は沢山あると思うが、必ずしも地域により青森の認識が十分でないようだ。青森の産地に立ち、より青森を広めることが、重要であるのだが、どうするのが良いかについて検討してみよう。


流通の立場からの要望

青森県は本州の最北端の緯度に位置することで、農産物の出回りは東北各地の中で、遅く出回る商品が多い。国内で生産される野菜は、夏が終わる8月から9月は全体的には端境期となる時期だが、青森産はこの時期に出回る商品も多い。具体的商品は、トマト・キュウリ・ピーマン・枝豆・トウモロコシ、などの果菜類や、レタス・キャベツ・白菜・ネギ・大根などの大型野菜などだ。需要の高い商品を持つのであるから、有利な販売をすれば良いのだが、商品の日持ちを良くするための予冷設備が、少ないため品質を維持して、より遠距離への配送がしにくい面がある。

写真:インカトマト 写真:ピーマン
インカトマト ピーマン 青森在来品種の枝豆
「毛まめ」
写真:嶽きみ 写真:ねぎ 写真:レタス
嶽きみ ネギ レタス

一方、メジャーのりんごは、CA貯蔵技術で次の年のりんごが収穫できる8月まで、前年収穫した商品を販売できる技術を確立している。このため、今では海外にも出荷でき青森りんごの名を世界に広めている。野菜もこのような品質を保護する保冷技術が導入されれば、りんご同様に青森産野菜は有利に販売できる。

今から30年前には、野菜王国長野ではコールドチェーンシステムが確立され、全国いたるところで長野産夏野菜が販売された。真空予冷機(バキュームクーリング)は、採れたての野菜をいち早く予冷できる機械だ。今では、長野をはじめ、岩手・福島・北海道は長野と並び夏野菜の有名産地だ。各地とも予冷機を導入したことで、全国いたるところまで夏野菜が潤沢に流通している。青森産野菜を、りんごと同じようにメジャーの仲間入りするには、予冷システムの普及が必要ではないか。



情報掲載:2008年5月1日


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