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消費地レポート 日本料理 百代 料理長 浪内 通 氏

第109回

日本料理 百代 料理長 浪内 通 氏

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【浪内 通 氏 プロフィール】

青森県出身。地元の食材を使った会席料理の店、「日本料理 百代」料理長。
青森青庖会会長。1998年第青森県卓越技能者表彰受賞、2004年全国技能士会連合会マイスター認定。2013年8月「あおもり食命人」に登録。
食材を探しに行った漁港で、邪魔者として捨てられていた“ふじつぼ”を持ち帰り調理法を考案。靑森の新鮮な海鮮食材『七子八珍』の一つに育て上げ、食べる人を魅了している。



料理人のこだわり

私が東京に修行に出たのは高校を卒業してからでした。
修行先での教えもあり、食材全てを使い切るということが、私のこだわりです。
魚の頭から尻尾まで、アラから骨まで全てです。
命あるものを頂くのですから、無駄なくすべてを使い尽くすことに徹しています。

自分が広めたという自負もあり、青森市の「七子八珍」の選定の中で、“ふじつぼ”を選んだのは、その一端でもあります。“ふじつぼ”は養殖ホタテに付く厄介者で、当時捨てられていました。大量に捨てられている“ふじつぼ”は、まだ、生きていて触角を出して、私を手招きしているように思えました。漁師さんの許可を得て、貰って帰りました。“ふじつぼ”は、カニの仲間。美味しくないはずはないという直感が働きました。
ただ、美味しく食べるには、特有のクサイ臭い取りと砂出しが必要でした。

七子八珍 シラウオ

七子八珍 ふじつぼ

試行錯誤の結果、たわしで磨き、流水にひっくり返して置いておくと良いと分かりました。全国的に見ても、青森の“ふじつぼ”のような大きく立派な“ふじつぼ”は珍しいです。これは、陸奥湾に流れ込む、山からの栄養豊富な水の賜物です。


青森の食材の豊富さ


14年間修業し、32歳で青森に帰ってきた私の中には、青森ほど食材の豊富な所は無いという強い確信が芽生えておりました。仕事上、築地市場へは頻繁に出入りし、全国各地から集まってくる豊富な食材は目にしているものの、一般の人が買い物するスーパーは、青森ほど豊富ではありませんでした。青森に帰ってきてスーパー等は本当に豊富です。外に出て初めて青森の豊かさ、特に魚介類の豊富さに驚かされました。

ヒラメ

マイガ

ほたて

この豊かな食材をもっと知ってもらおうと、食育にも関わり始めました。
子ども達の食育だけでなく、飲食店にも、郷土料理の素晴らしさを伝えてきました。
介護食にも関わりました。たまたま、小学生の時の友達が、県の保健指導の担当者だったのもあり、美味しい介護食作りに取り組むことになりました。
その当時は、まだ、今ほどバラエティーに富んだ介護食ではなく、どちらかというと、ただ単に胃袋を満たすような味気のないものでした。
食事は、見た目、食感が大事。食べる楽しみが無くてはなりません。
ましてやお年寄りにとっては、食べることが楽しみの一つなのです。
調理師会の若手にも声をかけ、みんなで青森の食材を使った介護食レシピを作りました。
青森には、全国1位を誇る長芋やにんにく、ごぼうなど全国ベスト10に11品目も入る野菜があります。介護食においても、優れた特性を発揮してくれます。
長芋は、生で摺れば、飲みやすくなり、ゲル剤を使わなくていいですし、茹でてもお芋として美味しいものです。サツマイモ、サトイモも同様です。
トーモロコシ、アスパラも良いですね。
青森の豊富な食材は、使い勝手が良いのです。

ながいも

アスパラガズ



今後の青森の食


私は、調理人として今までやってきたことは、今後も続けようと思っています。
それに加え、今後の観光を食の上からも考えています。
観光客の楽しみの一つにやはり地元の食があります。
あの店は美味しかったが、この店は美味しくないではなく、どの店に入っても美味しい、満足できると言ってもらいたいと思い、飲食店全体のレベルアップを図りたいと思います。
調理師会では、2~3月に一回の割合で講習会を開き調理師の研鑽に励んでいます。

その他に、今私が取り組んでいるのは「青森のフグ」です。
青森は、太平洋、日本海、津軽海峡、むつ湾と四方を海に囲まれています。
魚種が豊富で、その上美味しい。
そんな中で、「青森のフグ」は有望株です。
トラフグを始め、アカメ、ゴマフグ、マフグ等沢山のフグが獲れます。

青森では、フグを食べる食文化がないので今の所、みんな下関や関西方面に安い値段で出荷されてしまいます。除毒場がないのも大きな理由です。これに関しては、魚市場、行政関係者等に作ってくれるように働きかけています。見通しは明るいですね 。



最後に


青森の調理師会の内の和食部門「青森清泡会」では、地域に根付いた文化、郷土、習慣を総括した「日本の料理 心得」“食事作法・しきたり”を作りました。
これも、若い調理師たちへの指導となれば幸いです。

青森清泡会出版の本

 

 

 




情報掲載:2017年10月15日



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