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消費地レポート 〜青森の食材について〜

第104回

料理人 上柿元 勝 氏

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【上柿元 勝 氏 プロフィール】

1950年 鹿児島県に生まれる。
1974年 単身渡仏。パリとジュネーヴの「ル・デュック」、 リヨンの「アラン・シャペル」、ヴァランスの「ピック」で修行。
1981年  神戸ポートピアホテル「アラン・シャペル」のグランシェフを10年間務める。この間「トロワグロ」「ジャマン」にて修行。
1992年  ハウステンボスホテルズ常務取締役総料理長及び、ホテルヨーロッパ     総支配人を務める。この間、ニューヨークの一流レストラン「ダニエル」   「パーセ」で研修(2009年1月ハウステンボスホテルズ退職)。
1999年  ブルゴーニュ、シャンパン、ボルドー三地方のワインシュヴァリエ受章。 メートル・キュイジニエ・ド・フランス協会名誉会員に。
2004年  フランス共和国より農事功労章シュヴァリエを受章。
2005年  鹿児島にてフランス料理「ミディソレイユ」及び「ポルトカーサ」をプロデュース。
2007年  「長崎県美術館カフェ」プロデュース。
2008年 長崎に「パティスリー カミーユ」オープン。オーナーシェフを務める。
2012年  一般社団法人 日本エスコフィエ協会(フランス料理のシェフの会)副会長就任。
2013年  三ツ星レストラン「ピック」「レジス・マルコン」「ドゥ・カルメリート」などで修行。
2014年  京料理「瓢亭」「菊乃井」「木乃婦」で日本料理の「だし」について研修。
2015年  鹿児島にて山形屋レストラン「ル・ドーム」プロデュース。
2016年  厚生労働省より「現代の名工(卓越した技能者)」受章

 常に自然の恵みに感謝し、食文化の発信を目指すとともに、日仏の交流に努める。さらに、地元食材の普及と食育の推進に取り組む。
  これまで皇族をはじめ、モナコ国王、オランダ王子等VIPの晩餐を担当。様々 なフランス料理コンクールにおいて審査員を務める。

  ㈱アゴーラ・ホスピタリティーズ料理監修。一般社団法人日本エスコフィエ協会副会長。長崎県観光マイスター。薩摩大使。NHK「きょうの料理」講師。 フランス料理アカデミー会員。

著書『ソース』(柴田書店)

 

青森の食材について


 今回10月2日にホテル青森で行われた「トップシェフによる青森食材料理講習会」に、東京西麻布にあるイタリアンレストランの日高シェフ、私と長い間働いてきたホテル・ラスイート神戸ハーバーランドの田中シェフと私の3人で講師を務めました。受講者は生産者、料理人、流通関係、及び県の職員の方々で総勢120名でした。


右から
上柿元・日高・田中シェフ
   

私が担当しましたのは、「ホタテ貝とリンゴ(千雪)のタルタル香草風味、ベビーベビートマト添え」、肉厚で美味しい「ヒラメのポワレ、ゴボウの赤ワイン煮、南部太ねぎのフライ添え」、及び「野辺地葉つきこかぶのコンポート、こかぶのアイスクリーム添え」です。

青森県産ホタテ貝、りんご
(千雪)のタルタル香草風味
ヒラメのポアレ かぶのアイスクリーム添え

 

 日高シェフは「″八戸前沖サバ″の″青天の霹靂米″焼きリゾット″南部太ねぎ″のソース、フレッシュハーブ″フェンネル″添え″野辺地葉つきこかぶ″の焼き″陸奥湾ホタテ″の″塩蔵ウニ″バルサミコ酢ソース」という大変長いメニュー名の料理を作りました。

沖サバはプルンと丸く、身をしっかりし脂のコクがしっかりした材料で、生だけではなく焼いても煮てもマリネに適した魚だと思います。青天の霹靂米を初めて頂いた時、今まで食した他の米より粒が大きく、少し甘く軽く粘りがあって、冷めても美味しいと思ったことをはっきりと覚えています。今回のイベントの前日、三村知事を訪問した際、この米の秘密を知りました。八甲田や白神山地の緑、そこに降る雨、そしてきれいな水、森、自然の力と作っている人々の熱い情熱が一粒一粒の米の光沢になってこの品質が生まれたものと知りました。知事の熱弁を伺い、米だけではなく、魚介類、長芋、ゴボウ、ニンニク、トマト、葉物、ハーブと本当に「青森」にはマグロ、ニンニク、リンゴ以外にも素晴らしい食材があることを再認識しました。知事をはじめ、各担当者が自信を持って作り、販売し全国へ発信し続けていることに驚きました。この夏、パリに研修に行った時すでに青森の黒ニンニクがあったのをさすがだと思いました。

 

 

にんにく ながいも
ヒラメ

マグロ

黒ニンニク 青天の霹靂


 田中シェフは「青森、シャモロック胸肉のロースト、モモ肉のニンニクのコンフィ、南部太ねぎのガルニチュールとともに」を作りました。このシャモロックは、飼育100~120日、静かな場所で衛生的なところで飼われています。地鶏としては固くない肉質で程よい歯ごたえがあり、肉質がしっかりして旨いの一言です。モモ肉(骨付)に塩、ローリエ、砂糖、オリーブ油をパック詰めにし 、75℃で約5時間オーブンに入れコンフィに仕上げました。ホテルのスタッフや他のホテルの料理人の方にも、この料理法は初めて見ましたと喜んで頂きました。コンフィにすることでこの肉質が柔らかくなり、鶏ガラからとったブイヨン、赤ワインとの相性も抜群です。南部太ねぎは炒めても揚げても独特の甘みがあり、ネギ本来の味がいっそう引き立つ一品でした。

 私は事前に9月1日~3日現地を訪問し黒石市の今智之氏のリンゴ園を訪れ、切った後褐変しない「千雪」と出会った時、ホタテのタルタルにびったりだと直感しました。甘いコクのあるホタテのシャキシャキ感とリンゴの風味、そして変色しにくい千雪の相性と藤森農園のフレッシュハーブをアクセントで加え、仕上げは周りに蓬田町のミニトマト、ベビーベビーを添えます。このトマトはまず皮が薄い、光沢がありピカピカの艶。今まで見たことも味わったこともない素晴らしいフルーツトマトです。生産者の津島さんのトマトへの熱い思いがすごいなと感じました。ジュースも濃厚でトマトそのものでした。ベビーベビーは一度食べたら忘れられない味でこれだけ食べに青森に行ってもよい食材です。
 私の2品目「青森産ヒラメのポアレ、ゴボウの赤ワイン煮、南部ネギのフライ添え」は、身のしっかりしたヒラメをポアレにし、ゴボウを赤ワインでゆっくり煮て艶を出し、ミニトマトは半分コンフィに仕上げ、南部の太ネギのフライを添えました。

青森産ホタテ貝、リンゴ(千雪)のタルタル香草風味ぷよぷよトマト添え ゴボウの赤ワイン煮 千雪(育種ほ場)

 3品目は「野辺地葉つきこかぶのコンポートとアイスクリーム添え」。以前視察した時、このかぶを畑で生で食べ、なんと甘い、そして香りがよい、これは料理じゃなくて、デザートに合うと思いました。この野辺地町は朝夕の寒暖差が大きく地理的に夏でも涼しい地域のため、このようなジューシーな小カブができると説明を受けました。小カブをスライスしグルナデンシロップで軽く煮てコンポートにし、アイスクリームは小カブを一度煮て、すいのうで漉し、シロップと一緒にアイスクリーマーに回し仕上げます。


 講習会の翌日、朝早くから中央卸売市場で鮮魚の視察。日本海、太平洋、津軽海峡に囲まれた寒流と暖流が交わるとことと、穏やかな陸奥湾の内海で食材の宝庫にふさわしく多くの魚種に目を見張るものがありました。そして長谷川自然牧場を初めて視察しましたが、前々から豚の話を聞いていたので大変興味がありました。徹底した食の安全にこだわった循環型農業を守り続け、本当に自然牧場で豚や鶏たちがのびのびとそして生き生きとして飼育されていることを実感しました。弘前市りんご公園とシードルの試飲りんご品種の多さと自然発酵のシードルは最高でした。

長谷川自然牧場 弘前市シールド工房で 試飲


 今回の講習会を通して、青森の数多くの素晴らしい食材を改めて知ることができ、大変勉強になりました。今後も青森の食材をより多くの皆さまに知っていただき、その美味しさを味わっていただける料理を作り、青森の農水産業の発展に少しでも寄与できればと思います。

料理人 上柿元 勝


情報掲載:2016年12月15日



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